【柏レイソル】15連戦を抜けて後半戦への弾みを「2024Reysol Report Vol.12」
中5日
エースFWの細谷真大(左から3人目)は、U-23代表米国遠征にも参加するタフな期間だった 【©️KASHIWA REYSOL】
例えば、日曜日にリーグ戦を戦い、翌週の水曜日にカップ戦を控えていたとする。次の試合に向けて紅白戦や戦術練習など、強度の高いトレーニングを積むとしたら試合の2日前や3日前に行うケースが多い。水曜日のカップ戦の前でいえば、それは日曜日や月曜日になるわけだが、週末にリーグ戦を終えたばかりの選手たちは、その日は疲労回復とコンディション調整に充てられるため、チーム全体で強度の高いトレーニングを積むことができない。それはリーグ戦に向けて準備する場合も同様である。しかもポジションや、ケガ人の状況次第では、リーグ戦とカップ戦の両方に出場しなければならない選手も出てくるだろう。
主将の古賀太陽は、15連戦中で休んだのはカップ戦の3試合のみ。フル回転だった 【©️KASHIWA REYSOL】
ただ、レイソルは井原監督がシーズンのスタートから指揮を執るのは今季が初めてであり、今年はビルドアップや攻撃面といった新たな部分へのチャレンジを試みたシーズンでもある。シーズンを戦いながらチーム戦術の上積みを図り、なおかつ同時並行でプロ2、3年目という多くの若手選手を育ててチーム力の底上げを見据えていたチームにとっては、事前に連戦が分かっていたことであっても、極めて難しい2カ月間になったことだろう。
その状況で迎えた、今回の中5日の準備期間である。
「連戦が続いていて、チーム全体でなかなか準備できずに、コンディション調整や確認だけで終わることが多かった。その中で中5日あったことで体も休めたし、トレーニングでは足りないことをチーム全体で共有して、そこができるようなトレーニングを積んできました」(山田雄士)
途中、負傷離脱があった山田雄士。その分をこの夏場で取り返したい 【©️KASHIWA REYSOL】
いずれは連戦をモノともしないタフを身に付けなければならない。殊に、選手が「ACLに出たい」と言うのであれば、海外への移動とアジア各国の強豪と対戦では、想像以上のタフさが要求される。戦術面においても、連戦の中で崩れない完成度と成熟度が求められるが、今のレイソルはまだ発展途上のチーム。だからこそ、今回の中5日の準備期間を大切にして、これまで着手できなかった課題をどこまで修正できているか。今節は、そこが見どころとなる。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
5/12東京戦では月間ベストゴールを決めた犬飼智也。現在負傷中で復帰が待たれる 【©️KASHIWA REYSOL】
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