明治大学がPK戦を制し連覇に向けて大きな一歩! 東洋大学は初、桐蔭横浜大学は2年ぶりにベスト4進出。唯一の関東地域外・新潟医療福祉大学は夏・冬連続のベスト4!
関西勢は準々決勝で敗退。優勝候補・筑波大学も好敵手・明治大学にPK戦で敗れる
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Aグループ首位の大阪学院大学(関西地区第5代表)は、Bグループ2位の桐蔭横浜大学(関東地区第7代表)と対戦。試合は前半序盤の13分、中井小鉄がフリーキックの流れからシュートを押し込んで先制。しかし桐蔭大も25分、落合遥斗のスルーパスに抜け出した笠井佳祐が、GKとの1対1を冷静に制して同点に追いつく。笠井は39分にも遠藤貴成が右から入れたクロスを、左足のトラップからそのまま蹴り込んで追加点。桐蔭大が1-2と逆転して試合を折り返した。
後半に入ると、攻撃のギアを上げた桐蔭大のゴールドラッシュに。まずは後半早々の50分、相手GKのキックミスを渡邊啓吾が拾ってパス。これを笠井が決めて自身のハットトリックを達成。1-3とリードを広げるが桐蔭大の攻撃はまだ続き、その4分後にはコーナーキックを渡邊が頭で逸らし、最後はまたもや笠井がダイビングヘッド。桐蔭大が1-4と大院大を突き放した。桐蔭大は終了間際の89分にも、笠井に替わってピッチへと送り出された岡崎寅太郎が、出場わずか1分後にダメ押しの5点目を挙げて1-5でフィニッシュ。笠井が4ゴールと爆発した桐蔭大が、初優勝した一昨年大会以来2年ぶりとなるベスト4進出を決めた。また、桐蔭大・笠井は予選ラウンド・決勝ラウンドのゴールを含めて現在7得点と得点ランキングトップに。今年度大会から新設された"得点王"の最有力候補に名乗りを上げた。
こちらも"東西対決"となった東洋大学(関東地区第3代表)と大阪体育大学(関西地区第4代表)の試合は、両チーム強風に苦しめられながらもゴールを狙う展開となった。先手を取ったのは東洋大。前半、風上に立った東洋大は立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛けると、18分に山之内佑成が左サイドを突破。上げたクロスを湯之前匡央があわせて東洋大が先制する。東洋大は38分にも、新井悠太のスルーパスに抜け出した髙橋輝が右足シュートを突き刺して追加点。2-0とリードして試合を折り返した。
後半に入ると一転、前半は風下でシュートを1本も打てなかった大体大が一気に攻勢に出る。今度は風下に回った東洋大は攻め込まれる時間帯が増えるものの、それでも54分に一瞬の隙をついて左サイドバックの山之内がオーバーラップしてゴール前にクロスを入れると、これを荒井涼が豪快に蹴り込んで3点目。対する大体大もその2分後にロングスローからのチャンスを池戸柊宇が頭で押し込んで1点を返して1-3に。その後は大体大が攻め続ける展開となり、80分過ぎには大体大が2点目を決めたかに思われたがこれはオフサイドでノーゴールに。東洋大はその後必至の守りで大体大の攻撃で防ぎきり、3-1で試合終了。東洋大がインカレ初のベスト4進出を果たした。
関東・関西以外の地域では唯一の"生き残り"となった新潟医療福祉大学(北信越地区第1代表)は日本大学(関東地区第6代表)と対戦。試合は両チームなかなかギアを上げられず、無得点のまま終盤に突入。ようやくスコアが動いたのは76分、日大は熊倉弘達が強風を利用し、ハーフウェーライン上からの40メートル超えのロングシュートを直接決めて先制する。熊倉のスーパー弾に沸き返る日大陣営だが、新医大も粘り強くゴールを狙い84分に細かいパスワークからチャンスを作ると、交代出場の森駿人が決めて試合を振り出しに戻した。すると88分、新医大のシュートを防ごうとした日大のプレーがハンドの判定を受け、新医大がペナルティーキックを獲得。土壇場で得た逆転のチャンスに、松本天夢が冷静に左足を振り抜き追加点。新医大が2-1で逆転に成功し、そのまま試合終了。新医大が夏の総理大臣杯に続き準決勝へと駒を進めた。
"関東対決"となった明治大学(関東地区第1代表)と筑波大学(関東地区第2代表)の試合。関東1位、2位のライバルチーム対決は今季3回。リーグ戦では明大ホームがドローで、筑波大ホームの試合は明大が勝利。また天皇杯1回戦での対戦では筑波大が勝利し、これまでの戦績はともに1勝1分1敗とまるきりの五分だ。今季最後の対戦で決着をつけるべく臨んだ試合はインテンシティの高い、タイトなゲーム展開となった。だが、それだけに両チーム決定的なシーンを作れたのは数えるほど。明大は「筑波大さんのDFは大きいしなかなか裏がとれない。1枚ターゲットが必要」(明大・栗田大輔監督)と、ボランチの島野怜を変則的にFWで起用。筑波大は廣井蘭人らが積極的に攻撃を仕掛けるが、どちらも決定機を決めきれないまま90分が終了する。延長戦でもスコアは動かなかったが、終了間際の怪我のため途中出場となった筑波大・内野航太郎に決定機。だがゴール右からのシュートを明大GK・上林豪がファインセーブで弾き出し、結局0-0のまま勝負はPK戦に委ねられた。
PK戦では先攻となった筑波大ひとり目のキッカー、内野のシュートを明大GK・上林がストップ。「1本目を止めることでチームとしての流れもできるから、1本目に止めることは強いこだわりがあった」(明大・上林)。その"こだわり"どうり、グループステージ最終戦のPKストップに続く活躍を見せた。しかし、筑波大もその後は失敗なく全員がPKを決める。対する明大も5人全員がきっちりと決めたことで、1本目に失敗した筑波大がPK4-5で敗退。「筑波大さんがいるから明大もここまでいい試合ができる」(明大・栗田監督)という関東好敵手同士の今季最後の試合は、PK戦という形で明大が勝利した。
この結果、以下の4チームが12月25日(水)に行われる決勝ラウンドノックアウトステージ・準決勝に進出することが決定した。
明治大学(Aグループ2位/関東地区第1代表)
新潟医療福祉大学(Bグループ1位/北信越地区第1代表)
桐蔭横浜大学(Bグループ2位/関東地区第7代表)
東洋大学(Dグループ1位/関東地区第3代表)
準決勝の組み合わせは以下のとおり。
■栃木県グリーンスタジアム
11:00 桐蔭横浜大学 vs 東洋大学
14:00 新潟医療福祉大学 vs 明治大学
準々決勝で関西勢2チームはともに敗れ、関東も筑波大学と日本大学が敗退した。残ったのは桐蔭横浜大学、東洋大学、新潟医療福祉大学、明治大学の4チーム。桐蔭大と新医大は、ともに決勝で対戦した2022年度大会以来2年ぶりの準決勝進出。東洋大は初の準決勝進出となった。また明大は2年連続の準決勝で、2連覇に向けて大きな一歩を踏み出した。
第1試合は桐蔭大vs東洋大の"関東対決"。リーグ戦での順位は東洋大が上だが、対戦成績は1勝1敗と五分。ともによく知る相手を前に、今季最後の対戦に勝利するのはどちらになるのか。桐蔭大が勝てば2年ぶりの、そして東洋大が勝てば初の決勝進出となる。第2試合は、総理大臣杯準優勝の新医大と昨年度王者・明大の初対戦。2022年インカレ、そして今年の総理大臣杯と決勝進出を果たしながらも準優勝に甘んじ続けた新医大にとっては、悲願の初優勝を目指すために負けられない一戦。一方の明大も初の連覇に向けて勝たなければならない試合となる。これまで全国大会で対戦したことのない組み合わせだけに、予想外の展開となる可能性も。こちらも見逃せない試合となるだろう。
※本文中のスコアは対戦カードの表記に準拠
(文・飯嶋玲子)
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全試合結果と得点者
得点者)【大院大】中井小鉄【桐蔭大】笠井佳祐×4、岡崎寅太郎
東洋大 3(2-0)1 大阪体育大
得点者)【東洋大】湯之前匡央、髙橋輝、荒井涼【大体大】池戸柊宇
新潟医療福祉大 2(0-0)1 日本大
得点者)【新医大】森駿人、松本天夢【日大】熊倉弘達
筑波大 0(0-0/0-0/0-0/0-0/4PK5)0 明治大
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