それぞれの思惑が交錯するB1は中盤戦へ突入【B MY HERO!】

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故障から復帰した渡邊雄太がバイウィーク空けの琉球戦で存在感を発揮 【(C) B.LEAGUE】

バイウィーク明けから各地で熱戦が再開

 今季も開幕から約2カ月、最初のバイウィーク(各国の代表チーム活動期間)がいよいよ終わり、B1リーグ戦も再開しました。日本代表はモンゴル代表、そしてグアム代表との試合を勝ちきりFIBAアジアカップ2025への出場権を獲得。代表に関連することで少し落ち着かないところはありますが、八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)、渡邊雄太選手(千葉ジェッツ)の全ての言葉は日本日本のバスケットボールがまたより良い方向へ進むための一点に向いていると理解し、ターニングポイントの一つとなることを願うばかりです。

 そして、再開したB1リーグですが、オールスターゲーム2025も行われる「ララアリーナ東京ベイ」では、千葉ジェッツが琉球ゴールデンキングスを迎え、両日1万人越え、初日はチーム史上最多観客数を更新する熱気の中、西地区の首位をバックトゥバックで撃ち倒しました。復活した渡邊選手はまだまだリズムをつかめていないものの、随所でその存在感を見せ、Bリーグ初と言っていいであろうスーパーチームが今後どこまで強くなるのだろうかと期待せずにはいられない姿を見せてくれました。

今季のB1をリードする“スーパーチーム”千葉ジェッツ 【(C) B.LEAGUE】

 また、今後の代表活動への去就に関してコメントを出していた日本が誇るエース比江島慎選手が所属する宇都宮ブレックスがホームでサンロッカーズ渋谷と、今季も激戦区となっている中地区で首位を走る三遠ネオフェニックスのホームでは島根スサノオマジックとの各地区の上位が再開後の節でぶつかるも、こちらはどちらも譲らず1勝1敗と星を分けることになりました。互いのプライドが簡単には譲らない展開が多く、各チームのエースたちが当然のように活躍しチームの勝利に貢献する姿はBリーグファンにとって最高の週末だったことでしょう。

 今後の日程を見ていくと、リーグ戦再開(11月30日以降)から年末までで12試合、年始からオールスターウィークエンドまで4試合と次のバイウィークまでの44日間で16試合を戦います。昨年の同期間は39日間で14試合でしたから、今年の方が少しタイトな日程と言えるでしょう。その間に天皇杯3次ラウンドが12月4日(水)に、4次ラウンドが来年の1月8日(水)にも行われ、一方、東アジアスーパーリーグ(EASL)に出場中の広島ドラゴンフライズと琉球ゴールデンキングスは3試合をBリーグ代表として戦います。16試合+αを戦うこの1カ月半はどのチームにとってもかなりタフな時期であるとともに、勝ち上がりたいトーナメントの一戦必勝の試合もある中で、CSの出場ラインが見えてくる後半戦に向けては勝ち星を伸ばしていきたい時期になるでしょう。

 ただ、先週末を見ても、どのチームも今季の各チームの戦術に対してのスカウティングが深まる時期でもあるので、それぞれの対策に対して1つ2つ上回る手を出していけるか、また、想定よりも結果が伴わない時にチームを信じて一貫性を保つことができるかというのがキーポイントになりそうです。

オールスターブレークまでの日程をチェック

 オールスターウィークエンドまでの注目カード、やはり気になるのは上位チーム同士の対決になりますがいくつか見ていきましょう。

 12月の2週目、この週末には千葉Jと三遠が激突。東と中の首位争い中の両チームの戦いの最たる注目は、千葉Jは渡邊選手がコートに戻ってきたことでオフェンス・ディフェンス両面でのグレードアップした部分が琉球戦でも垣間見えましたが、チーム同士のデータを見ても両チーム1試合平均10本以上の3ポイントシュートを決める力を持っていますから、激しい得点の取り合いを見れる可能性は非常に高いでしょう。

 さらに千葉Jは3週目に群馬クレインサンダーズとの同地区上位対決が控えており、年末にも島根をホームで迎えうつ各地区上位との対決が多い月なので、千葉J中心にリーグの上位争いに動きが見えそうです。今季の千葉Jがリーグの中で頭一つ抜けていると印象付けるには格好の日程とも言えるでしょう。

三遠は代表戦に初出場した大浦颯太(左)がチームをリード 【(C) B.LEAGUE】

 三遠は先週末の島根に続き、2週目は先ほど挙げた千葉J、その直後に同地区上位のSR渋谷との水曜ゲームが行われますから、この5連戦を前半戦の勢いで駆け抜けていくのか、それを牽引するのは日本代表戦でも素晴らしい活躍を見せた吉井裕鷹選手を筆頭に佐々木隆成選手、そして初招集、初出場の経験を得た大浦颯太選手の攻防両面で活躍ができる豪華な日本人選手たちでしょう。大浦選手は先週末の島根第2戦でのキャリアハイの得点と3ポイントシュート成功数に迫るプレイでチームを大きく勢いづけた活躍は圧巻の一言でした。リーグトップの矛と盾を持つという、最大の矛盾が作る得失点差を上位チームとの連戦でも見せてくれるのでしょうか。

 中地区同率首位のアルバルク東京は3週目に島根と、その直後の水曜日に同地区首位の三遠戦、そして年始はSR渋谷と12月の中盤から年始にかけてチームとしてのピークを一つ作りたいところです。「安定感」という言葉がこれほど似合うチームはないと個人的には思っていますが、日本代表クラスで脂の乗って来ている中で今季はチームのために6thマンとしての役割を志願した安藤周人選手が自らのロールに対してリズムを常につかめるようになれば、安定感+爆発力というA東京が今季のリーグ制覇に向けて最高の形が整うでしょう。

 また、上位対決ではありませんが、昇格組の滋賀レイクスと越谷アルファーズが滋賀のホーム、ダイハツアリーナでぶつかる年末は、昨季B2プレーオフで優勝を争った日が蘇ることでしょう。昇格初年度を戦う布陣はそれぞれが一つのステップとして戦う1年の中で、戦績としては滋賀の方が少し苦しんではいるものの、この年末の戦いはお互いにとってプライドがぶつかる熱い試合となりそうです。

島根は白濱僚祐が復帰していよいよ完全体となり、さらに暴れそうな予感 【(C) B.LEAGUE】

 最後に西地区の上位に目を向けると前述した三遠戦を1勝1敗としたことで、現在は単独首位となった島根は、ここを皮切りに2週目に同地区中位の京都ハンナリーズ、3週目はA東京、4週目に群馬クレインサンダーズ、年末は千葉Jと12月は熾烈な戦いが続きそうです。どの試合にもかける想いとしては変わらないかもしれませんが、特に3週目のA東京戦は互いのビッグラインナップがどう機能するか、非常に見応えのある一戦となりそうです。開幕から左手の骨折により離脱している白濱僚祐選手も復帰し、前節はスターティング5は変わらなかったものの、今季のチームのストロングポイントを作れている要因のタイムシェア、ローテーションに今後どのような変化をもたらすのかにも注目です。

 今季のBリーグのテーマソングがSixTONESの新曲「THE BALLERS」となることが発表された、りそなグループB.LEAGUE、まずはオールスターまで選手はもちろん、ファンも一体となって「ガンガンカマして」盛り上がっていきましょう!

朴航生(B MY HERO!特派員)

【(C) 朴航生】

岡山学芸館高校を卒業後、アメリカ留学を経て、SHIZUOKA GYMRATSの一員としてABAへ参戦。帰国後bjリーグトライアウトの門を叩き、現B1の島根スサノオマジックへ入団、2シーズン在籍した。その後、Bリーグ開幕に伴いご縁を頂き、現在はバスケットボールコメンテーターとして島根のホームゲームを中心に奮闘中。ホーム、アウェーを同様に解説する姿勢、わかりやすい戦術解説に多くのファンを持つ。

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