バドミントン福島/松本、ペア結成4カ月で見えた「変幻自在」スタイルの片鱗
福島「数カ月で自信は持てて来ている」
福島は「相手の特長に応じて、作戦を2人で変えられるのは、自分たちの強みになるのかなと思った。安定したダブルスになるのに直結する部分。組み始めて最初は、気を遣ったり、遠慮したりする部分もあり、互いに自分の力でやっていた。1月くらいから、ペアとしてのプレーをどうするかを意識して話してきた。まだ2人で動くパターンが決まっていないけど、自分たちのミスが少なければ、どんな相手にもある程度戦える、この数カ月で自信は持ててきているかなと思う」と好感触をつかんでいた。
相手に合わせてスタイルを変える、松本「私たちならではの武器」
「徐々に、ダブルスとしての完成度やコンビネーションは、上がって来ているのかなというイメージがある。試合中に、どっちが取るのか迷う場面が、少なくなった。レシーブは、1月は、相手を後ろで(左右に)振って、自分たちが各々で前に行けるタイミングで攻撃に転じることが多かった。でも、全英では、この場面は、こうやって攻撃を仕掛けに行った方がいいねと話して、相手に合わせたプレーができたイメージはある」(松本)
松本は、170センチを超える長身選手。後衛から角度をつけて決定力のある強打を繰り出すことができる。そして、前に出れば、相手はネット前で捕まるのを避けるため低い軌道の球を使いにくくなり、プレッシャーをかけることができる。福島は後衛から巧みなコースを突く強打を持っており、圧倒的な守備力があるため、前に出た場面で高速ラリーになっても対応力が高い。通常、ダブルスは前衛、後衛の役割が明確なペアが多い。相手が良い球を打てないと判断すると、各自の持ち場に分かれて前後に並ぶ。しかし、福島/松本の場合、相手や状況に合わせて、どちらを前に置くかを変えることができる。守備でも積極的に球を沈めたり、速い球の打ち合いに持ち込んだりして攻守交代を狙うか、しっかりと大きく返してチャンスを待つか。どちらも対応が可能だ。組んで日が浅い分、どのタイミングで何を選ぶか、連係面では難しい部分だが、2人は戦い方を多く持てることに、成長の可能性を感じている。
松本は「どのペアにもスタイルがあって、それを出した方が強い。その分、どの相手には強いとか弱いとか、相性が出る。でも私たちのスタイルは、どういうものか一概に言えない。そこを逆にプラスに捉えている。相手に合わせてスタイルを変えて(相性による勝敗への影響を)限りなくフラットに持って行ける選手は、ほとんどいないし、難しいこと。でも、多分、それをできるのが、長年経験してきた私たちならではの武器」と話した。