ベスト8進出は、関東5、関西2、北信越1。夏の王者・阪南大学は敗退も、準優勝の新潟医療福祉大学が唯一の3連勝で堂々の準々決勝進出!

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昨年王者・明治大学がまさかのグループ2位抜け。大阪体育大学は最下位から大逆転のグループステージ突破に

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 大学サッカーの真の年間王者を決める大会『MCCスポーツpresents 2024年度 第73回 全日本大学サッカー選手権大会』(通称:インカレ)。関東・東海・関西・九州地域のシード校6チームと、予選ラウンドを勝ち抜いた10チームで行われる『決勝ラウンド・グループステージ』は12月18日(水)にグループステージ最終戦となる第3節を迎えた。

 ノックアウトステージの準々決勝に進出できるのは、各グループの上位2チームまで。第2節までで2連勝を果たしたチームはいたものの、グループステージ突破を確定させたチームはなかった。結果次第では、未勝利のチームにも準々決勝進出の可能性が残る中で行われた最終戦は、各グループ劇的な展開が相次いだ。


■グループA

 前節で黒星を喫した大阪学院大学(関西地区第5代表)だが、この試合では未勝利の鹿屋体育大学(九州地区第2代表)を序盤から圧倒。開始早々の8分に青木玲のゴールで先制すると、19分にも閑田隼人が追加点を挙げる。大院大は後半にも1点を加えて3-0で完勝。勝点を6に伸ばして2位内を確定させ、グループステージ突破を決めた。

 大院大が勝利したことで、残るノックアウトステージ出場枠は明治大学(関東地区第1代表)と関西学院大学(関西地区第6代表)の試合で勝利したほう、ということになった。初戦で黒星を喫している関学大に対し、明大は1勝1分で来ているため引き分けでもグループステージ突破が決まる有利な状況だ。試合は立ち上がりこそ拮抗した展開となったが、徐々に“勝たなければならない"関学大が攻勢を強める形に。後半は猛攻を仕掛ける関学大を明大がひたすら跳ね返すが、終了間際についに関学大・吉田有志が倒されてペナルティーキックを獲得する。だがこれを「止める自信はあった」という明大GK・上林豪が弾き、関学大は絶好の得点機を逸してしまう。ほどなくしてタイムアップとなり、試合はスコアレスドローで終了。昨年度王者・明大がグループ2位で準々決勝に駒を進めた。


■グループB

 中京大学(東海地区第2代表)と桐蔭横浜大学(関東地区第7代表)の試合は、71分にここまで未勝利の中京大が有働夢叶のゴールで先制。グループステージ突破に希望をつなげた。しかし、桐蔭大もその10分後に交代出場の肥田野蓮治が決めて同点に追いつくと、86分にこちらも交代出場の久永瑠音が追加点。桐蔭大が1-2で逆転勝利を収めて勝点を6に伸ばしたが、グループステージ最終順位はもう一方の試合結果を待つこととなった。

 グループB最後の試合は、今夏総理大臣杯決勝の対戦カードの再現となった。総理大臣杯王者・阪南大学(関西地区第1代表)は、同大会準優勝の新潟医療福祉大学(北信越地区第1代表)と対戦。試合はここまで2連勝の新医大が吉田晃盛の3試合連続ゴールで先制。阪南大もその6分後に、こちらも2試合連続となる金本毅騎のゴールで追いつくが、新医大は前半終了間際に勝ち越しゴールを挙げて再びリードを奪う。シーソーゲームになるかと思われたが、後半に入ると新医大が怒涛のゴールドラッシュ。62分、72分、76分と立て続けのゴールでスコアを1-5とし阪南大を突き放す。阪南大も85分に意地の一撃を決めるが、新医大もアディショナルタイムに1点を加え、終わってみれば2-6と新医大が圧勝。新医大が今夏のリベンジを果たすとともに、グループステージ3戦全勝で準々決勝に進出。2位には勝点6の阪南大が滑り込んだ。


■グループC

 連勝チームのいない混戦のグループC。第1試合は1勝1敗の東海学園大学(東海地区第3代表)と、1分1敗とここまで未勝利の大阪体育大学(関西地区第4代表)が対戦。試合は序盤の18分に大体大が先制。対する東園大は30分に退場者を出すなど不利な状況に。大体大に主導権を握られたまま、74分にも追加点を決められ0-2で試合終了。大体大が最終戦で初勝利を挙げ、グループステージ突破に望みをつないだ。

 前節はスコアレスドローに終わった筑波大学(関東地区第2代表)だが、最終戦ではその得点力をいかんなく発揮。18分、28分、31分と立て続けにゴールを挙げて九州産業大学(九州地区第1代表)を圧倒。その後、九産大に1点を返されるものの、後半にも2点を加え1-5でフィニッシュ。2勝1分の"負け無し"で首位突破を決めた。また、筑波大が勝利したことにより、大体大が2位となりこちらも準々決勝進出となった。


■グループD

 第1試合は2連勝中の東洋大学(関東地区第3代表)と日本大学(関東地区第6代表)の"関東対決"。互いに相手をよく知る同士の対戦は、拮抗した展開で0-0のまま終盤へ。このままスコアレスドローで終わるかと思われたが、最後は1勝1敗で"勝たなければならない"日大が意地を見せた。アディショナルタイムの90+3分に、交代出場の関日向多が劇的なゴールを挙げると、これが決勝点となり0-1で日大が勝利。東洋大と日大が勝点6で並ぶこととなった。

 第2試合は、こちらも1勝1敗の常葉大学(東海地区第1代表)と、ここまで未勝利の関西大学(関西地区第2代表)が対戦。常葉大が勝てば勝点6の東洋大、日大と同勝点で並び、得失点差などで順位を決めることになる。常葉大にとってはグループステージ突破のためにも負けられない試合だったが、すでにグループステージ突破の可能性のない関西大が意地を見せた。関西大は後半開始早々の49分に川島功奨が先制点を挙げると、この1点を最後まで守りきって初勝利。常葉大は勝点6に届かず、得失点差で首位は東洋大、2位は日大に。関東2チームが揃って準々決勝へと進むこととなった。


 この結果、以下の8チームが、12月22日(日)に行われる決勝ラウンドノックアウトステージ・準々決勝に進出することが決定した。

大阪学院大学(Aグループ1位)
明治大学(Aグループ2位)
新潟医療福祉大学(Bグループ1位)
桐蔭横浜大学(Bグループ2位)
筑波大学(Cグループ1位)
大阪体育大学(Cグループ2位)
東洋大学(Dグループ1位)
日本大学(Dグループ2位)

準々決勝の組み合わせは以下のとおり。

■栃木市総合運動公園 陸上競技場
10:30 大阪学院大学 vs 桐蔭横浜大学
13:30 [58]新潟医療福祉大学 vs 日本大学

■さくらスタジアム
10:30 東洋大学 vs 大阪体育大学
13:30 筑波大学 vs 明治大学

 明大がグループ2位で突破したため準々決勝で関東1・2位対決が実現。「いつかは対戦する相手と思っていた」(明大・栗田大輔監督)というが、予想外の"早すぎる"対決となった。リーグ戦の優勝は明大だが、今季の公式戦の戦績は1勝1敗1分とまさに五分。昨年は準決勝で対戦し、筑波大が涙を呑んだ。今年も明大がこの試合を大会連覇の第一歩とするのか、それとも筑波大が昨年の雪辱を果たすのか――。見逃せない一戦となりそうだ。


※本文中のスコアは対戦カードの表記に準拠

(文・飯嶋玲子)

【©JUFA】

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全試合結果と得点者

大阪学院大 3(2-0)0 鹿屋体育大
得点者)【大院大】青木玲、閑田隼人、光成大地

中京大 1(0-0)2 桐蔭横浜大
得点者)【中京大】有働夢叶【桐蔭大】肥田野蓮治、久永瑠音

東海学園大 0(0-1)2 大阪体育大
得点者)【大体大】古山兼悟、佐野竜眞

東洋大 0(0-0)1 日本大
得点者)【日大】関日向多

明治大 0(0-0)0 関西学院大

阪南大 2(1-2)6 新潟医療福祉大
得点者)【阪南大】金本毅騎、森村俊太【新医大】吉田晃盛×2、田澤夢積、細井響、上之平暉羅、漆舘拳大

九州産業大 1(1-3)5 筑波大
得点者)【九産大】岩崎海駕【筑波大】安藤寿岐、池谷銀姿郎、角昂志郎×2、オウンゴール

常葉大 0(0-0)1 関西大
得点者)【関西大】川島功奨
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著者プロフィール

一般財団法人全日本大学サッカー連盟は、大学サッカー界全体の競技力向上を目指すとともに、フェアプレーの実践やスポーツ文化の振興などを目的として活動しています。全日本大学選抜の活動をはじめ、全国9地域の大学代表が競う『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)、『総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』といった全国大会、選抜チーム地域対抗戦『デンソーカップチャレンジサッカー』、日韓両国の大学選抜が対戦する『DENSO CUPSOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』などを実施しています。

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