【柔道】パーク24presentsグランドスラム東京2024:(19)みどころ(男子編)

チーム・協会
12月7日(土)~8日(日)に東京体育館にて開催される「パーク24presentsグランドスラム東京2024」の組合せ抽選会がオンラインで行われ、鈴木監督が大会への期待と注目点を語った。

【鈴木桂治全日本男子監督コメント】
注目している海外選手としては、パリオリンピックに出場できなかった100㎏級ロシアのKANIKOVSKIY選手、パリオリンピック銅メダリストで今回階級を上げて出場している100㎏超級ウズベキスタンのTUROBOYEV選手。
強豪選手を相手に若手選手がどのように挑むのか戦い方に注目したい。オリンピックメダリストとの差を理解しつつ、選手たちがプレッシャーを乗り越えて日本代表の座をつかみ取ることを期待している。

日本語解説でおなじみ ejudo古田編集長のみどころ!

■60kg級 銅メダリスト永山凱旋、ホープ中村が世代交代に挑む
パリオリンピックの銅メダリスト・永山竜樹が早くも復帰。そのパフォーマンスのほどがまず第一のみどころだ。強さの源泉はパワーと、小柄な体格を生かした機動力。内股、裏投、一本背負投と得意の大技炸裂に期待したい。続いての注目は中村太樹の戦いぶり。今年5月のアブダビ世界選手権では2か月後にパリオリンピックを制するスメトフ(カザフスタン)を破って銅メダルを獲得しており、海外ではもはや日本の一番手と推す声も少なくない。得意技は背負投と寝技、今回は優勝候補の筆頭格だ。挑む海外勢は同じくアブダビで銅メダルを獲ったイ・ハリン(韓国)、10月のGSアブダビに勝って乗っているサアエフ(IJF)とブリエフ(IJF)のロシア勢2人が強力。オリンピックで永山と7分超えの熱戦を演じたアウグスト(ブラジル)、世界カデ王者のヤン(アメリカ)も気に掛けておきたい。

【国際柔道連盟】

■66kg級 日本勢がハイレベル、世界獲った田中龍馬の「地固め」なるか
日本のレベルが非常に高い階級。パリオリンピックでは阿部一二三が金メダル、アブダビ世界選手権では田中龍馬が金、武岡毅が銀とワンツーフィニッシュを飾っている。今回は田中・武岡が同時出場。世界が熱い視線を送る大会だ。田中最大の特徴は「嗅覚」。背負投を中心に持ち技自体はオーソドックスだが、警戒している相手を真っ向投げてしまう、敵にも味方にも理解しがたい投げ勘の良さが持ち味だ。武岡は力自慢の海外選手を相手に「一瞬早く」「反応出来ない間合いで」密着し、「一本」を量産するスピードスター。いずれも日本という土壌以外では生まれ難いタイプだ。海外勢では最近は寝技にも進境著しい人気者ヨンドンペレンレイ(モンゴル)、もと60kg級のアブドゥラエフ(IJF)とアブラゼ(IJF)のロシア勢が有力。捨身技のジェボフ(タジキスタン)、内股一発に力のあるバヤンムンフ(UAE)も見逃せない。

【国際柔道連盟】

■73kg級 銅メダリスト橋本筆頭に、日本のスターが競演
パリオリンピックで銅メダルを獲得したベテラン・橋本壮市が勇躍参戦。常に組み手の形を変えて相手に対応を強い、ここぞの瞬間に一撃を叩き込む独特の柔道に今回も注目だ。日本からは次代のエースと期待される石原樹と田中龍雅が同時出場。石原は「投げの威力」で立つ強者、アブダビ世界選手権決勝ではのちにオリンピックで金メダルを獲るヘイダロフ(アゼルバイジャン)にあと10秒で勝利というところまで迫った。田中はまだ大学2年生だが、全日本選抜体重別と講道館杯を制して今季は国内二冠。次代のエース争いで石原を猛追するホープだ。海外勢では欧州2位、今季ツアー3大会で決勝進出の21歳ラヴレンテフ(IJF)に注目。怪力ガルスチャン(IJF)、パリオリンピック7位のバットザヤ(モンゴル)、21歳でオリンピック代表を務めたヨネヅカ(アメリカ)、上り調子のシェロフ(タジキスタン)らも気に掛けておきたい。

【国際柔道連盟】

■81kg級 充実布陣の日本勢、欧州シリーズに進むのは誰か?
日本の布陣が豪華。世界選手権代表を務めた老野祐平と講道館杯優勝で復活を遂げた藤原崇太郎はもちろんのこと、小柄な体躯と柔らかさを生かして今季ワールドツアー2連勝の北條嘉人、昨年の講道館杯を制した本格派・天野開斗と多士済々。国内の層の厚さを反映した形で、個性派が揃った。海外勢はアブダビ世界選手権2位のアルブゾフ(IJF)、グーティエ=ドラパウ(カナダ)、カラペティアン(IJF)らが有力も、強者の数は限られる。日本の誰が次のステージの切符を手に入れるかが、最大の注目ポイントだ。

【国際柔道連盟】

■男子90kg級 村尾、田嶋擁する日本勢が強力
パリオリンピックの銀メダリスト村尾三四郎、5月のアブダビ世界選手権で世界タイトルを手にした田嶋剛希のスター2人が出場。村尾の内股と大外刈、田嶋の担ぎ技とタイプ異なる「技」の競演に期待だ。世界ジュニア2連覇の川端倖明、講道館杯Vの徳持英隼も加えて日本勢から目が離せない。海外勢も2023年の世界王者マイスラゼ(ジョージア)、長身の業師パルラーティ(イタリア)、世界ジュニア2位のマルキン(IJF)、マセド(ブラジル)ら強者がずらり。極めてエンタテインメント性の高い階級だ。

【国際柔道連盟】

■100kg級 カニコフスキー来襲!新井道太のリベンジなるか?
連覇を狙うカニコフスキー(IJF)が参戦。今年は出場3大会で1位・2位・1位。ロシア籍ゆえパリオリンピック出場はかなわずも、本来であれば金メダル候補だった。昨年の決勝で新井道大を投げた引込返など捨身技の印象が強いが、実は柔道自体が上手い全方位型。表情を全く変えず的確な技で淡々相手を屠る、その冷徹な立ち振る舞いにも注目ありたい。そして、アブダビ世界選手権3位のライジングスター・新井のリベンジなるかが非常に楽しみ。得意技は内股。「稽古より試合が強い」と周囲の誰もが語る、その本番力の高さに注目だ。日本は講道館杯を制したグリーンカラニ海斗、世界ジュニア2位の三木望夢ら若手の活躍にも期待。海外勢はエルナハスとレイズのカナダ勢、先手攻撃の鬼・ピレッリ(イタリア)らが面白い。

【国際柔道連盟】

■100kg超級 大巨人ツロボエフ階級上げて参戦、日本は「重量級復活」掲げて迎え撃つ
100kg級の2022年世界選手権王者、「大巨人」ツロボエフが突如階級を上げてエントリ―。これが日本初お目見え。身長2メートルの「長さ」を利した帯取返や左右の払巻込の威力をぜひご覧ありたい。迎え撃つ日本勢は全日本選手権王者・中野寛太、ベテラン太田彪雅、講道館杯優勝の新鋭中村雄太、今季躍進の木元拓人という布陣。注目は足技や体捌きなど、海外勢に理解されにくい「巧さ」を源泉に一本勝ちを連発する中野の戦いぶり。9月のGPザグレブでツアー初優勝。徐々に研究にさらされる中、今回も力を発揮することが出来るか。海外勢では2023年ワールドマスターズ王者、担ぎ技の名手プーマライネン(フィンランド)と世界ジュニア王者バチャエフにも注目。

【国際柔道連盟】

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