【柏レイソル】"弟"たちの奮闘「2024Reysol Report Vol.19」

柏レイソル
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 弟分であるU-18チームが、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTで熾烈な戦いを繰り広げている。
 まずは10月6日に行われた流通経済大柏高校との“柏ダービー”。80分過ぎまで0−3と敗色濃厚だったにもかかわらず、最後まで諦めないレイソルU-18は驚くべき追い上げを見せた。82分に加茂結斗が反撃の狼煙を上げると、89分、90+5分と、加茂がハットトリック達成となる連続ゴールでドローに持ち込む粘り強さを見せたのである。
 10月14日に行われた首位・横浜FCユースとの一戦は、敗れれば優勝の可能性がほぼ潰えるという大一番だ。この一戦を迎えるにあたり、チームのエースで来季トップチーム昇格内定のワッド・モハメッド・サディキがU-18日本代表招集のため不在であり、流経大柏戦でハットトリックを決めたU-16日本代表の加茂を負傷で欠く状況だった。
 試合は、レイソルがアグレッシブなプレッシングを繰り出すものの、横浜FCはパスでそのプレスを回避しながら、ジワジワとレイソル陣内へと攻め込んできた。前半に関しては、長い時間に渡ってボールを握られる苦しい展開が続いた。

来季からの藤枝加入が内定しているGK栗栖汰志 【©️KASHIWA REYSOL】

 ただ、一見押し込まれているように見えた試合だったが、キャプテンの栗栖汰志は「想定内でした」と振り返っている。
「粘り強い守りができていたので嫌な感じはしませんでした。ここを守れればチャンスは来ると、ポジティブな印象の方が強かったです」(栗栖)

 ハーフタイムに藤田優人U-18監督が動く。平山智規コーチの助言もあり、システムを4バックから3バックへ変更。選手の距離感が改善された後半は、レイソルのパスが回り始め、試合の流れは劇的に変わった。
「今年のチームの特長として、距離感が近いことで安心感を得られるところがあるので、そのあたりはシステムにはめ込んだというよりは、彼らの性格を考慮してのシステム変更でした」(藤田監督)

闘争心やハードワークを植え付け、選手たちの成長を引き出している藤田優人監督 【©️KASHIWA REYSOL】

来季からの北九州内定が決まっているFW吉原楓人 【©️KASHIWA REYSOL】

 このシステム変更によって、前半は左サイドハーフを務めていた吉原楓人がFWに入った。吉原は、来季からギラヴァンツ北九州の加入が内定しているドリブラーである。その彼が力量を誇示した。58分、ドリブルで背後へ抜け出した吉原がペナルティエリアへ侵入。鋭いターンでマーカーをかわすと、ゴール前へパスを出した。そのボールに対し、ファーサイドからフリーで入ってきたのは10番を背負う戸田晶斗だった。
「スカウティングで相手のファーが空くというのがあったので準備をしていました。狙いどおりです」(戸田)
 左足を振り抜いた戸田のシュートが決まり、レイソルが1点を先制する。

貴重な決勝点を挙げたFW戸田晶斗 【©️KASHIWA REYSOL】

 だが、さすがは首位の横浜FC。ここから彼らも反撃に転じ、試合の終盤は何度か危ない場面が訪れた。なかでも85分には自陣でのボールロストからシュートまで行かれるピンチを迎えたが、ここはGKの栗栖がファインセーブで失点を阻止した。クロスボールのキャッチング、チームへのコーチングを含め、試合を通じて栗栖の安定感が際立っていた。彼もまた、来季から藤枝MYFCでプロのキャリアをスタートさせる。その確かな実力を示した。
 レイソルは1−0で首位の横浜FCを下し、勝点差を6に縮めた。“MUST WIN”の試合で勝利を収め、逆転優勝の可能性を繋いだのである。

 トップチームは10月19日(土)にホーム日立台でのFC町田ゼルビア戦を戦う。U-18は、その翌日20日(日)11時から、同じピッチで青森山田高校と対戦する。U-18選手にとって憧れのピッチで、強豪相手にどんな戦いを見せてくれるだろうか。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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