【柏レイソル】新加入垣田裕暉がレイソルにもたらす力「2024Reysol Report Vol.14」

柏レイソル
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 前節の名古屋グランパス戦後、パリ五輪に出場するため、U-23日本代表の細谷真大と関根大輝がチームを離れた。二人の不在の影響がないわけではないが、チームには新たなプラス材料がある。それが、この夏の移籍で鹿島アントラーズから加わった垣田裕暉の加入である。187センチの長身で、J1・J2を合わせたリーグ戦での通算得点数55を記録しているストライカーだ。

【©️KASHIWA REYSOL】

 レイソルはクロスの本数が1試合平均15本を超え、リーグ内でも高い数字を誇る。左からはジエゴ、右からは関根と、左右から鋭いクロスが供給されるシーンは多いが、だからといってクロスから多くの得点を挙げているかといえば、決してそうではない。すなわち、チームの強みを活かしきれていないということになる。このチームの強みを活かす存在が新加入の垣田だ。年代別日本代表でチームメートだった古賀太陽に聞けば、「クロスに対しての怖さを見せられる選手」という。
 
 垣田もまた、レイソルのスタイルには良いイメージを描いているようだ。
「レイソルのサッカーは、自分が思っていたとおりのイメージ。クロスがたくさん上がってくるので、それは自分の得意な形の一つ。クロスからの得点というイメージが、ものすごく湧いてくる」(垣田)
 ジエゴとは、徳島ヴォルティス、サガン鳥栖で、ともにプレーした経験があり、過去にもジエゴのクロスから何本も得点を決めた実績がある。「ジエゴはどんどんクロスを上げてくれるので、自分も躊躇なく飛び込んでいける」と、垣田自身がそのイメージを語っていた。

【©️KASHIWA REYSOL】

 FWであるからには、もっとも求められる役割は得点だろう。殊にレイソルは、前半戦は極度の得点力不足に陥り、それが原因で勝ちきれない試合も多かった。ただ、他の選手の話では、垣田が加わることのメリットは得点の部分だけではない。
「彼自身がボールを受けることを嫌がらない。体の使い方も上手いので、多少アバウトなボールを付けても収めてくれますし、タメを作って攻撃のワンクッションになるというイメージがあります。それ以外にも、背後への抜け出しも特長なので、そこもチームとして活かしてあげたいと思います」(白井永地)

 さらに、レイソルのサッカーにおいて生命線となる前線からの守備がある。
「チームのために献身的に走ってくれる選手です。途中から入ってきたとしても、もう一段階守備の強度を上げてくれたり、試合終盤になってもサボらずに顔を出し続けてくれたり、そういうところを90分通してやり続けてくれる」(古賀)
 井原正巳監督も「攻守においてチームに貢献できる選手。高さ、スピード、運動量、得点感覚、全てを兼ね備えている」と大きな期待を寄せる。

【©️KASHIWA REYSOL】

 夏の移籍と聞いて記憶に新しいのが、昨年の夏に加入し、瞬く間にチームの主軸になった犬飼智也だろう。彼の加入は、残留争いの渦中にあるチームに安定感をもたらしただけではなく、チームリーダーとしてピッチ内外の様々な部分において好影響をもたらした。

 垣田も、これから中断期間中のトレーニングを通じて、徐々にレイソルにフィットしていくことになると思うが、彼自身の得点力がレイソルの新たな武器としてチームに備わることに加え、サヴィオ、小屋松知哉といったテクニカルな選手との連携や、木下康介と組むツインタワー、さらにはパリから戻った細谷と2トップを組んだときなど、様々な相乗効果が期待される。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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