2度目の監督就任。三木肇新監督の「第1次政権」を振り返る

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東北楽天ゴールデンイーグルス・三木肇新監督 【©パーソル パ・リーグTV】

 これまで二軍監督を務めていた三木肇氏が、来季から一軍で指揮を執ることとなった。2020シーズン以来、2度目の監督就任となる三木新監督。前政権時代、東北楽天はどのようなシーズンを送ったのか。動画とともに三木監督の「第1次政権」を振り返りたい。

オフには積極的な戦力補強も…… 新型コロナの影響でいきなり難しい舵取りに

 オフシーズンには新戦力として、鈴木大地選手、涌井秀章投手を獲得。さらに美馬学投手のFA移籍に伴う人的保障で酒居知史投手、米球界から牧田和久投手を獲得し、厚みを増した投手陣で開幕を迎えることとなった。しかし、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、一時はシーズン開幕すら不透明な状況に。遅れてシーズンが開幕したが、無観客試合や同一チームと6連戦を行うなど、これまでのシーズンとは全く異なる状況での戦いが強いられた。

則本昂大が2年ぶりの開幕投手を務め、涌井秀章が最多勝獲得の活躍

 6月19日に開幕を迎えると、2年ぶりの開幕投手を務めた則本昂大投手が7回1失点の好投でチームを勝利に導く。開幕後は好調を維持した則本投手だったが、調子を崩す試合も多く、18試合に登板し、5勝7敗、防御率3.96でシーズンを終えた。

 また、松井裕樹投手がクローザーから先発へ転向したシーズンでもあった。開幕序盤は打ち込まれる試合もあったが、8月27日の千葉ロッテ戦で7回無失点の好投を披露。今季初勝利をつかみ取った。シーズン終盤は、チーム事情もあり再び救援へ配置転換。結果的に25試合に登板し、5勝7敗2S、防御率3.18の成績を残した。

 投手陣で数字を残した選手といえば、移籍1年目だった涌井秀章投手だろう。開幕から自身8連勝を記録するなど、シーズンで11勝をマーク。最多勝のタイトルにも輝いた。
 また、岸孝之投手は10月以降大車輪の活躍。チームが上位争いを演じるなか、2完投、1完封を含む5勝、防御率1,38で10月、11月度の月間MVPも受賞した。さらに、当時ルーキーだった津留崎大成投手は33試合に登板、瀧中瞭太投手は2勝を挙げ、爪痕を残した。しかし、救援陣の層の薄さが目立ち、勝ちパターンが固定できず。終盤にチームが失速した一因ともなった。
 チーム打撃成績は、打率.258、557得点、1029安打でリーグ1位。中でも移籍1年目・鈴木大地選手の活躍が光った。全120試合に出場し、キャリアハイの打率.295をマーク。主に2番打者として出場し、精神的支柱としてもチームをけん引した。さらに浅村栄斗選手も全120試合に出場し、打線の中核を担った。9月には、10本塁打、21打点を稼ぎ月間MVPを受賞。シーズン通してもリーグ2位の104打点をたたき出し、チームの勝利に貢献した。
 また、ルーキーイヤーながら112試合に出場したのは、小深田大翔選手だ。6月30日にプロ初安打を放つと、徐々に調子を上げていき「1番・遊撃手」としてシーズン終盤は定着した。9月は月間打率.320を記録。さらに、俊足を生かしチーム最多の17盗塁をマークした。シーズン終盤に同じく頭角を示したのは、小郷裕哉選手。10月の月間打率は.323と、バットでアピール。10月28日、29日の埼玉西武戦では、日をまたいで2打席連続本塁打を記録した。

終盤に失速し4位に。盗塁数はリーグワーストに終わる。

 シーズン序盤は快調な出だしも、終盤に失速し3位と1ゲーム差の4位に終わった。機動力に課題を残し、盗塁数は67でリーグワースト。チーム防御率は、4.91とリーグ5位に低迷した2020シーズンとなった。

 三木新監督は来季どのような戦いを繰り広げるのか。2020年シーズンとは違い、辰己涼介選手、中島大輔選手ら足が使える選手も多いだけに、戦術面でも期待が高まる。また、ドラフト1位で獲得した宗山塁選手の起用法にも注目だ。2020年のリベンジへ。新生イーグルスから目が離せない。

文・谷島弘紀
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