「この舞台を活かすも殺すも自分次第。新日本プロレスが飛躍できるような年にするためにも、東京ドーム2連戦を闘い抜きます」1.4でIWGP世界ヘビー級王者・ザックに挑戦!1.5ではクラウディオと初シングル!! ドーム2連戦に挑む海野翔太選手に直撃インタビュー!

チーム・協会

【新日本プロレスリング株式会社】

2025年1月4日(土)東京ドームで“IWGP世界ヘビー級王者”ザック・セイバーJr.に挑戦する海野翔太選手に直撃インタビュー!

撮影/タイコウクニヨシ

■『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム』
2025年1月4日(土) 14:45開場17:00試合開始
東京・東京ドーム
※「アリーナA」は残りわずかとなりました
※「ロイヤルシート・最前列」「ロイヤルシート・2列目」「ロイヤルシート・3-6列目」「アリーナA」「バルコニースタンド」「ソファーシート」「ファミリーシート」「逸材シート」は完売。

※リンク先は外部サイトの場合があります

■『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE DYNASTY』
2025年1月5日 (日) 11:00開場13:00開始
東京・東京ドーム
※「アリーナA」は残りわずかとなりました
※「ロイヤルシート・最前列」「ロイヤルシート・2列目」「ロイヤルシート・3-6列目」「バルコニースタンド」「ソファーシート」「ファミリーシート」は完売。

※リンク先は外部サイトの場合があります

■薩摩川内でザックに言った通り言い訳にするつもりはないですし、100%の自分で闘うことだけをイメージして、東京ドームに向かいたいと思います

【新日本プロレスリング株式会社】

――さて、海野選手。『WORLD TAG LEAGUE』も終わりまして、いよいよ東京ドーム大会が間近に迫ってきました。現在のコンディションはいかがですか?

海野 もちろんタッグリーグのダメージも残ってますし、足首は正直、万全ではない状態ですね。

――12.6薩摩川内大会で、ザック・セイバーJr.選手との前哨戦がありました。その時にザック選手からは「ノー・エクスキューズ」、つまり「言い訳するな」と言われて、海野選手も「オフコース」と返答しました。

海野 足首の負傷に関しては、東京ドームに向けて休んで万全の状態にすることが、多分最善だったかもしれない。でも、試合をしながらでも、足首を回復させられるというイメージもあったんですよね。夏に腰の負傷をした時にも、『G1』に出て同じ経験をしていますから。

――あの時も万全の状態ではない中の出場でしたよね。

海野 それに東京ドームまで1カ月を切っている状況で試合を休んで、ぶっつけ本番でタイトルマッチをするのは、試合勘がなくなりますし、逆にそれが不安要素になってしまうんですよね。だったら、ファンに元気な姿を見せながら回復させようと思って、欠場を避けたんです。仮に足首が痛かったとしても、薩摩川内でザックに言った通り言い訳にするつもりはないですし、100%の自分で闘うことだけをイメージして、東京ドームに向かいたいと思います。

――周囲からは欠場を勧める言葉もあったと思いますが、仮に休んだ場合、自分のコンディションや心境はどうなっていたと思いますか?

海野 やっぱり不安になるんじゃないですか? 夏の腰の怪我で、いかに動けない時期が、メンタルだったり肉体にとって不安を及ぼすかっていうのはわかっていますから。休むことによって不安要素を抱えてタイトルマッチを迎えるぐらいだったら、痛みながらもしっかりと動いた状態で臨んだ方が不安はなくなりますし、動いていく中でこの動きは痛い、この動きは大丈夫っていうのがわかれば、本番でも自分の体を上手くコントロールできると思うんですよね。そこはしっかり考えてやっています。

■ザックは打撃、投げ、関節技、次の動きを読む能力と、全能力でズバ抜けて素晴らしい選手。その選手に対して、勝利への執念というか気持ちの部分だけは負けるつもりはない

【新日本プロレスリング株式会社】

――そして、今回の対戦相手のIWGP世界ヘビー級王者であるザック選手なんですが、海野選手は今年に入ってから、『G1 CLIMAX』の公式戦、9月の登別ランボー、『WORLD TAG LEAGUE』でも直接フォール勝ちをしています。“ザックキラー”と言ってもいいほどの戦績だと思いますが、相性の良さを感じる部分はありますか?

海野 ザックに苦手意識を持っている選手が多い中で、自分は今年だけでしっかりと3回も勝っている。最初は『G1』で、2回目はランボーなのでオーバー・ザ・トップロープでの勝利かもしれないですけど、タッグリーグではしっかりと最後に1vs1の状況で勝ち切れましたからね。そこは自信を持ってもいいのかなと思います。昨年の『NEW JAPAN CUP』でも勝っていますし、その後の両国も含めて何回も試合をしていますから、勝ち方のイメージはできていますし、問題なくザック戦に挑めそうですね。

――そのザック選手に対して、海野選手が「ここは勝っている」という部分を教えてください。

海野 ザックはカッとなってしまう部分が多いように感じるので、冷静さですかね。ただ、やっぱり何よりも諦めない気持ちじゃないですか? ザックに勝っている部分と言われても、一つ一つ言い出したらきりがないと思いますし、ザックは打撃、投げ、関節技、次の動きを読む能力と、全能力でズバ抜けて素晴らしい選手だと思うんですよ。その選手に対して、勝利への執念というか気持ちの部分だけは負けるつもりはないので、そこは強みなのかなと思いますね。

――いま「諦めない気持ち」とおっしゃいましたが、海野選手はよくバックステージでも「諦めてたまるか」という言葉を吐きます。何に対しての「諦めてたまるか」なんですか?

海野 自分の現段階で置かれている立場や、周りから言われることに対してですよね。「勝てるはずがない」とか、「ドームのメインにふさわしくない」という言葉、あるいは試合そのものに対する気持ちや、ケガだったりとか、目標であったりとか、すべてに対しての「諦めてたまるか」ですね。「こんなところで負けてちゃダメだよ」って、自分を鼓舞するためにも常に言い聞かせている言葉です。

――その目標とはなんですか?

海野 IWGP世界ヘビー級王者になって、東京ドームを超満員にすることですね。

――海野選手は凱旋してからIWGP USヘビーのベルトをはじめ、いろんなベルトに挑戦されていますけど、IWGP世界ヘビーは他のベルトと比べてどう違いますか?

海野 一番重みがあって、団体の顔としてふさわしい人が巻くベルトだと思っています。IWGP世界ヘビー級チャンピオン=新日本プロレスだと思っているので、やっぱり他のベルトとは違いますね。

■会社の今後の未来を左右する大事な舞台ですし、1年に2人しか立てないメインイベントに立つということをしっかり自覚して、入場したいなと思います

【新日本プロレスリング株式会社】

――ここでファンの反応についても伺っていきたいのですが、10.14両国大会、11.4大阪大会で場内から大ブーイングがありました。大ブーイングを受けた当初に比べて、現在は心境の変化はありますか?

海野 特に心境の変化はないです。ブーイングされるっていうのもわかりきっていましたし、ブーイングされたからって潰されるわけでもないですからね。しっかりと自分を貫くと決めてあの舞台に立っているので、その信念が変わることはないです。

――11月にある撮影の時に、「どういう気持ちでドームの花道を歩くと思いますか?」と伺ったら、「心の中で、ブーイングしているファンに中指立てながら入場します」って言っていたんですよ。

海野 そんな尖ったことを言っていたんですか(笑)。

――今、花道を歩いているのを想像して、どんな気持ちですかね?

【新日本プロレスリング株式会社】

海野 そう言われると、その時と比べて心境の変化はあったかもしれないですね。ただ、それは半分冗談というか、一部の人に対して心の片隅で思っていることですからね。やっぱり東京ドーム大会は新日本プロレスの年間最大のイベントですし、そのメインイベントを託されたということはめちゃくちゃ責任のあることなので、その責任を背負って歩きたいなと思います。

――外野の声というのは意識してないと。

海野 ここまで来ると、試合がどうとか、ケガがどうとか、あるいはブーイングがどうとか、一切思わないかもしれない。全力で勝ちにこだわって、勝つことだけをイメージして花道を歩く。会社の今後の未来を左右する大事な舞台ですし、1年に2人しか立てないメインイベントに立つということをしっかり自覚して、入場したいなと思います。そして、その景色が当たり前になるように、その1試合を全力で闘います。

――海野選手は過去2回、2023年、2024年と東京ドームの舞台に立っていますが、緊張しましたか?

海野 初めから緊張しなかったんです。

――そこにはどういう感情があるんでしょう。ワクワクするものなのか、あるいは後楽園ホールなどの会場と変わらないものですか?

海野 変わらないですね。会場の規模とかに左右されるのはあんまり好きじゃないし、とにかく自分の試合を全力で闘うこと。会場の大きさは意識したことがないです。まずは自分のやるべきことを全力でやるだけなんで、そこに緊張はないです。まぁ多少は緊張感もあると思いますけど、悪い意味での緊張というかナーバスにならないようにしています。そうすると自分のパフォーマンスが低下しちゃうので、基本的には緊張はない状態で挑んでいます。

■“あの時”の内藤さんが、今の自分の置かれている立場と共通しているとは言わないですけど、僕も周りから言われている中でメインイベントに試合が組まれた以上は、しっかりとしたものを見せないといけない

【新日本プロレスリング株式会社】

――「新世代」というワードを出されて、自分たちの時代を作るとおっしゃっていましたけど、その新世代の選手の中で東京ドームのメインイベントに一番乗りしたということについては、どう思われていますか?

海野 そこは素直に自信を持ちたいですね。『NEW JAPAN CUP』も『G1』も優勝していないし、他のタイトルを獲ったわけでもない。それなのにメインイベントに立つことに対して、中にはおもしろく思わない人も多いと思いますけど、そこに立つ資格があるということはザックも認めているわけだし、会社も認めているわけなので、自信を持って新世代代表としてしっかり立ちたいと思います。

――今回の東京ドーム大会では、海野選手の他にも、新世代の選手たちがタイトルマッチに多く名を連ねています。こうなると、新世代の中で誰の試合が一番良かったかという見方も出てくると思いますが。

海野 もちろん、メインイベントに立つ以上は、一番インパクトを残して、一番いい試合をするというのは義務付けられていることだと思うので、やるしかないですね。

――ちなみに東京ドーム大会はファンとしてご覧になったことはありますか?

海野 もちろん。毎年見ていました。

――その中で印象に残っているメインイベントは?

海野 ファン投票をした時にIWGPヘビー級のタイトルマッチとインターコンチネンタルのタイトルマッチの順番が逆になったことがあって、あれは正直めちゃくちゃ悔しかったですね。

――2014年の1.4東京ドーム大会ですね。オカダ・カズチカvs内藤哲也のIWGPヘビー級王座戦と、中邑真輔vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル王座戦が、ファン投票の結果、インターコンチのタイトルマッチがメインになったという。

海野 当時の内藤さんは、ブーイングされたりとか、周りから評価されていない、ファンの支持がないって言われていたかもしれないですけど、僕はあの試合が忘れられないです。ただのファン目線ですけど、僕はセミの方がおもしろかったと思っています。なんであの試合がメインじゃないんだって思いましたからね。

――レスラー・海野翔太として観た時はいかがですか?

海野 あの時の内藤さんが、今の自分の置かれている立場と共通しているとは言わないですけど、僕も周りから言われている中でメインイベントに試合が組まれた以上は、しっかりとしたものを見せないといけないと思いますし、あの悔しさを忘れずに闘いたいなと思います。

■自分で行動して、貫いて、それがメインイベントに結びついたわけですから、そこは自信を持ってやりたいですし、自分がやってきたことは間違いないと思っています

【新日本プロレスリング株式会社】

――あらためて東京ドームのメインが決まった時の率直な心境は?

海野 僕自身、思う部分はありますけど、いろんな意見が飛び交っている中で、その意見に対しても「一理あるな」とは思います。でも、ガムシャラにやってきて、この東京ドームで他に挑戦者がいない中で、ザックからも承諾されて、自分が選ばれた以上はやってやろうとしか思わないですね。

――メインに立てるという部分に関しては?

海野 もちろん東京ドームで初めてのメインイベントに立てることにはうれしいという気持ちもありますけど、うれしいと思える余裕がそれほどないんですよ。「やってやる!」っていう気持ちが強すぎて、あまり他の感情が湧かないんですよね。もちろん悔しい気持ちもありますし、いろんな気持ちが正直詰まってはいるんですけど、これは言葉にはできない部分があります。

――いろんな感情が交わっているというか?

海野 自分の中でもイメージとは違う挑戦の仕方ですし、実績と結果を残せてないっていうのも一つかもしれないです。例年だったら、『G1』優勝者が挑戦するという流れが出来上がっちゃっていた部分がありますからね。その中でザックに勝って、SANADAさん、鷹木(信悟)さん、辻(陽太)にも勝って、他に挑戦者が出てきていないから、自分が、というのもあるかもしれないし、そこに悔しさはありますよ。

――なるほど。

【新日本プロレスリング株式会社】

海野 でも、自分で行動して、貫いて、それがメインイベントに結びついたわけですから、そこは自信を持ってやりたいですし、そういう悔しさだったり、いろんな感情をザックにぶつけたいですね。いろんな感情の詰まったメインイベントになるかもしれないです。単純に嬉しいとかではなくて複雑な感情はありますけど、自分がやってきたことは間違いないと思っています。

――理想を言えば、もっと圧倒的に強い状態というか、実績を残した状態でドームのメインに立ちたかったということですか?

海野 説得力だけで言えば、そっちの方がありますよ。でも、新世代だ、新時代だって言っていて、本隊は聖域だって言っている中で棚橋(弘至)さんも引退することになった。自分の理想ばっかり言ってはいられないじゃないですか。実績や結果が残るまで何年も待てるわけでもないし、ガムシャラにやった結果なので、こういうやり方も一つなのかなと思います。

――それこそ、これが海野選手がずっとおっしゃっている、「クリエイト・ア・パラダイムシフト」なのかなという気もしますが。

海野 例年だったら『G1』覇者が挑戦者として上がっていた舞台に、新しい挑戦者が入る。それもパラダイムシフトだと思いますし、これで僕がザックに勝ってベルトを獲るようなことがあれば、それもパラダイムシフトだと思います。パラダイムシフトを起こすには、いろんないい材料が揃っているんじゃないかと思うので、絶対に負けたくないですね。

■ベルトを一生懸命作ってくれて、その想いの詰まったベルトをプレゼントしてくれるお子さんたちに夢を見せて、チャンピオンになる姿を見せたいというのも、僕にとっては大切な一つの目標です

【新日本プロレスリング株式会社】

――棚橋選手の引退発表を受けて、新日本のトップやエースを目指す気持ちが、より大きくなったところはありますか?

海野 もちろんあります。棚橋さんの口から、「翔ちゃん任せたよ。あとは託したよ」って言っていただいたんですよ。それを聞いて、実績だとか結果だとか積み上げてきたものは関係なく、この瞬間に行動しないと一生後悔するなと思ったんですよね。本隊にとっては大き過ぎる穴が空いてしまうわけで、そこを埋めて、なおかつそれ以上のものを作らないといけない。それは本隊に在籍している以上、責任だと思います。

――でも、ここでベルトを獲って、みんなを認めさせたいという気持ちはありますか?

海野 それを自分から主張することはないのかなと思います。たしかに現状を打破できる一番の手段だと思いますし、一番わかりやすいシンプルなやり方だと思いますけど、別にベルトを獲って終わりじゃないですからね。ベルトを獲ったら初めてスタートだと思っているし、チャンピオンの姿で日本全国を回って、プロレスを愛してくれる人が増えればいいなと思っているんですよ。ベルトを獲ったからって、ブーイングしている人たちに、「俺は最強だぞ」って主張することは一切ないと思います。

――今、ベルトを持って日本全国を回りたいっておっしゃいましたけど、10.6東金大会では小さなお子さんが手作りのベルトを海野選手に渡すという光景もありました。実際にIWGP世界ヘビーのベルトを獲ったら、その子たちにも見せに行くことができますよね。

【新日本プロレスリング株式会社】

海野 見せに行きたいですし、是非とも腰に巻いてほしいですね。

――そういう小さい子たちは、海野選手にとってどういう存在ですか?

海野 本当にエナジーですね。そういうお子さんやファンがいるからこそ頑張ることができる。小さいかもしれないですけど、それも一つの目標じゃないですか。ベルトを一生懸命作ってくれて、その想いの詰まったベルトをプレゼントしてくれるお子さんたちに夢を見せて、チャンピオンになる姿を見せたいというのも、僕にとっては大切な一つの目標です。

――海野選手にとってかけがえのない大きな存在ですね。

海野 小さくても、そういう目標がたくさん出てくれば出てくるほど、モチベーションも上がりますし、自分が頑張れる原動力にもなりますし、また強く大きくなるんじゃないかなと思うので、本当にありがたいですよね。

■自分が夢を持って、その夢を追いかけて、応援してくれるお客様、プロレスを大好きでいてくださるお客様に対して夢と希望を見せていく。それを見せ続けることがプロレスラー・海野翔太にとっての凄く大きな財産になる

【新日本プロレスリング株式会社】

――先ほどの話の中に海野選手が考えるプロレスラー像っていうものが出ているのかなって思いますが、どんなプロレスラーを理想像として持っていますか?

海野 自分が夢を持って、その夢を追いかけて、応援してくれるお客様、プロレスを大好きでいてくださるお客様に対して夢と希望を見せていく。そして、明日からの活力を与えて、「プロレスっていいな」って見せ続けていくことが、自分のプロレスラーとしての価値だと思いますし、仮に引退した後でも、それを見せ続けることがプロレスラー・海野翔太にとっての凄く大きな財産になると思っています。

――夢を見せる存在でありたいわけですね。

海野 明日が見えなかったり、毎日が暗闇でつらいっていう人ってたくさんいると思うんですけど、そういう人たちに周りから何を言われてもくじけない強さや諦めない気持ちだったりを見せていきたいですね。僕も現状で言ったら、つらいことはたくさんありますよ。考えたくもないし、見たくもないし、納得のいかないことも多いですけど、世の中にはそういう経験をしている人はたくさんいると思います。

――そういう方も支えていきたいと。

海野 そこから這い上がる強さを、先頭に立って見せていきたいし、悩んでいる方たちに接していきたいですね。だからさっき言った「諦めてたまるか」は、いろんな思いが詰まった「諦めてたまるか」ですね。

――ちなみに海野選手がIWGP世界ヘビーのベルトを獲ったら、誰に一番最初に見せたいですか?

海野 一番は小林邦昭さんに報告したいですね。天国にいる小林さんに「獲りました」って伝えたいです。

――海野選手にとって、小林さんはどういう存在なんですか?

海野 練習生の頃からプロレスのこととか日常生活で大切なこととか、いろんなことを教えてくれたお父さんみたいな存在でしたね。時に厳しく、優しい表情で接してくれて、本当に大切な存在でした。

■クラウディオを倒さない限りはモクスリーの元にはたどり着けない。この試合はその第一歩だと思うんですよ。ただ正直言ってしまえば、今のクラウディオに対してあれこれ考えている余裕は僕にはないんで、目の前のザック戦が一番です

【新日本プロレスリング株式会社】

――そして1月4日(土)東京ドームでザック選手に勝ってベルトを獲ったら、翌日のクラウディオ・カスタニョーリ選手との試合がタイトルマッチになるということが発表されました。どんな気持ちで闘うことになりそうですか?

海野 クラウディオはいまデスライダーズですけど、もともと自分がヤングライオンだった頃に導いてくれたのはジョン・モクスリーであったり、彼なんですよ。アメリカに行った時もお世話になりましたし、新日本に来た時も食事に行ったりとか、重要な会話もしました。ただ、正直、今の彼らのやり方やスタイルは気に食わないし、不信感もあります。それがモクスリーに対する発言になったわけですけど、かといってモクスリーは出てこないし、その使者としてクラウディオを送り込んできたわけですよね。

――そうですね。

海野 クラウディオを倒さない限りはモクスリーの元にはたどり着けない。だったら、必ずたどり着いてやるっていう気持ちですよね。クラウディオを倒したら、その後はPACなのか、ウィーラー・ユウタが出てくるのかわからないけど、出てくるんだったら彼らも倒して、お前と1vs1で闘いたい。この試合はその第一歩だと思うんですよ。

――ここを勝たないと先はないですからね。

【新日本プロレスリング株式会社】

海野 だから、クラウディオに対しては、そのモクスリーへの怒りだったり気持ちを全部ぶつけてやりたいなって思っています。そして、試合をする以上は、自分がみんなから教えてもらってきたことをぶつけたいし、勝つことが恩返しだという気持ちもあります。ただ正直言ってしまえば、今のクラウディオに対してあれこれ考えている余裕は僕にはないんで、目の前のザック戦が一番です。

――ちなみに選手としてはどんな印象をお持ちですか?

海野 去年の大阪城ホールでも組んで試合をやっていますけど、パワーだったり体力だったり、身体能力だったり、すべてがズバ抜けていますよね。AEWの大会で1回試合もしているんですけど、アッパーカットが強烈だったんですよ。やっぱり組んでいてわかりますけど、脅威なのはめちゃくちゃ脅威です。

――ここでクラウディオ選手にも勝てば、2日連続で東京ドームのメインを締める可能性もありますが、そういった意識などは?

海野 もちろん意識はしています。ただ、今はクラウディオのことまでは頭が回っていないです。

■初の東京ドームのメインイベントということでいろんな感情が自分の中にありますけども、新日本プロレスを世界に轟かせる第一歩だと思っていますし、ここでコケるわけにはいかない

【新日本プロレスリング株式会社】

――わかりました。それと12.6薩摩川内大会のバックステージで、「俺たちの世代でもう一度大爆発させよう。ベテランも必要だし、ヤングライオンの力も必要だ。みんなの力でAEW、WWEも足元にも及ばないぐらい新日本プロレスをテッペンに導こう」と、主に新世代の選手たちに向けてコメントされていましたが、改めてそこへの思いはどうですか?

海野 僕は新日本プロレスが世界一の団体だと思っていますし、おそらくゲイブ・キッドも世界一だと信じて疑っていないですし、辻も新日本プロレスを世界一にしたいと公言してきているんで、その3人の意思だったり気持ちが合致している部分はあります。彼らとはイギリスでの修行時代におたがいにいろいろ話したことがありますし、過ごしてきた日々もありますからね。

――そんな熱い想いを語り合った人間が今回のドームに参戦しますが。

海野 東京ドームのカード編成が一気に若い選手中心になって、新世代、新時代というワードが使われる大会になりましたけど、だからこそ俺らでもっともっと盛り上げていこうと。今の状態じゃダメだし、もっともっと大きくライオンマークを世界に届けようと、そういう気持ちですね。

――いま名前の上がった2人、ゲイブ選手からは「東京ドームでベストを尽くせ。奇跡が起きたら、最初の挑戦者は俺だ」という発言があり、辻選手からも「ブレるなよ」という叱咤激励がありました。その2人からの言葉はどのように受け止めますか?

海野 その2人の思いもしっかり背負ってメインイベントに立ち、ベルトを獲りたいと思います。新世代同士でバチバチ闘うことは少ないですけど、僕が獲ったらおそらく2人とも黙っているわけもないと思いますし、俺らで試合をして、俺らで盛り上げていこうって気持ちは強いですね。

――わかりました。東京ドーム2連戦は新日本プロレスを世界に届けるビッグチャンスだと思います。最後に改めて意気込みをお願いできますか?

海野 初の東京ドームのメインイベントということでいろんな感情が自分の中にありますけども、新日本プロレスを世界に轟かせる第一歩だと思っていますし、ここでコケるわけにはいかないと思っています。今回の東京ドームが大成功することによって、5年後、10年後の新日本プロレスのあり方も変わってくると思うんですよ。せっかく与えられたこの舞台を活かすも殺すも自分次第だと思うんで、この2連戦はやり切るだけですね。

――海野選手の活躍を楽しみにしてます!

海野 そして終わった後には、しっかりIWGPのベルトを腰に巻いて日本全国を回り、「2025年は海野翔太の年だ」と、「世界中に新日本プロレスよ、届け」とアピールしたいです。新日本プロレスが飛躍できるような年にするためにも、東京ドーム2連戦を闘い抜きます。
(了)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント