ポヤトス体制の2年目もいよいよ佳境を迎えつつあるガンバ。ガンバの復権に向けて歩みを続けるチームは未だに成長過程の途中にあるが、川崎F戦では立ち上がりから狙いとする効果的な攻撃を見せ、先制点の奪取に成功。しかしながら、畳み掛ける迫力を欠き、後半に痛恨の失点を喫して勝ちきれなかった。
「中断期間中にやってきた攻撃は一つ成果が出たので、もっとより良くするための良い機会が名古屋戦。名古屋に勝って、勢いを持って天皇杯を目指したい」と一森が語る言葉はチームの誰もが感じる思いである。

中3日で天皇杯の準決勝を控えるガンバだが、今季ホームで残されたリーグ戦は残り2試合。「ホームで戦えるのは2試合だし、サポーターにいい姿を見せて、良い試合をしたい」と中谷は札幌戦に続くホームでの勝利を誓う。
昨季はいずれも0-1で名古屋に敗れているガンバだが、今季はアウェイで1-0の勝利。手堅い試合運びを見せる名古屋だけにロースコアの展開も予想されるが、勝点3の鍵は我慢比べと、リスクマネージメントである。
「名古屋相手には先制点を与えないことがマストになる」（一森）。ボール保持にはこだわらず「長いボールでの速い攻撃、そこを決め切る力を持っている」とポヤトス監督も名古屋のシンプルだが縦に速い攻撃を警戒するが、ガンバとしてはホームで腰の引けた戦いを見せるつもりはない。

守備時には5バックに構える名古屋だが「名古屋の守備の枚数は多いので、相手の想像を上回るアイデアとかコンビネーションがないといけない」と宇佐美。川崎F戦で見せたサイド攻撃の鋭さに加えて、中央からのコンビネーションやミドルレンジからのシュートで堅守をこじ開けたい。前節は林もガンバデビューを飾っただけに、パナソニックスタジアム吹田での勇姿にも期待がかかる。

一方の名古屋は現在9位。前節は札幌に0-2で敗れ、リーグ戦では連敗中だが、ルヴァンカップでは決勝に進出しており、ガンバでも一時代を築いた長谷川監督のもとで、勝負強さを見せている。
中3日で天皇杯の準決勝を迎えるガンバとは対照的に、名古屋は11月2日に行われるルヴァンカップの決勝に向けて弾みをつけるためにも、勝ち切る陣容で乗り込んでくるはずだ。
総得点は計40で爆発力があるとは言えない名古屋だが、3得点した試合は今季4回。広島にも3-2で勝ち切っている。チーム最多の6点を決めている永井と稲垣や4得点のキャスパー ユンカーはもちろんだが、5得点を決めている元ガンバのパトリックも警戒が必要な選手である。「カウンターで一発、永井選手のところにパスを出す形があるので準備のところが大事になる」と古巣の攻撃陣を知り尽くす中谷もアタッカー陣の個の能力を警戒する。

勝負強い名古屋は難敵ではあるが、「天皇杯につなげるという意味でも勝ちたい」（中谷）。
劇的な勝利でパナソニックスタジアム吹田を歓喜に包んだ札幌戦同様、総力戦で勝点3を掴みに行く。