『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第21節は、11月10日(日)に全6試合が行われた。


　首位・慶應義塾大学が思わぬ伏兵に足を救われ、優勝は最終節に持ち越された。

　2位の日本体育大学と勝点6差をつけて首位を快走する慶大。今節、引き分け以上で優勝が確定するとあって、前節の1部リーグ昇格に続く歓喜の瞬間が訪れるかと思われた。しかし勝てば2部リーグ残留が決まる7位・神奈川大学も一歩も譲らない。序盤の6分に神大が先制点を挙げると、慶大も17分に柳瀬文矢のゴールで同点に。だが神大は前半終了間際の44分、前に出ていた慶大GKの裏を狙い、藤田仁朗が無人のゴールへとシュートを流し込んで勝ち越しに成功。67分にも田畑麟がロングシュートを決めて3-1と突き放す。慶大も74分、齋藤真之介のヘディングシュートで1点差に迫るが、もう1点が遠く3-2でタイムアップ。2部リーグ優勝は最終節に持ち越しとなった。

　一方、2位の日体大は前節に3部リーグ降格が決まった12位・城西大と対戦。試合は序盤から城西大が主導権を握り攻撃を展開するが、日体大は古澤希竜が城西大DFに押し倒されてペナルティーキックを獲得。29分、これを松原海斗が決めて先制。最後までこの1点を守りきった日体大が1-0で勝利した。この勝利で首位・慶大との勝点差は"3"に。最終節は、その慶大との直接対決となる。得失点差が"9"と開いているため、日体大が逆転優勝を果たすためには5点差以上をつけての勝利が必要。逆に4点差内であれば、慶大は敗れても優勝が決定する。日体大にとっては厳しい状況だ。しかし3位以下の勝点差が詰まっていることもあり、1部リーグ自動昇格の2位を死守するためにも負けられない"頂上決戦"となる。

　1部リーグ昇格圏入りを狙う3位・早稲田大学、4位・順天堂大学、5位・立正大学、6位・法政大学の試合も、それぞれ熱い展開となった。早大は、負ければ3部リーグ自動降格となる11位・立教大学を相手に苦戦。ゴールこそ許さなかったものの、最後までゴールを決めきれずスコアレスドローで決着となった。立正大も降格圏からの脱出を狙う10位・山梨学院大学に前半のうちに2点を先取される厳しい展開に。しかし後半、多田圭佑が立て続けに2ゴールを挙げて同点にもちこみ2-2で痛み分けとなった。一方、順大も降格圏に沈む9位・産業能率大学と対戦。順大は前半に2点を先取すると、後半の産能大の反撃を1点に抑えきり、終了間際に1点を加えて1-3で勝利。8位・拓殖大学と対戦した法大は前半に2点を挙げて、2-0とリードを広げたまま終盤へ。アディショナルタイムに拓大に1点を返されるものの2-1で"八王子ダービー"を制した。

　この結果、3位以下の順位が大きく変動。3位に順大が浮上し、早大は4位に後退。4位に法大、立正大は5位となった。最終節は3位・順大と4位・早大が直接対決となるため、1部参入プレーオフ出場を含む"1部昇格圏"入りは4位・早大までに絞られた。この直接対決に順大が勝利すれば3位が確定し1部プレーオフ出場が確定。日体大vs慶大の結果次第では、2位に浮上し1部リーグ自動昇格の可能性も。一方、早大が勝てば早大が3位となり1部プレーオフに出場。順大は昇格圏外となる。

　また、2部参入プレーオフ出場を回避する、いわゆる"残留争い"も最終節までもつれ込むこととなった。引き分けに終わった11位・立教大は3部リーグ自動降格が決定。2部参入プレーオフ出場の可能性を残すのは8位・拓大、9位・産能大、10位・山学大の3チームとなった。3チームの勝点差はそれぞれ"1"。最終節では8位の拓大と9位の産能大が直接対決となるため、勝ったほうが2部参入プレーオフ出場を免れる。なお、10位・山学大は拓大と産能大が引き分けとなったうえで、7点差以上をつけて勝利しなければ降格圏を脱出することができない。かなり厳しい状況だ。

　直接対決が多いだけに、最後まで目の離せない状況となった2部リーグ。最終節は11月16日(土)の14時に、全6試合が一斉キックオフとなる。


※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。

（文・飯嶋玲子）

日本体育大　1(1-0)0　城西大
得点者）【日体大】松原海斗

法政大　2(2-0)1　拓殖大
得点者）【法大】小湊絆、中川敦瑛【拓大】永吉葉太

山梨学院大　2(2-0)2　立正大
得点者）【山学大】原田蓮斗、吉長由翔【立正大】多田圭佑×2

立教大　0(0-0)0　早稲田大

産業能率大　1(0-2)3　順天堂大
得点者）【産能大】柴山優汰【順大】清水勇貴、今井啓太、齊藤慈斗

神奈川大　3(2-1)2　慶應義塾大
得点者）【神大】前田柊、藤田仁朗、田畑麟【慶大】柳瀬文矢、齋藤真之介