【柏レイソル】新たな選手がもたらす活力「2024Reysol Report Vol.18」
なぜ、こんな昔話から始めたかというと、当時と今のレイソルの置かれている状況に共通点があると感じたからだ。簡単に失点を許してしまう守備面と、FWには工藤壮人とレアンドロというストライカーを擁しながら、ネットを揺らすことができない攻撃面。当時のレイソルも苦しい状況に置かれていた。
【©️KASHIWA REYSOL】
そして、栗澤は中盤の守備と球際で存在感を示し、秋野が最終ラインから秀逸な配球を見せ、藤田は復帰戦にして劇的な決勝弾を決めた。レイソルは、それまでの不調が嘘のようなハイパフォーマンスを見せ、4−1とフロンターレを力でねじ伏せた。それまで出場機会の少なかった選手が、それぞれの特長を存分に発揮することで新たな活力をもたらし、チームは劇的な変化を見せたのである。
【©️KASHIWA REYSOL】
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「そういう時のためにチームの全員が試合に出る準備をしてここまでやってきています。代わって出場する選手がチャンスだと思って、役割を全うしてくれると思っています」
これまで出場機会が限られていた選手たちは、いつか来るチャンスのために、気持ちを切らさずに準備を続けてきた。その一人、立田悠悟は「自分の良さは自分が一番分かっています。それをやる状況か、やらない状況かをコントロールして意識してやりたい」とモチベーションの高さを公言している。土屋巧もまた、夏以降は出場機会が限られた中でも「局面で絶対に負けないということは変えずにやってきたので、そこは存分に発揮していきたいですし、味方を誘導して自分のところで奪うことも意識してやってきました」と、常に自分自身に矢印を向けてトレーニングに励んできた。
過去には、出場停止やケガ人が出た非常事態において、新たにチャンスを得た選手がチームに活力をもたらす例は少なくはなかった。今節のF・マリノス戦も、そんな選手たちの活躍で、数年後の語り草になる一戦になることを望む。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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