【柏レイソル】チームの意思通わせた青空ミーティング「2024Reysol Report Vol.17」

柏レイソル
チーム・協会

【©️KASHIWA REYSOL】

 今回の中断期間中での公開練習で目を引いたのは、選手同士、あるいはコーチングスタッフと選手が全体練習終了後に、グラウンドで入念にコミュニケーションを取っている姿だった。

 試合に勝つために、ピッチに立つ選手全員が意識を共有させることは絶対条件である。もちろんこれまでも、チーム全体のミーティングをはじめ、トレーニングのわずかな合間や、全体練習終了後のジョギング中、あるいはジム内でストレッチをしながら、選手たちは日頃から意思疎通を図ってきた。より理解を深めようと、コミュニケーションの機会を増やすのは非常に良いことである。むしろ、味方選手の意図を理解し切れていない、または求められることを分からないままにしておくことの方が問題だ。

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 特に、前節の東京ヴェルディ戦では、常時試合に出場している古賀太陽と松本健太が欠場した。ピッチの上ではなく、スタンドから試合を見ることで、彼らが改めて感じ取ることは多かった。
「高い要求をし続けることは全員がやるべきです。やれていないなら『ここはやるところだ』『ここは頑張るところだ』、そう隣の選手に声をかけ続けられるか。そこは全員の問題として捉えなければいけない」(古賀)

「どうチームを落ち着かせるか、どう守り切るかは、それを修正するためにピッチ内でコミュニケーションを取ることはもちろんですけど、試合の前段階でもっと擦り合わせをしなければいけない。日々の練習が重要で、前段階でやらなければいけないことをやり切らないと、試合でその成果を挙げられない」(松本)

 チームを束ねるキャプテンと、最後尾に立つGKだからこそ、なおさらその重要性を強く感じたのだろう。
 古賀はさらにこう続ける。
「ずっとピッチに立っているのと上から見るのとでは、やっぱり見え方が全然違いましたし、もう一回やらなければいけないというモチベーションになりました。そこは自分が選手たちに刺激を与えられると思っています。向上心を持ちながら、自分が周りの選手に伝染させられるように発信して、チーム全体で表現したいと思う」

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 チーム戦術の成熟度を高めることや、各選手の技術面の向上は、日々のトレーニングを通じて、地道な積み上げが必要となる。そこに関しては継続して取り組んでいくしか解決方法はない。一方で、選手たちがよく話すのは「言葉だけで解決できる部分もある」ということ。隣の選手に「こうしてほしい」と要求する、「相手がこう来たら、自分はこう動く」と伝える。そのやり取りを行っただけで、防げる失点があるのなら、それを徹底してやるというのは当然だろう。

 大谷秀和コーチが現役時代によく言っていたのが「『多分、分かっているだろう』ではなく、分かっていないと困るから、味方が分かっていると思っていても伝える」ということだった。また、白井永地が「言うからには自分もやらなければいけない」と話すとおり、味方に対する要求と声かけは、自分自身が「やらなければいけない」という責任感の向上をも促す。

 中断期間中の公開練習では、全体練習終了後に井原正巳監督と古賀がじっくりと話をしている姿があった。守備練習終了後には、染谷悠太コーチからディフェンス陣への力説もあった。リーグ戦の再開に向けて、トレーニングと並行しながら“伝える・要求する”ことをチーム全体が徹底してきた。その成果を今節のピッチ上で発揮する。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤

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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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