【1部・第12節延期分】明治大学はドロー決着!栗田大輔監督は「非常に残念な首位奪還」
【試合結果・マッチレポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・1部リーグ第12節(延期日程)
何度となく前線への突破を見せた明治大・中村草太(サンフレッチェ広島内定)。だが本人は「ゴールを取れる場所、相手が嫌がる場所には入っていけていなかった」と反省の弁 【©JUFA】
2位の明治大学はこの試合勝てば筑波大学から首位を奪還。得失点差でも大きく上回るため、引き分けでも首位に復帰できる。対する9位の桐蔭横浜大学は自動降格圏との勝点差が1と厳しい状況だ。
どちらにとっても負けられない試合だったが、立ち上がりから積極的にボールを保持し、攻撃を仕掛けたのは桐蔭大だった。しかし桐蔭大も決定機を作るまでは至らず10分過ぎからは明大が反撃を開始。26分、高足善からのパスを受けた中村草太がペナルティーエリアに侵入。早く強いグラウンダーのパスをマイナスに入れると、猛烈な勢いで上がってきた林晴己が右足で合わせる。しかしシュートは桐蔭大GK・西澤翼がブロック。だが弾いたボールを林が倒れ込みながらも押し込んで明大が先制する。しかし桐蔭大もすぐに切り替えて攻撃を展開。6分後の32分には関富貫太、永井大士とつなぎ、パスを受けた落合遥斗が相手DFを背負いながらも左足のシュートを決めて同点に追いつく。
1-1で迎えた後半、明大は稲垣篤志、木内達也を下げて内田陽介と常盤亨太を投入。明大・栗田大輔監督は2人を投入したことで「ミラーゲームにして、1対1に全部勝ってそこで押し込めと伝えた」。風上ということもあり、勢いを取り戻したかのように思えた明大だったが「最後の精度やラストプレーの場所、人の繋がりとか。そういったところの躍動感がない」(同監督)。先週末の試合では3失点を喫している桐蔭大は「簡単に裏を取られてしまった」(桐蔭大・安武亨監督)との反省から3バックからの粘り強い守備で明大の攻撃をブロック。後半は明大が押し込む展開とはなったものの、桐蔭大の守備を破ることはできず1-1で試合終了。ともに勝点1を積み上げるに留まった。
桐蔭大・安武監督は「みんなが体を張って組織的に守ってくれた。前半、左サイドが押し込まれるシーンもあったが、後半はしっかり左サイドが前に出ることができた。いいシーンもあったし、上位チーム相手に勝点1を取れたというのは素晴らしいことだと思う」としながらも「あわよくば勝ちたいと思っていたが、見ている人の中で明治大が非常に強かった、という印象で終わってしまったのが非常に悔しい」との言葉も。順位は9位と変わらないながらも、下位との勝点差を着実に広げた。
一方、得失点差で筑波大を上回り待望の首位奪還を果たした明大だが、栗田監督は「非常に残念な首位奪還」とバッサリ。「今日の目的は首位を取ることと言っていたが、勝点1での首位は想定していなかった。他の大学からしたら贅沢かもしれないが、ひとつひとつのプレーに気持ちが乗っていないし躍動感がない。見ている側に何にも伝わらないゲームだった、という印象が強い」と厳しい言葉が続く。中村草太主将も「今シーズンを振り返ると、大事な試合でことごとく勝てていない。すごく悔いが残る試合」と顔を曇らせた。
首位を奪還したとはいえ、2位・筑波大との勝点はともに32と同数。厳しい展開に主将の中村は「ここから後はひとつも試合を落とすことはできない。筑波大とも一騎打ちになると感じているので、あとはどう自分たちのサッカーをやり続けていけるか。明治が大事にしているサッカー、ベースのところは外さずに、ブラッシュアップして進化していきたい」と前を向いた。
(文・飯嶋玲子)
試合結果と得点者
得点者)【明大】林晴己【桐蔭大】落合遥斗
【©JUFA】
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