プレシーズンラストマッチはサンゴリアス相手に激しい強度と充実の内容を見せる
ハイレベル&ハイスコアな80分
この試合も例外ではなかった。
試合中にスピアーズグラウンドに響く、人と人がぶつかり合う音。
この音こそがこの試合の強度を示していた。
NTTリーグワン2024-25の開幕まで2週間となった12月7日、プレシーズンマッチ最終戦となる東京サントリーサンゴリアス戦が行われた。
キックオフ直後は、サンゴリアスの時間だった。8分、15分とサンゴリスが連続トライでリードした。
このプレシーズンでは練習試合を6戦全勝、平均得点47点を超える好調なサンゴリスに対して、スピアーズのディフェンス力が試されるこの試合だったが、避けたかった先制点を相手に与えてしまった。
しかし、スピアーズは徐々に流れを引き寄せる。20分過ぎにハーフライン付近でのスクラムからペナルティを奪うと、10番バーナード・フォーリー選手が適格なキックでボールを大きく前に進める。直後のラインアウトからフォワード陣がモールを押し込み点差を縮めた。
こうしたスピアーズの強みであるセットプレーから得点すれば、今度はアンストラクチャーアタックでスコアする。特にここで目立ったのは12番に入る廣瀬選手の足技だ。
相手のキックからカウンターを仕掛けると左サイドに大きく展開。ライン際でもらった廣瀬選手は、左にタッチライン、右に相手ディフェンスに挟まれた状況で右足で22mに落とすキックを蹴る。そして、このキックを呼び掛けた木田選手がキャッチすると、14対14の同点に繋がるトライを決めた。
メンバーを変えずスタートした後半は、前半同様にサンゴリアスが先制。だがスピアーズもさらに追いつく。
この試合のハイライトといっていい場面が、この後半10分の攻守だった。
スピアーズ自陣で始まったディフェンス。スピアーズは相手のアタックを10フェイズ以上に渡ってほとんど前に出させずに食い止める。スピアーズの大きなフォワード選手たちが体を畳んで相手の太ももにタックルし続けた。このディフェンスからボールをターンオーバーすると、バックス陣が一気にボール持って前進し、ゴール前ラインアウトのチャンスを作ると、あとは定石通りスピアーズがモールでトライを決めた。
後半20分に掛けてサンゴリアスに連続トライを許し、一時は21点まで点差を広げられてしまうが、最後に再びスピアーズが追い付く。
38分には岸岡選手が抜け出しトライすると、試合終了間際には自陣から岡田選手が速攻を仕掛けて根塚選手に繋ぎ、最後は梁川選手がトライを決めた。
リザーブ陣の活躍により7点差まで追いついたスピアーズだったが、時間が足りずここで試合終了となった。
高い強度のハイレベルなパフォーマンスを全員が発揮したことはもちろん、攻撃面ではどのシチュエーションからでも得点して42点というハイスコアを生んだ。
また両チームの得点が7の倍数であることからもわかる通り、この試合のゴールキックは互いに100%の成功率だったことも、ゲームが引き締まった一因と言える。スピアーズは前半がフォーリー選手、後半は島田選手、岸岡選手、山田選手といったキッカーたちがゴールを決め続けた。
12月22日の開幕戦を前にして徐々にパズルがハマり、見たい画が鮮明になってきたスピアーズ。だが忘れてはいけないのは、代表組のチームへの合流というラストピースの存在だ。
南アフリカ代表マルコム・マークス選手は、今週からチームへ合流予定。また新キャプテン・ファウルア・マキシ選手をはじめとした日本代表組はすでにチームへ合流し、公式戦への準備を進めている。
開幕戦ではだれがどの背番号を付けるのか。
スピアーズの開幕戦は12月22日(日)秩父宮ラグビー場でトヨタヴェルブリッツと対戦。メンバー選考から楽しみな聖地初戦へのカウントダウンが始まった。
※リンク先は外部サイトの場合があります
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ