東洋大学がインカレ初制覇! 新潟医療福祉大学は全国大会3度目の決勝進出も"3度目の正直"ならず

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東洋大学が前半に挙げたペナルティーキックによる1点を守りきって初優勝!

インカレ初制覇、初の全国大会優勝を果たした東洋大学 【©JUFA】


 『MCCスポーツpresents 2024年度 第73回 全日本大学サッカー選手権大会』(通称:インカレ)もついにラストマッチ。12月28日(土)、決勝ラウンドノックアウトステージの決勝を迎えた。この試合で大学サッカーの真の大学年間王者が決まる。

 ファイナリストは一昨年のインカレ、今夏の総理大臣杯、そしてこの試合が3度目の全国大会決勝となる新潟医療福祉大学(北信越地区第1代表)と、これがインカレ初の決勝進出となる東洋大学(関東地区第3代表)。どちらが勝っても初優勝となるこの試合、立ち上がりから主導権を握ったのは東洋大だったが、新医大も主将の秋元琉星、GK桃井玲らを中心とした堅固な守りで東洋大の攻撃を跳ね返す。「(新医大は)自分たちの嫌なプレーを徹底してやってきたし、自分たちもなかなかバイタルのところでボールを持てないというところがあった」(東洋大・新井悠太)。だが東洋大は36分、DF稲村隼翔のロングパスに村上力己が抜け出してペナルティーエリア内に侵入。これを止めようとした新医大GK・桃井のプレーがファウルと判断され東洋大がペナルティーキックを獲得する。キッカーは新井。準決勝のPK戦を見て桃井の特徴を掴んでいたという新井は「自分は(交代していて)PKを蹴っていなかったし、それをうまく利用して真ん中に蹴り込みました」。39分、東洋大が待望のゴールを挙げて先制する。

 後半は1点を追う新医大が早めの選手交代で試合の流れを変えようとするが、東洋大も今大会、大事な場面で点を獲り続けてきた増田鈴太郎を投入して追加点を狙う。「フィジカル的にも強いし、何より勝ちたいという気持ちがとても強いチーム」(東洋大主将・中山昂大)という新医大相手に最後まで苦戦を強いられた東洋大だったが、新医大にも決定的なシーンを作らせないまま先制点を守りきってタイムアップ。0-1で新医大を下し、初のインカレ優勝、大学サッカー年間王者の座を手にした。



※本文中のスコアは対戦カードの表記に準拠

(文・飯嶋玲子)

【©JUFA】

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選手コメント

東洋大学・中山昂大(4年・主将)

 今年から大会形式が変わり、中1日での試合など正直しんどい部分はありました。それでも今年のチームは、今日出ている選手だけではない、途中出場の選手も含め本当に層が厚かった。誰が出てもやれるという部分はあって、それはこのレギュレーションでよかったという部分もあります。

 今日の試合は、自分たちがボールを動かしているときに相手がどこかで引っ掛けてカウンターというのを狙っていることはわかっていたので。そうなるのは絶対に避けたいし、もう1発勝負なので安パイというか、少し堅い入り方になっていたと思います。ただ、自分たちが押し込んでいるときは、自分が積極的にボールを取りに行くということを意識していたし、今日も相手のゴール前ではいろいろなところに顔を出せたし、キーになるパスも出せた。それはこの大会を通してやれたことかな、と思います。

東洋大学・新井悠太(4年・MVP)

 今日の試合では自分が流動的に動くことでフリーになって、そこから仕掛けようと考えていました。相手は外側にかける人数も多かったのですが、深くまで潜った時に、マイナスのクロスがよく開くというのは分析でわかっていたので、そこから自分がフィニッシャーになろうかなと思っていて。実際にペナルティーキックの前にも一度決定機があったのですが、力が入って外してしまいました。でもあのコースならいけるという自信がついて、その後はチャンスを作れるようになりました。
 MVP受賞は本当にうれしいですし、自分自身、この大会で大きく成長できたと思います。ただ、自分的には増田鈴太郎に救われた部分があって、増田の活躍がなければここまで来られていない。だから自分の中でのMVPは彼かな、と思っています。

来季のJクラブ入りが決まっている東洋大学の3選手。左から新井悠太(東京V)、中山昂大(大宮)、稲村隼翔(新潟) 【©JUFA】


新潟医療福祉大学・秋元琉星(4年・主将)

 正直、入学前は全国大会の決勝に行けるとは思っていませんでした。一昨年、初めてインカレで決勝に行けたときは、決勝に行けたことがうれしかったけれど、負けたことで日本一への思いが強くなりました。今年の夏もまた準優勝で終わってしまいましたが、絶対に自分の力だけではこの決勝にくることはできなかった。チームメイトには感謝しかありません。この悔しい思いをもって自分はプロ(ザスパ群馬)に進む。まだサッカーを続けられるので、プロでは後輩にいい刺激になるような活躍をしていけたらなと思います。

準優勝の新潟医療福祉大学 【©JUFA】

試合結果と得点者


東洋大学 1(1-0)0 新潟医療福祉大学
得点者)【東洋大】新井悠太(PK)

表彰一覧


■優勝  東洋大学(初優勝)
■準優勝 新潟医療福祉大学
■第3位 桐蔭横浜大学、明治大学

■MVP  新井 悠太 (東洋大学・4年)
■MIP   松本 天夢 (新潟医療福祉大学・4年)
■得点王 笠井 佳祐 (桐蔭横浜大学・4年) ※5得点(対象得点は決勝ラウンドのみ)
■フェアプレー賞  東洋大学

個人賞受賞の3選手。左から得点王・笠井佳祐(桐蔭横浜大学)、MVP・新井悠太(東洋大学)、MIP・松本天夢(新潟医療福祉大学) 【©JUFA】

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著者プロフィール

一般財団法人全日本大学サッカー連盟は、大学サッカー界全体の競技力向上を目指すとともに、フェアプレーの実践やスポーツ文化の振興などを目的として活動しています。全日本大学選抜の活動をはじめ、全国9地域の大学代表が競う『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)、『総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』といった全国大会、選抜チーム地域対抗戦『デンソーカップチャレンジサッカー』、日韓両国の大学選抜が対戦する『DENSO CUPSOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』などを実施しています。

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