Nunca dejes de creer 18節 アトレティコvsバルサ(A) 2024.12.21
【Nunca dejes de creer 18節 アトレティコvsバルサ(A) 2024.12.21】
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今季のバルサは開幕から大量得点を続けて絶好調。CLでも快調に勝ち続けていたが13節でソシエダに負けるとトーンダウン。そのまま立て直しに苦労してラリーガではここ6試合1勝2分3敗。同期間に獲得した勝ち点は18位エスパニョールと同じ。ターンオーバーにも苦労し過負荷になっている選手もチラホラ。そんな中で替えの効かないラミン・ヤマルが負傷欠場となる。
アトレティコはご存知公式戦11連勝中。その間31得点7失点と絶好調である。1試合未消化の状態で首位バルサに並び、追い抜いて終わりたい年内最終戦。
アトレティコはバルサとのアウェーゲームは2006年2月6日以来勝利無し。シメオネ政権では一度も勝っていない。壁を越える姿を見に行こう。
●スタメン
ジョレンテ / ヒメネス / ラングレ / ハビ・ガラン
ジュリアーノ / デ・パウル / バリオス / ギャラガー
グリーズマン / アルバレス
予想通りのスタメン。直近2戦からの変更はリーノ→ギャラガーのみ。現行のベストメンバーで挑む。
・バルサ
イニャキ・ペーニャ
クンデ / クバルシ / イニゴ・マルティネス / バルデ
カサド / ペドリ / ガビ / フェルミン・ロペス
ハフィーニャ / レヴァンドフスキ
負傷欠場のヤマルの代わりにハフィーニャが右。左にはフェルミン・ロペスを置いた。ガビとペドリが並ぶのは感慨深い。あらためてお帰りなさい。
【がーすけ】
●前半
・抜け出せないプレス
・ペドリのタレント
お品書き
前半の内は70%はボールを持たれる事を想定していたがそのような展開に。アトレティコは4-4-2で設定した。
【がーすけ】
【がーすけ】
CHがガビとペドリを見ているため、中央のパスレーンが空いている。アトレティコは2CBの仕事をレヴァンドフスキの対応に集中させる守り方なので、ここをやられたらそれまでである。そういう守り方。ただしレヴァンドフスキのレイオフやダイレクトフリックで真ん中をこじ開けるパターンはバルサの定番なので、その警戒は必要。一方その形でボールを拾えればカウンターチャンスであり、バルサもその失い方は警戒しているはずでここは綱引きになる。本来ここのレヴァンドフスキに近づく仕事は左WGのハフィーニャがやる仕事なので、ヤマル不在の影響でアトレティコはレヴァンドフスキ周辺の警戒を弱める事ができる構造になっている。フェラン・トーレスやアンス・ファティがやるべき仕事だが、大一番に起用されないのはアトレティコの問題とする所ではない。
②ハフィーニャvsハビ・ガラン
ヤマルのいない試合で単独の打開を任されるのはハフィーニャ。彼の止め方はこの試合のポイントになるが、ハビ・ガランが担当した。結果的にかなり良くやっていた。ハフィーニャが左利きである事も踏まえて縦に誘い込む守り方をし、何故かハビ・ガランより遠くにいるはずのギャラガーのサポートが間に合うという意味のわからん対応で何度か止めていた。ラングレとハビ・ガランの仕事が違いすぎるため、この2人の距離が離れすぎているケースがあり裏抜けを使われた場面があったが、それは後ほど対応していく。
③ペドリの抑え方
厄介なのは左ハーフスペースにいるペドリで、付近で関与するのがフェルミンとバルデであれば決定機を作られる事もないかと思ったがデ・パウルの背中で簡単にボールを引き出したり、デ・パウルがサイドのサポートに視線を送った瞬間に消えてボールを受けたり無敵だった。どうやっても止められないのである程度諦めましょう。ただしデ・パウルもサイドのサポートをする意識は良いが自身のタスクがペドリのマンツーマンである事を考えたら責任放棄に見える場面はあったので、この辺は彼の性格に依る。後半にマンツーマンタスクから解放したのはシメオネの英断である。それも後ほど。
バルサのハイプレスを相手に普段通りラングレとハビ・ガランの所から離脱しようと試みたが全く進めなかったのは誤算。15分過ぎまでほぼ自陣に押し込まれた。ビルドアップができてもできなくても狙いはジュリアーノの裏のみ。
ボールを奪ってもセカンドプラスに追われプレス回避は全く上手くいかなかったが、終わってみれば前半の内はそんなに拘っていなかった。プレス回避ができなかった要因は普段通りSHが低い位置で守備をするのは良いとしてもCHコンビ(デ・パウル&バリオス)がバルサのIH(ガビ&ペドリ)に張り付いて守るためボール奪取時2人の距離が遠く、そして当然だが張り付いているという事はボールを奪った瞬間この2人はフリーではない。
【がーすけ】
15分過ぎ、アトレティコは守備配置を変える。
【がーすけ】
ちなみにバルサのこのやり方(相手のCB-SB間を分離させる)は普段通りである。ヤマルがよくやっている。クラシコのレビュー(https://note.com/galautkm/n/nd7d58f7d58a9)にも書いているので参照されたし。
しかし先制点はバルサ。30分にペドリがまたもや魔法を使う。
【がーすけ】
失点してボールが欲しくなったアトレティコだが、変化点はやや相手SBまで追いかけるようになったくらい。こういう時間帯にIH(ガビ&ペドリ)に入るボールでCHコンビがカードをもらったりすると嫌な感じだったので、アトレティコとしてもなかなか強気に前に出る選択肢は持ちにくい。43分にグリーズマンが真ん中に降りてきて得意の"グリーズマンがいればどうにかなる作戦"で中央を進んだのがこの試合初めて能動的にボールをプレーできたシーン。ロスタイムにもバリオスとグリーズマンが関わればプレスを外して前進できる予感を見せた所までで終了。
●前半終了
4-4-2を作れば危険な箇所はありながらもある程度守れるのは想定した通りで、一方のビルドアップは必要以上にバルサのプレスを怖がった。もう少し強気にやるならリスクを負う必要がありその準備をして後半に入る。それにしても最近の出来を考えればもう少しボールを持てそう、と期待してしまうものだ。調子が良くないと言ってもバルサはバルサ。なんだいあの中盤は。
バルサ側は自軍の取り組みを全面に出して敵陣でプレーした。これを90分継続できるかどうかが問われる後半に進む。
●後半
・ロドリゴ・デ・パウル
・ライン間封鎖の5バック
・「ファーサイド」
お品書き
選手交代は無し。アトレティコは中盤の並びを変更した。
デ・パウルとギャラガーの位置を変更 【がーすけ】
大きく効果を発揮したのはビルドアップ局面。デ・パウル得意の大きな移動を使い、中央からガビをサイドで連れ出した。
【がーすけ】
52分にヒメネスが連戦の疲労もありいよいよ足が限界になって交代。年末年始は護摩業をオススメします。緊急来日、待ってます。
ル・ノルマンかと思ったがここはヴィツェルだった。シメオネらしく選手を信頼した良い起用だったと思います。
そして同点ゴールは生まれる。起点はこの日もラングレ。左大外へ移動したデ・パウルとアルバレスに、アトレティコの王グリーズマンが関与した所から創出された。
【がーすけ】
アトレティコは62分にコケとモリーナを投入。交代はジュリアーノとギャラガー。2人ともよく走った。アトレティコに必要な仕事だった。バルサはダニ・オルモとフェラン・トーレスを投入。勝ち越しを狙うために、攻撃的で良い交代だった。フェラン・トーレスはモリーナよりも内側のポジションを取り始め、レヴァンドフスキと並列に立つ。
【がーすけ】
また、この頃からデ・パウルの左で使われた時の定番、ポケットカバーやらない問題が火を吹き始める。
君はどうしていつもそうなんだ 【がーすけ】
73分、最後の交代はスルロットとル・ノルマン。フェラン・トーレスに対応するためにCBを3枚にする。いつだってシメオネは冷静。そしてロングカウンターで仕留めるため、グリーズマンを下げる選択をした。
最終形 【がーすけ】
交代直後は右からバリオス/コケ/デ・パウルの並びのままプレーしていたが85分頃からデ・パウルを右に。これも、デ・パウルが中央付近の仕事をする事になるとペドリやダニ・オルモに晒される事になるので右サイドで「その辺のエリアをざっくりと守っとけ」にタスクを変えた事による。というか最初からそうしなかったのは何だったのか。逆に。
また、スルロットが一人でも簡単にロングボールを収められる上、アルバレスがこの時間でも異常に走れるので5-4-1へ変化。スルロットは前線に一人しか残っていないカウンターに慣れ過ぎている。どちらかと言うと強豪クラブ所属が長い選手の気がするが、なんだか不思議な選手である。
76分にはレヴァンドフスキのミスショットで助かったがアーリークロスで背中を簡単に取られるモリーナ特有のポジションミスを披露、直後には敵陣でカサドからボールを攫ったバリオスが蹴る前から外す予感しかしないシュートを当然のように止められる普段のアトレティコの茶目っ気を発揮する。これが普段着のサッカーなのか。一張羅を着てこい。ビッグマッチだぞ。
試合はアトレティコの5バック変化後も、ダニ・オルモの圧倒的なライン間ワークが続く。86分にはペドリの鮮やかすぎるボレースルーパスでハフィーニャが独走。右足で打たせた事によってオブラクが止めている。直後にオルモ→ペドリがこの2人にしか見えない門を開けて決定機になったが、これもオブラク。九死に一生を得た場面だが、逆にアトレティコはペドリ-オルモのラインとハフィーニャの裏抜け以外はどうにかなる実感を持ち、試合は運命のロスタイムへ突入する。
アトレティコが刺せるとしたら一発のカウンターのみ。93分にはデ・パウルのスルーパスを受けたモリーナが、クロスには至らなかったがスルロットと「ファーだぞ」というアイコンタクトを取る。ヘタフェ戦と同じ。スルロットの「おれはここにいるぞ」という圧は凄まじい。おれは「お前がクロスに合わせろよ」と思ってしまう。
運命の時は90+6分。ハフィーニャの甘くなった縦パスをラングレがカットし、アルバレスからまだ走れる男、デ・パウルへ。そのために彼を右に動かしている。呼応したのは途中出場のコケとモリーナ。パーフェクトなスルーパスをモリーナが受け取るとゴール前にはストライカーが一人。それはスルロット。当然、ファーサイド。アトレティコは勝つ。相手がバルサでも。ここがアウェーでも。アトレティコは、勝つんだ。
●試合結果
守って勝つ事は嫌いではない。それはアトレティコの原点に立ち返る事である。当然の事で、守れる事は前提条件で、でもその上にたくさんのものを積み重ねてきた11連勝が目の前で崩れ落ちる恐怖に抗うような試合だった。それがアトレティコらしさの正体だと言うならば、そうなのだろう。
この日は勝ったという事が何よりも大切な日で、それを成し遂げたアトレティコは強いチームだ。悩んでも躓いても、シメオネが導いてくれる。最後の最後その瞬間まで勝利を目指した結果、準備を重ねた必殺のカウンターが運命を引き寄せた。おれのブログはいつだって馬鹿みたいに信じている貴方の為に。勝利は我々のものだ。首位だ!
12/21
モンジュイック
バルサ 1-2 アトレティコ
得点者
【バルサ】’30 ペドリ
【アトレティコ】’60 デ・パウル ’90+6 スルロット
●ピックアップ選手
後半開始早々のフェルミン・ロペスのシュートに右足を残して試合を継続させた。ビッグセーブを2つ続けた試合終盤、"ヤン・オブラク"を見せた。
ジョレンテ
任せれば必ず守れる能力と、困ったらドリブルで突き進む気合で困難を打開しようと試みた。彼がアトレティコ・マドリー。
ヒメネス
負傷で途中交代するまでは完璧。レヴァンドフスキ相手に張り合った。エリアを維持する役割は果たし、頼れるチームメイトにバトンを渡した。
ラングレ
所属元相手に意地を見せるパフォーマンス。得意の左足はアトレティコの生命線だった。
ハビ・ガラン
"一人でハフィーニャを止めてこい"という、人生最大の仕事を完遂。何度でも言うがアトレティコには雑草が必要。最高だった。
ジュリアーノ
打開策がなかった前半にジュリアーノを的にしようとチームが動いた。誰もが君に期待している。次の階段を登ろう。
デ・パウル
アトレティコの功罪は勝利を引き寄せた。シメオネの勝ちだ。
得点シーンは圧巻の落ち着き。ワールドチャンピオン。
バリオス
中央の守備を担保しながらビルドアップの重い責任を負った。仲間が助けてくれる。お疲れ様。
ギャラガー
得意の守備対応はバルサを嫌がらせた。厭わない長距離のランニングは同点ゴールに繋がる大事な仕事。このためにアトレティコに来た。
グリーズマン
難しい試合でも普段通り。彼が生み出すプラス1でチームが動いた。いつだって必要だった。
アルバレス
彼にはずっと疑問があった。どうしてアトレティコに来たのだろう。王様になりに来たのならば、バルサ相手に「守れ。サイドを守れ」と言われたら、嫌だっただろう。でも彼は違うのだなとわかった。アトレティコで頂点を取ろうとしてるんだなと確信した。変わり者だね。おれと一緒だ。
ヴィツェル
必要とされる場面で必要とされる仕事を完遂。ヴィツェルがいて良かった。身体を張ったプレー。いつも通り。それが好きだ。
コケ
歴史はいつだってコケと共に。勝ったね。次はどこに連れてってくれる?
モリーナ
大外の完璧な守備と怪しいクロス対応と。スルロットに入れるボールは計画通り。それだけを研ぎ澄ませた。前節の緊急復帰でここに間に合った。どこまでも走ってくれ。
ル・ノルマン
3CBにするタイミングで必ず必要な選手だった。彼もまたギリギリ間に合った。アトレティコへようこそ。
スルロット
孤立こそが生きる道。カウンターの可能性を何度も見せ、最後のその瞬間まで集中していた。その一撃を磨き上げろ。
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