アントラーズの選手たちが、18種の香りをいかに組み合わせるかに夢中になった。

「八王子の香りだなあ」
「沖縄のおばあちゃんちの香りがする！」
「香水を作る仕事に転職しようかな」

世間で“推し活”が流行るなか、アントラーズはこれまでも行ってきた選手プロデュースグッズとして、クラブ初となる香水「Antlers Perfume」を発売した。

初の試みにトライしたMD（マーチャンダイジング）チームのクラブスタッフは、「商品開発にあたり、選手に押し付ける形はやめたかった。選手が喜んで取り組んでもらえるかどうかヒアリングから始めた」という。

参加したのは、鈴木優磨、知念慶、師岡柊生、チャヴリッチ、仲間隼斗&樋口雄太の5組6選手だ。

選手への協力打診を進めたところ、普段から香水をつける選手もいておおむねポジティブな反応だった。なかでもチャヴリッチ選手は前のめりに企画参加を表明。普段から香水を愛用し、何十種類も持っているうえ、引っ越すたびにキャンドルを焚いて部屋の香りづけをするほどだ。

「今回の話をお願いしに行ったところ、これまでプロ生活を送るなかで自分の香水が作れるなんて、といきなり目の色が変わった。その後は“マイフレンド”と呼ばれるようになりました（笑）」

実際に香りを選ぶ動画撮影になると、選手は皆ノリノリ。香り決めをしたときの選手たちを、クラブスタッフはこう振り返る。

「告知用で動画を同時に回していたのですが、本当はもう少しサッパリ選んでわりとすぐに撮影が終わると思っていたんです。それが選手の皆さんが予想以上に積極的に参加してくれて、自分が作りたいという意思を示してくれました。大いに盛り上がって、公式YouTubeチャンネルで公開している動画は当初想定より本数や尺も増え、いい意味での誤算でした」

アントラーズ公式YouTubeチャンネルで公開中の動画では、選手たちが楽しみながら悩み、最後は満足気に香りを決めた様子を見ることができる。

18種類の香りを掛け合わせていくが、鈴木選手は3つ選んだ香りそれぞれの比率にもこだわり、一発回答。よほど納得のものが完成したのか、発売前から自分用に20個予約を宣言した。知念選手は「沖縄のばあちゃん家の匂い？　香りに統一性がない、プレースタイルに出る」（鈴木選手）とイジられながらもこだわりを見せ、ウッディな男らしい香水を決めるのにもっとも多くテストを繰り返した。「なんで俺なんすか！？」と指名に驚きの師岡選手は、普段は香水をつけないものの「初めての香水を自分で作るのは貴重」と喜んで参加。香りを決める際は鈴木選手に「地元八王子の匂い？」とイジられながらも納得の香りを決めた。

わちゃわちゃ盛り上がった3人組とは色を変え、チャヴリッチ選手、仲間選手&樋口選手組は違った選び方でそれぞれの色を出した。チャヴリッチ選手は「僕も香水を作る仕事をしてみたい。それくらい香水が大好き」と、まさかの転職宣言が出るほどオリジナル制作を喜び、仲間選手&樋口選手組は“リラックス”をテーマに、遠征のときでも家のようにぐっすり寝られる香りを目指した。仲間選手は「これでよく眠れるな。テーマに沿っていいものを作れた。いい睡眠が取れればいい人生を送れると信じている」とご満悦の様子だった。

クラブスタッフはパッケージにも意図を込めた。シーズンを通して、選手の特徴あるシーンをシルエットに、アントラーズレッドとゴールドで高級感を出したデザインに仕上げた。選手プロデュース香水「Antlers Perfume」は11月20日（水）まで、数量限定で販売中。現在、クラブハウスストアでは実際の香りを試すことができる。

選手の思いやこだわりを、あなたの日常に加えてみませんか？