【マッチレポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・3部リーグ第13節

チーム・協会

【©JUFA】

東京経済大学 2(1-0)0 亜細亜大学 @東京経済大学武蔵村山キャンパスサッカーグラウンド

 落雷のため中止が相次ぎ、これが3週間ぶりの試合となった9位・東京経済大学は同勝点で並ぶ10位・亜細亜大学と対戦。9位と10位の直接対決は、立ち上がりからホームの東経大がペースを掴む展開となった。しかし先手を取ったのは亜大。両チーム無得点のまま迎えた後半の51分、亜大はGKの弾いたボールを大石翔希が蹴り込んでネットを揺らす。対する東経大もすかさず反撃に出る。58分、亜大DFからGKへのパスを東経大・佐瀬祐人が奪取。そのままGKを振り切り、無人のゴールへとシュートを突き刺す。佐瀬はその1分後の59分にも、競り合いからこぼれたボールを拾いゴール右隅へと流し込んで追加点。瞬く間にスコアを2-1とし、東経大が逆転に成功する。その後は東経大が危なげない試合運びで亜大を圧倒し、2-1のまま試合終了。勝った東経大は順位をひとつ上げて8位に。一方、敗れた亜大は自動降格圏の11位に転落する結果となった。

【©東京経済大学体育会サッカー部】

國學院大學 2(1-0)0 専修大学 @國學院大學たまプラーザキャンパスグラウンド

 ここ数試合は足踏み状態ながらも首位をキープしている専修大学と、現在3連勝中と好調な3位・國學院大學の上位対決。だが、今節最注目の上位対決は、思わぬ試合展開となった。前半は専大が主導権を握り、何度となく國學大ゴールに迫る。だが16分、國學大はゴール前に抜け出した内海碧斗が倒されてペナルティーキックを獲得。このチャンスを内海自身が決めて國學大が先制する。國學大は28分にゲームキャプテンの磯丈成が負傷交代するアクシデントに見舞われるものの、専大のゴールを許さず1-0で試合を折り返す。
 後半、再びスコアを動かしたのはまたもや國學大だった。65分に鈴木善が左サイドからペナルティーエリアにカットインしたところを倒され、2度目となるペナルティーキックを獲得。これを麻生哲平が冷静に沈めて2-0に。注目の一戦は、まさかのペナルティーキック2発で勝負が決まる結果となった。2位・東京農業大学が引き分けて勝点1を重ねたため、同勝点だった専大は2位に後退。國學大は順位こそ3位と変わらないものの、首位・東農大に勝点差1と肉薄。未消化試合のない東農大、専大に対して國學大は未消化試合を1試合残しているだけに、この勝利で首位を視野に捉えたといっていいだろう。

【©國學院大學体育連合会蹴球部】

明治学院大学 1(0-1)3 作新学院大学 @明治学院大学横浜キャンパスヘボンフィールド

 勝点2差の5位・明治学院大学と7位・作新学院大学の試合は、開始直後にスコアが動いた。作新大は2分、松本勇斗のマイナスのパスを藤川壮史が受けて強烈なミドルシュートを放つ。ボールはGKの手に当たったものの、勢いのままゴールへ。まさに電光石火の一撃で作新大が先制する。明学大もすぐに反撃に移るが、ゴールを決めきれないまま0-1で前半を終了。
 前半は先制点以外チャンスを作れなかった作新大も、後半に入ると攻撃のギアを上げて明学大ゴールに迫る。すると61分、作新大はスルーパスに抜け出した片山捷真がゴール前で横パス。これを吉沢友万が蹴り込んで追加点を挙げる。作新大はその5分後の66分、中盤で秋元泰喜が相手のパスをインターセプト。そのままドリブルで一気に前線まで持ち上がると、切り替えしてマイナスのパスを入れる。このボールに井出蓮が合わせて3点目。明学大を大きく突き放した。明学大もアディショナルタイムに突入した90+5分にペナルティーキックを獲得し、大谷悠人が沈めて1点を返すが反撃はここまで。1-3で作新大が連勝を収めて5位に浮上。敗れた明学大は6位と順位をひとつ落とす結果になった。

中央学院大学 3(1-0)0 平成国際大学 @中央学院大学つくし野総合グランド

 3連敗は免れたい8位・平成国際大学と自動降格圏に沈む11位・中央学院大学の対戦。試合はホームの中院大がペースを握りながらも攻めあぐね、決めきれない時間帯が続く。しかし前半終了間際の45分、中院大は左サイドからペナルティーエリアに侵入した北村大が倒されてペナルティーキックを獲得。これを北村自身が決めて中院大が先制する。
 平国大は試合の流れを変えるべく、後半の頭から友田佑真を投入。だが中院大は47分、素早いパスワークで攻め上がり北村がシュート。これはGKに防がれるものの、こぼれ球を拾った北村が入れたクロスに上野光永が頭で合わせ追加点。後半開始早々に中院大が2-0とリードを広げた。このゴールで勢いに乗った中院大はその後も試合を優位に進め、61分には栗原大河のスルーパスに抜け出した北村が個人技でシュートを突き刺してダメ押しの3点目。北村が全得点に絡む活躍で、中院大が3-0と完勝。自動降格圏を脱し、10位に順位を上げた。3連敗を喫した平国大は9位に後退となった。

【©中央学院大学体育会サッカー部】

青山学院大学 1(1-0)1 東京農業大学 @相模原ギオンスタジアム

 ともに前節は黒星を喫している2位・東京農業大学と4位・青山学院大学。J3・SC相模原のホームスタジアムで開催されたこの試合は、10分に青学大・井上駿也真が負傷交代になるなど、序盤から青学大がトラブルを抱えることに。それでも「前半は、井上の負傷以外は狙いどおり」と青学大・清水厚監督。18分には左サイドに抜け出した磯村慶人がゴール前まで独走。そのままペナルティーエリア内にカットインすると、相手DFを振り切ってゴール右隅にシュートを流し込んだ。「守備も攻撃のところも相手を(中に)閉めさせて、外から角を狙う」(同監督)という"プラン通り"の展開で青学大が先制点を挙げる。
 しかし、後半に入る東農大も藤井建悟、途中出場の室田賀久がチャンスを演出。「青学大さんが少しずつ出てこられなくなってくるというはわかっていたので、より攻撃的にやっていこうとハーフタイムに修正した」(東農大・児玉宗土監督)。それでもゴールは遠かったが、75分、東農大は長谷川大貴のパスに抜け出した藤井がペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキックを獲得。これを藤井自身が沈めて東農大が1点を返す。その後は両チーム決めきれず1-1でドロー決着となった。
 だが「今日は後半戦に向けて新しい取り組みをした中で、連敗をストップできたことが大きい」(児玉監督)「昇格や優勝を目指すうえでは連敗はあってはならないこと」(清水監督)と、両チームともこの"勝点1"を前向きにとらえている。勝点1を積み上げたことで、東農大は専修大学を上回って首位を奪還。青学大も4位をキープした。東農大は第13節までのすべての試合を消化し、夏季中断期間に突入。一方、青学大は延期試合2試合を残す。延期試合を経て、この"勝点1"がどう影響するのか。「勝点1をプラスに考えるという意味でも、次の試合がすごく大事になる」(清水監督)。

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国際武道大学 1(1-0)2 共栄大学 @国際武道大学サッカー場

 共栄大学が最下位脱出に向けて調子を上げている。落雷による中止試合を挟みながらも、『「アミノバイタル®」カップ』による中断明けからは負けなしで、前節は首位・専修大学に完勝した。対する6位・国際武道大学もここ3試合負けなしで、じりじりと順位を上げてきている。そんな両チームの対戦は、立ち上がりから一進一退の攻防戦を繰り広げながらも38分にホームの国武大が先制。コーナーキックの流れからチャンスを作り、花塚尚生が入れたグラウンダーのクロスを樋口翔大がヒールで流し込んだ。
 だが、後半は1点を追う共栄大が主導権を握る展開に。国武大は防戦一方となり、なかなかシュートまで持ち込むことができない。それでも集中した守りで共栄大のゴールを阻んでいたが、試合も終盤に差し掛かろうというところで再びスコアが動く。78分、共栄大は藤尾真羽人のスルーパスに安倍颯汰が抜け出し、ペナルティーエリア前で大槻聡良にパス。大槻はGKとの一対一を制してシュートを放ち共栄大が同点に追いつく。しかしその後は共栄大も攻めあぐね、ドロー決着かと思われた試合の最終盤に共栄大は山崎颯大がボックス内で倒されてペナルティーキックを獲得。90+1分、このチャンスを藤尾がゴール右隅にきっちりと決めて共栄大が2-1で逆転勝利を収めた。連勝の共栄大は勝点を12に伸ばし、11位・亜細亜大学と同勝点に並んだ。また9位・10位とも勝点差1に肉薄。未消化試合も2試合残しているだけに、共栄大の最下位脱出が現実味を帯びてきた。

【©共栄大学体育会サッカー部】


※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。

(文・飯嶋玲子)

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著者プロフィール

一般財団法人関東大学サッカー連盟は、関東地域における大学サッカーの水準向上と普及、加盟チーム相互の親睦共励、そして広く社会に貢献できる学生を育成することを目的に、1924年に創設されました。主要大会のひとつである『関東大学サッカーリーグ戦』では関東7地域から36大学が参加し、1部~3部のカテゴリーで熱戦を繰り広げています。近年は日本代表にも多くの選手を輩出するなど、通年でレベルの高い試合を展開しています。また主管大会として、大学の日本一を決める『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)などの全国大会も実施しています。

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