【ホットピ!~HotTopic~】AFCアニュアルアワード2023 ユースプレーヤー男子部門ノミネート記念 名和田我空選手インタビュー

チーム・協会

【©2023 AFC】

しっかり自分に目を向けながら今後も努力していきたい

AFCアニュアルアワード2023のユースプレーヤー男子部門にノミネートされた名和田我空選手(神村学園高等部)。昨年、U-17日本代表として戦ったAFC U17アジアカップタイ2023での優勝、同大会でのMVPと得点王の受賞、また世界と激闘を繰り広げたFIFA U-17ワールドカップインドネシア2023を振り返ってもらいながら、自身の成長につなげていることや今後の目標などを聞きました。

※このインタビューは2024年12月2日に実施しました。

ゴール前に入っていこうと意識していた

――AFCアニュアルアワード2023のユースプレーヤー男子部門にノミネートされました。まずは感想をお願いします。

名和田 そうした賞があるとは知らず、記事を見て知りましたが、すごくうれしかったです。それと同時に、ノミネートされたからには、より一層自分の存在感を見せなければいけないとも感じました。

――あらためてAFC U17アジアカップタイ2023でのプレーをどのように振り返りますか。

名和田 初めての東南アジアでの食事に戸惑い、大会の途中で体調を崩しましたが、トレーナーさんから「SAMURAI BLUE(日本代表)でも体調を崩す人はいる。それでもご飯を食べて体重を落とさないようにするしかない」と言われ、それを実践した結果、かなりタフになりました。グループステージ第3戦のインド戦で2点、コンディションも良くなっていた準々決勝のオーストラリア戦で先制点を挙げ、得点王も見えてきたと感じていました。

――得点王とMVPを獲得できた喜びも大きかったのではないでしょうか。

名和田 大会を通じてゴール前に入っていこうと意識していました。特にオーストラリア戦は味方が競った後のボールを狙ってゴールを決めましたが、事前に分析していた通り。試合前にさまざまな得点パターンをイメージしていて、それにより得点を積み重ねることができたと思います。

ただ、準決勝までは目に止まるような活躍ができなかったので、MVPを受賞できたのは2点を奪った決勝の活躍が印象に残っているからかなと思います。自分の名前が呼ばれたときは、めちゃくちゃうれしかったですね。帰国してからいろいろな人に声を掛けてもらって、実感も湧きました。

――大会を通じて得たものとは?

名和田 FKでの得点はアジアカップの決勝で決めてから身についた部分です。それに大会を通じて感覚的な部分が形となり、通用するところと足りないところが明確になりました。それはワールドカップでも同じで、世界でしか味わえないことだと思います。

チームは大会連覇を達成した。「チーム全体としても試合を重ねるごとに成長していった」と実感 【©2023 AFC】

FIFA U-17ワールドカップ出場権の懸かったオーストラリア戦は「勝たなければいけないプレッシャーが大きかった」と振り返る 【©2023 AFC】

誰よりも結果を残そうと思っていた

――昨年11月にはFIFA U-17ワールドカップインドネシア2023を戦いました。

名和田 試合に出られない悔しさをあまり味わったことがなかったので、心の底から悔しかったです。自分ではどうすることもできなくて、ただチャンスを待つだけでした。だからこそ、ラウンド16のスペイン戦の前日に「スタメンで行く」と言われたときは気合が入りましたし、結果を残そうと思っていました。そうした気持ちがプレーに出た気がします。

――グループステージの初戦に出場したものの、2戦目と3戦目は出場機会がありませんでした。初戦は自分でも納得のいかない出来だったのでしょうか。

名和田 初戦は実力不足で自分のプレーを全く出せず、チームにも貢献できなくて、自分に腹が立ちました。アジアカップでは試合に出て活躍できていたのですが、ワールドカップでは森山佳郎監督に守備面を指摘され、試合で使ってもらえなかった。今のサッカーはクオリティーを発揮した上で、守備の高い強度や、チームのために走る献身性が必要。自分に足りない部分だと感じて、やるしかないと思っていました。

――そうした悔しさをバネに、得点につなげたのですね。

名和田 監督がどういう選手を起用したいかと考えたときに浮かんだのは、一番戦えて、走れる選手。なおかつ自分はアタッカーなので、得点ができて、アシストもできれば、必要としてもらえると思っていました。自分は試合に出られず2試合休んでいたので、スペイン戦は前半からチームのために戦おうと頑張りました。そうすれば必ずチャンスは来るので、絶対に仕留めてやろうと。実際にゴールを決めたときは興奮していてあまり覚えていないですが、2点目、3点目も狙っていたので取れなかった悔しさもありました。

――世界の舞台だからこそ感じた部分はありましたか。

名和田 ボールを止めて蹴ることや、フェイクを少し入れて相手をはがす動きなどは通用すると感じました。ただ、それをもっと高めてストロングポイントにしていかなければいけないなと。また、フィジカル面でも、相手に体を当てられたときにふらつくことが多かったですし、ついていけないこともありました。出力を出すという意味でもっと取り組まなければいけないと思いました。

それ以降は、ボールを奪う瞬間に加速するなど守備の強度を上げられるようになったと思いますが、まだまだ高める必要があります。球際でも勝てるようになったらもっと自分の評価も上がっていくと感じているので、目を背けずに頑張っていきたいです。

――メンタル面での違いもあったのでしょうか。

名和田 南米やアフリカの選手はサッカーでご飯を食べていく、家族を助けたいという思いがプレーに出ているなと。そうした気持ちの部分で負けていたら、サッカーどころではありません。球際で戦うこと、そしてクオリティーを発揮することが大事だと強く感じました。

スペインに敗れて敗退となったものの、同点ゴールを奪った名和田選手 【©2023 FIFA】

世界を相手に戦い、南米やアフリカの選手のサッカーに懸ける思いを目の当たりにしたという 【©2023 FIFA】

世界一を取るまでは満足できない

――日の丸をつけて戦う中で、自分が成長したと感じる部分は。

名和田 責任感は確実に高まっています。サッカーに対する考え方が大人な選手もいて刺激をもらっていますし、スタッフも同じで、こちらの反骨心をあおるような声掛けをしてもらえているのは大きいです。代表の活動に行くたびに、「またやってやろう」という気持ちにさせられています。

――世界では同年代の選手の活躍も目立ちます。

名和田 置いていかれていると感じますが、そうした選手がいるからこそ、自分が目指すものがどんどん大きくなっています。自分より下の選手もヨーロッパで活躍していますし、海外のサッカーに目を向ける意識がより強くなりました。

――今後の目標について聞かせてください。

名和田 最終的な目標はFIFAワールドカップでの優勝やUEFAチャンピオンズリーグでの活躍です。そこに近づくために今のままではいけないし、来年から次のステージに行くので目の色を変えて頑張らなければいけません。目標にしっかり目を向けて、自分に足りないところを改善するために、やるべきことを全てやりたい。今のままではダメだと強く思いますし、世界一を取るまでは満足できません。

――この先も年代別代表の大会などが続いていきます。

名和田 自分はまだ代表での飛び級を経験していないので、上の年代の代表にも入っていける選手になりたい。目指すべき舞台は用意されていて、それをつかむかどうかは自分次第。代表活動があるからこそ、現状に満足できていない側面もあるので、目指すべき場所を意識しつつ、しっかり自分に目を向けながら今後も努力していきたいです。

初めてアンダーカテゴリー日本代表に選ばれたときは「自分のレベルの低さに驚いた」と話す名和田選手。そこから努力して結果につなげた 【©2023 AFC】

「好きな選手はフィル・フォーデン。もっとサッカーIQを高め、世界で通用する選手になりたい」と将来を見据える 【©JFA】

この冬も熱い!名和田選手と同年代の選手たちが躍動!

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著者プロフィール

日本サッカー協会(JFA)は、日本サッカー界を統括し代表する団体として、サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の発達と社会の発展に貢献することを目的に活動しています。 JFA公式Webサイトでは、日本代表からグラスルーツまで幅広いサッカーの現場の話題をお届けします。

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