親子で挑む初めてのパラリンピック | 火ノ玉JAPANインタビュー #1:一戸彩音(BC3)/一戸賢司(ランプオペレーター)

チーム・協会

【©︎日本ボッチャ協会】

いよいよ開幕が迫るパリ2024パラリンピック。ボッチャ日本代表「火ノ玉JAPAN」からは7名の選手(及び2名のランプオペレーター)が出場します。ボッチャ競技の初戦を10日後に控え、本企画ではパリ2024大会に出場する火ノ玉JAPAN各選手のインタビューを通して、選手それぞれのパーソナリティーに迫ります。

初回となる今回は、今大会火ノ玉JAPAN最年少の18歳・一戸彩音選手(BC3/スタイル・エッジ株式会社)。昨年末、ポルトガル・コインブラで開催されたパラリンピック最終予選会では有田正行選手と組んだペアでBC3ペア戦にて準優勝し、パリへの切符を獲得しています。ランプオペレーター(RO)を務めるお父さんの賢司さんとの息もピッタリ!?なインタビューをどうぞ。

中学1年でボッチャを始め、高校2年でパラリンピックを意識

ー 一戸選手がボッチャを始めたきっかけについて教えてください。
私がボッチャを始めたきっかけは学校の部活動でした。私は特別支援学校に通っていましたが、そこで中学校1年生のときにボッチャ部に入部しました。それがボッチャを始めたきっかけです。

ー 中学1年生から始めたと言うことですが、高校生でボッチャ甲子園でかなり活躍されました。ボッチャ甲子園の中ではどんなことを学びましたか?
ボッチャ甲子園で学んだことは、やはりチーム戦でのコミュニケーションの大切さです。どういうときに何が出来て、何が出来ないかというのを把握することを学びました。

ー 中学、高校とボッチャをやってきて、パラリンピックを意識することになったタイミングがあれば教えてください。
パラリンピックを本気で目指したのは、高校2年生だったと思います。高校2年生のときに初めて国際大会(ワールドボッチャカップ・バーレーン大会)に出場して、それでパラリンピックに出場できる可能性があることを知り、そこからパラリンピックに本気で出たいなと思い始めました。

ー 先輩たちがリオ、東京でメダルを獲ってきたのを見ていたと思います。そういうこともパラを目指すモチベーションになったでしょうか?
東京パラは家のテレビでリアルタイムでBC3の決勝の試合などを見ていました。BC3ペア決勝で、前半まで日本は負けていたのですが、最終エンドで同点に追いついたというのを見て、今でも尊敬しているし、凄いなぁって思います。もちろんそういうこともモチベーションになっています。

ー パリに向けて東京からの3年間でターニングポイントになった大会があれば教えてください。
ターニングポイントになったのは、高校2年生で出場した2022年のワールドボッチャカップ・バーレーン大会と第24回日本ボッチャ選手権です。本当にそういうふうに思っていて、バーレーンの国際大会に行っていなければ、多分その後の日本選手権で優勝することは出来ていなかったと思います。本当のターニングポイントはバーレーンでの国際大会だったと思います。

2023年のボッチャ甲子園決勝で狙いを定める一戸選手 【©︎日本ボッチャ協会】

ボックス内で最大限の角度を使ったプレーを見てほしい

ー 一戸選手がファンの皆さんに「自分のこのプレーを見てほしい」というプレーはありますか?
私はBC3というクラスでランプを使ってプレーします。ボッチャは縦2.5m、横1mのボックスを使ってプレーを行います。そのボックスの中で最大限に角度を使っているのを見てほしいなと思います。

ー 多くのアスリートがプレーするときに独自のルーティンを持っていますが、一戸選手にもルーティンはありますか?
私のルーティンは、ルーティンというほどではないと思いますが、試合前、ウォーミングアップの30分以上前に一度車椅子から降りて、身体とかをビシッとするのを基本的なルーティンとしています。

ー それは身体をほぐしたりとかリラックスしたりという意味があるのでしょうか?
私の中では身体を伸ばすというのももちろん、リラックスすることで頭を一回リセットするという意味も込めて、車椅子から降りるようにしています。

国際大会で試合する一戸選手 【©︎日本ボッチャ協会】

一戸選手はどんな人?

ー ここから少しパーソナリティーに迫る質問を伺います。まず趣味について。音楽を聴くとのことですが、いつどんな音楽を聴くのでしょうか?
私は最近のJ-POPだったりを聞いています。J-POPを寝る前とかに聞いています。誰とかはあまり関係なく、歌詞を重視して聞いています。

ー (ROを務める)お父さんはミュージシャンだということですが、その影響もあるんでしょうか?
あるかもしれないですね(笑)。 元々音楽に触れる機会は多かったです。

ー 好きな食べ物について。お寿司と鶏肉が好物だということですが?
お寿司はまぐろの赤身であったり、鯛であったり、さっぱりしているお刺身が結構好きです。鶏肉というのは、シンプルに焼いているものが好きです。パラのご褒美にはお寿司を食べたいですね(笑)。

ー 尊敬する人物は?
本当に考えたんですけど、思いつかないというか、人それぞれ個性があると思うので、1人の人を尊敬するというよりも、全員を尊敬しているという感じです。

ー お父さんを尊敬しているのでは?
はい。たぶん。笑

ー 人生を通して実現したいことは?
本当に目標というか、こうなったら嬉しいなと思うことは、今私はまだ18歳なので、パラリンピックに10大会出場したいと思っています。

ー ずばり、パリでの目標は?
パラリンピックはやはり注目されると思うので、まずボッチャを楽しんで、日本の1人でも多くの人にボッチャを知ってもらい、楽しい競技だと思ってもらえるようなプレーをしたいと思っています。皆さんにもボッチャを是非一度やってみてもらいたいです。

ー 最後に応援してくださっている皆さんに一言メッセージを
皆さんに楽しいと思ってもらえるようなボッチャをやってきます。応援よろしくお願いします。

最終予選にて有田正行選手とのBC3ペアでパラリンピック出場権を獲得 【©︎日本ボッチャ協会】

プロフィール

一戸 彩音(いちのえ・あやね)
生年月日:2006年3月26日
出身地:東京都
クラス:BC3
所属:スタイル・エッジ株式会社
出身校:東京都小平特別支援学校

過去の戦績
【国際大会】
・Bahrain 2022 World Boccia Cup - ベスト8(個人・BC3女子)
・Montreal 2023 World Boccia Cup - 4位(個人・BC3女子)
・Hong Kong 2023 World Boccia Asia-Oceania Regional Championships - 準優勝(個人・BC3女子)
・Coimbra 2024 World Boccia Paralympic Qualification Tournament - 準優勝(BC3ペア)
・Montreal 2024 World Boccia Cup - 優勝(BC3ペア)
【国内大会】
・第6回全国ボッチャ選抜甲子園(2021)- 優勝(チーム)
・第7回全国ボッチャ選抜甲子園(2022)- 3位(チーム)
・第24回日本ボッチャ選手権(2023) - 優勝(個人・BC3女子)
・第8回全国ボッチャ選抜甲子園(2023) - 優勝(チーム)
・第25回日本ボッチャ選手権(2024) - 優勝(個人・BC3女子)

ランプオペレーター
一戸 賢司(いちのえ・けんじ)
生年月日:1967年12月14日
出身地:奈良県
クラス:BC3
所属:スタイル・エッジ株式会社
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著者プロフィール

 日本ボッチャ協会は「一緒があたりまえの社会にする」を合言葉に、日本国内の肢体不自由児者を中心とした障がいのある方の競技力向上と、すべての障がいのある方、及び障害がない方に対しても、広く一般的にボッチャの振興と普及を図りボッチャを通じて障がいの有無関係が無いインクルーシブな社会を実現を目指します。更に、より密接に共生することのできるように様々な活動を通じて社会を創造します。  「パラリンピックにおける金メダルの獲得」。そして「ボッチャを国民的スポーツへ」。それが日本ボッチャ協会が掲げるビジョンです。

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