2024年の終わりに新たな試み!? ホームランハイタッチの長さTOP5
万波中正選手と喜びを分かち合うレイエス選手 【ⓒパーソル パ・リーグTV】
ベンチ前で打者を迎えるハイタッチのタイムって何秒なの?
"パテレ"ことパーソル パ・リーグTVが、2024年も終わろうとしている年の瀬に新たな試みを行った。
今回の企画は、打者がホームランを放った後、ベースを一周してからベンチ前で並ぶチームメイトたちとハイタッチを交わすのに要した時間を計測し、そのTOP5を発表するというもの。
「炎のストップ・ウオッチャー」と自称するようになって20年以上となる筆者も、こんなタイムは計測したことがない。ゆえに、早くランキングの結果を知りたい。早速、TOP5をチェックしていこう。
今回の企画は、打者がホームランを放った後、ベースを一周してからベンチ前で並ぶチームメイトたちとハイタッチを交わすのに要した時間を計測し、そのTOP5を発表するというもの。
「炎のストップ・ウオッチャー」と自称するようになって20年以上となる筆者も、こんなタイムは計測したことがない。ゆえに、早くランキングの結果を知りたい。早速、TOP5をチェックしていこう。
ライトラッキーゾーンへ運んだマルティネスの帰還時が5位に
まず、5位に入ってきたのは、北海道日本ハムのマルティネス選手だ。
190cm、95kgの体格からパワータイプに見られがちだが、実際にはセンターから右方向への本塁打も多く、このときもアウトコースのストレートに応じて逆方向に高く打ち上げ、エスコンフィールドHOKKAIDOのライトラッキーゾーンへ放り込んだ。
ストップ・ウオッチャーとしてはその滞空時間が気になったが、おっと、今回は違った! 一塁側ベンチ前の本塁寄りで、マルティネス選手を迎えた八木裕コーチとのタッチが計測スタートの合図である。ここから最後のタッチを終えた時点までのタイムを見ていこう。
ホームランのハイタッチは、ゆっくりと歩きながら一人ひとりタッチしていくのが定番だ。そのうえ、このときは、途中から両手の先を頭頂に刺すようにしてつくるマルティネス選手おなじみの「ハートポーズ」をして列を待つ選手も現れ、マルティネス選手も同じポーズで応えていく。そのため、歩みの速度は列の後半に進むにつれて一層緩んでいき、祝福ムードの時間は15秒89におよんだ。
190cm、95kgの体格からパワータイプに見られがちだが、実際にはセンターから右方向への本塁打も多く、このときもアウトコースのストレートに応じて逆方向に高く打ち上げ、エスコンフィールドHOKKAIDOのライトラッキーゾーンへ放り込んだ。
ストップ・ウオッチャーとしてはその滞空時間が気になったが、おっと、今回は違った! 一塁側ベンチ前の本塁寄りで、マルティネス選手を迎えた八木裕コーチとのタッチが計測スタートの合図である。ここから最後のタッチを終えた時点までのタイムを見ていこう。
ホームランのハイタッチは、ゆっくりと歩きながら一人ひとりタッチしていくのが定番だ。そのうえ、このときは、途中から両手の先を頭頂に刺すようにしてつくるマルティネス選手おなじみの「ハートポーズ」をして列を待つ選手も現れ、マルティネス選手も同じポーズで応えていく。そのため、歩みの速度は列の後半に進むにつれて一層緩んでいき、祝福ムードの時間は15秒89におよんだ。
4位にも北海道日本ハムのレイエスが入賞
続く4位は、同じく北海道日本ハムのレイエス選手。埼玉西武・武内夏暉投手の高めの投球をセンターやや右に豪快に弾き返した一発に、チームもスタンドのファンも沸いた。
一人ひとり丁寧にハイタッチかハグをしていきながら、ゆっくり流れた時間は16秒36。良い打撃の感触の余韻に浸りながら行われたハイタッチとなった。
一人ひとり丁寧にハイタッチかハグをしていきながら、ゆっくり流れた時間は16秒36。良い打撃の感触の余韻に浸りながら行われたハイタッチとなった。
3位もレイエスが!? 劇的な一発に球場が沸いた
そして、なんと! 3位も連続してレイエス選手がランクインしてきた。そのタイムは18秒38である。
ここで、レイエス選手が連続でランクインしてくる、その理由を考えてみた。5位のマルティネス選手をも上回る196cm、120kgの巨漢で、ゆっくりと歩くからか? という仮説も浮かんだが、このときの試合の状況を整理すると、喜びの時間が長くなるのも無理はないと感じた。
レイエス選手は、2024シーズン開幕戦こそ幸先よく来日初アーチを放ったものの、その後、不調で5月半ばに一軍登録を抹消された。しかし、6月15日に一軍再昇格してから、そのバットで幾度となくミラクルを起こしていくことになる。
この本塁打を打ったのは8月11日。同2日から9月4日まで球団記録を更新する25試合連続安打を放つなど、8月は月間打率.403、8本塁打、23打点の大暴れを見せた。打った本人はもちろんのこと、新庄剛志監督をはじめとするチーム全体が、目覚めた大砲に明日への希望を重ね、喜びを爆発させたハイタッチになったのだろう。
ここで、レイエス選手が連続でランクインしてくる、その理由を考えてみた。5位のマルティネス選手をも上回る196cm、120kgの巨漢で、ゆっくりと歩くからか? という仮説も浮かんだが、このときの試合の状況を整理すると、喜びの時間が長くなるのも無理はないと感じた。
レイエス選手は、2024シーズン開幕戦こそ幸先よく来日初アーチを放ったものの、その後、不調で5月半ばに一軍登録を抹消された。しかし、6月15日に一軍再昇格してから、そのバットで幾度となくミラクルを起こしていくことになる。
この本塁打を打ったのは8月11日。同2日から9月4日まで球団記録を更新する25試合連続安打を放つなど、8月は月間打率.403、8本塁打、23打点の大暴れを見せた。打った本人はもちろんのこと、新庄剛志監督をはじめとするチーム全体が、目覚めた大砲に明日への希望を重ね、喜びを爆発させたハイタッチになったのだろう。
パーソル CS パ早期敗退から救った万波中正の一撃が2位に
2位には北海道日本ハム・万波中正選手による19秒69というタイムが入ってきた。また、エスコンフィールドか! と、筆者も思ったし、おそらくこの文章を読んでいる多くのファンも感じたことだろう。だが、この試合は特別だ。
パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストステージ第2戦。この試合を落としたら、北海道日本ハムはシーズンのすべてが終わってしまうという土壇場で、万波選手は千葉ロッテの守護神・益田直也投手から9回裏に同点ソロ本塁打を放ったのだ。
選手関係者はもちろんのこと、その場にいた観客のほとんどが「こんな試合、いままで観たことない!」と大興奮だったはず。スタジアムをクールダウンさせるためにも、必要な時間だったのではないだろうか。
ちなみに、この後延長10回裏にサヨナラ勝ちを収めて首の皮一枚つながった北海道日本ハムは、翌日の第3戦も連勝。リーグ王者・福岡ソフトバンクとのファイナルステージの出場権を奪取した。
パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストステージ第2戦。この試合を落としたら、北海道日本ハムはシーズンのすべてが終わってしまうという土壇場で、万波選手は千葉ロッテの守護神・益田直也投手から9回裏に同点ソロ本塁打を放ったのだ。
選手関係者はもちろんのこと、その場にいた観客のほとんどが「こんな試合、いままで観たことない!」と大興奮だったはず。スタジアムをクールダウンさせるためにも、必要な時間だったのではないだろうか。
ちなみに、この後延長10回裏にサヨナラ勝ちを収めて首の皮一枚つながった北海道日本ハムは、翌日の第3戦も連勝。リーグ王者・福岡ソフトバンクとのファイナルステージの出場権を奪取した。
番外編は、定番が増えてきた「ホームランパフォーマンス」集
ここまでの5位から2位まですべてが北海道日本ハムの選手による、しかも、エスコンフィールドでのハイタッチシーンという驚きの展開になっている。そこで、1位を発表する前に、番外編として2024年のホームランパフォーマンス集を振り返ろうと思う。
最初は、福岡ソフトバンクに移籍し、心機一転した山川穂高選手の「どすこい」ポーズだ。移籍1年目から成績を残すことでチームに馴染んでいき、映像にもあった通り、ベンチ全員で一斉にこのポーズをとるまでになっていった。
ほかにも、オリックス・紅林弘太郎選手の一礼に、千葉ロッテ・ソト選手の「ゲッツ」、ポランコ選手の「パワー!」と続いていく。
東北楽天の選手がホームランを打った後、武藤敦貴選手ら若手選手たちが、元プロレスラー・武藤敬司さんの「LOVEポーズ」を真似て、キツネのような形をつくりカメラに向けながら奇声を上げるシーンは、現地の観客というより視聴者の笑いを誘っている。そして、“ラオウ”ことオリックス・杉本裕太郎選手が右手を天高く突き上げる「昇天ポーズ」は、いまやすっかりおなじみとなった。
こうしたホームラン後のポーズやパフォーマンスは、各球団を熱心に応援するファンにとって楽しみのひとつになっていることだろう。
最初は、福岡ソフトバンクに移籍し、心機一転した山川穂高選手の「どすこい」ポーズだ。移籍1年目から成績を残すことでチームに馴染んでいき、映像にもあった通り、ベンチ全員で一斉にこのポーズをとるまでになっていった。
ほかにも、オリックス・紅林弘太郎選手の一礼に、千葉ロッテ・ソト選手の「ゲッツ」、ポランコ選手の「パワー!」と続いていく。
東北楽天の選手がホームランを打った後、武藤敦貴選手ら若手選手たちが、元プロレスラー・武藤敬司さんの「LOVEポーズ」を真似て、キツネのような形をつくりカメラに向けながら奇声を上げるシーンは、現地の観客というより視聴者の笑いを誘っている。そして、“ラオウ”ことオリックス・杉本裕太郎選手が右手を天高く突き上げる「昇天ポーズ」は、いまやすっかりおなじみとなった。
こうしたホームラン後のポーズやパフォーマンスは、各球団を熱心に応援するファンにとって楽しみのひとつになっていることだろう。
まいった! 1位もこの巨漢選手の帰還を迎えるハイタッチのときだった
さて、いよいよ1位の発表だが、この栄誉に輝いたのは再びレイエス選手であった。そのタイムは23秒17という驚異的なもの。なんと、TOP5のうち一人の選手が1位、3位、4位を独占するという快挙を成し遂げた。
1位を記録したときの一打は、夏場の順位争いが激しい時期に2点差を一発でひっくり返す3ランホームランだった。
レフトのファウルポール直撃の劇的弾に、スタンドが沸かないはずがない。ベンチに戻ると、彼を祝うハグの連続で、列が進まない、進まない(笑)。最後に残っていた森本稀哲コーチにゆるりと近づきハグしたときには、すでに“20秒の壁”を突破して堂々1位の長さとなった。
1位を記録したときの一打は、夏場の順位争いが激しい時期に2点差を一発でひっくり返す3ランホームランだった。
レフトのファウルポール直撃の劇的弾に、スタンドが沸かないはずがない。ベンチに戻ると、彼を祝うハグの連続で、列が進まない、進まない(笑)。最後に残っていた森本稀哲コーチにゆるりと近づきハグしたときには、すでに“20秒の壁”を突破して堂々1位の長さとなった。
劇的な試合を数多く展開したチームが長くなる?
初の試みとなった「ホームランハイタッチ」のタイムTOP5。エスコンフィールドでのハイタッチシーンで占められているということから、2024年シーズンの北海道日本ハムがいかに劇的な試合展開を演じてきたかということを、しみじみと感じさせられた。あるいは、単純に北海道日本ハムというチームにやたら長い時間をかけてハイタッチをする風習があるとか?
しかし、その北海道日本ハムにして、ビジターゲームでのシーンがランキングにまったく見られないのは興味深いポイントだ。今回すべてがエスコンフィールドであったということは、この球場独特の雰囲気が長時間のハイタッチを可能にしているのかもしれない。
それら仮説が正しいかどうかは、来たる2025年のシーズンを迎えれば追々わかっていくだろう。年末は除夜の鐘を聞きながら、早くも次のシーズンに向けて思いを馳せることになりそうだ。
文・キビタキビオ
しかし、その北海道日本ハムにして、ビジターゲームでのシーンがランキングにまったく見られないのは興味深いポイントだ。今回すべてがエスコンフィールドであったということは、この球場独特の雰囲気が長時間のハイタッチを可能にしているのかもしれない。
それら仮説が正しいかどうかは、来たる2025年のシーズンを迎えれば追々わかっていくだろう。年末は除夜の鐘を聞きながら、早くも次のシーズンに向けて思いを馳せることになりそうだ。
文・キビタキビオ
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ