【柏レイソル】15連戦を抜けて後半戦への弾みを「2024Reysol Report Vol.12」

柏レイソル
チーム・協会

中5日

 前節のガンバ大阪戦から、今節のサンフレッチェ広島戦までには、中5日のインターバルがあった。4月24日、YBCルヴァンカップのザスパ群馬戦から2カ月、その間に戦った15試合を振り返ると、試合間隔は第12節の鹿島アントラーズ戦から第13節のFC東京戦までの中4日が最長であり、それ以外は中2日、中3日というタイトな連戦を強いられてきた。

エースFWの細谷真大(左から3人目)は、U-23代表米国遠征にも参加するタフな期間だった 【©️KASHIWA REYSOL】

 今季からJ1が2チーム増えたことによる試合数の増加や、7月にオリンピックが開催されるため、日程が凝縮されたというやむを得ない事情があるにせよ、連戦が2カ月間も続くという状況は、過去に例を見ない。ルヴァンカップや天皇杯では井原正巳監督が状態の良い選手を起用し、メンバーを入れ替えながらマネジメントをしていたとはいえ、中2日、中3日の連戦は、選手のフィジカル面での疲労を蓄積させていくだけではなく、チーム全体による次節への準備期間が限られてしまう事態が発生する。

 例えば、日曜日にリーグ戦を戦い、翌週の水曜日にカップ戦を控えていたとする。次の試合に向けて紅白戦や戦術練習など、強度の高いトレーニングを積むとしたら試合の2日前や3日前に行うケースが多い。水曜日のカップ戦の前でいえば、それは日曜日や月曜日になるわけだが、週末にリーグ戦を終えたばかりの選手たちは、その日は疲労回復とコンディション調整に充てられるため、チーム全体で強度の高いトレーニングを積むことができない。それはリーグ戦に向けて準備する場合も同様である。しかもポジションや、ケガ人の状況次第では、リーグ戦とカップ戦の両方に出場しなければならない選手も出てくるだろう。

主将の古賀太陽は、15連戦中で休んだのはカップ戦の3試合のみ。フル回転だった 【©️KASHIWA REYSOL】

 連戦はどのチームもほぼ同じ条件であり、このタイトな日程の中でも結果を残せるチームが本当に強いチームということになる。レイソルの選手たちも、結果が出ない原因を連戦のせいにはしていない。
 ただ、レイソルは井原監督がシーズンのスタートから指揮を執るのは今季が初めてであり、今年はビルドアップや攻撃面といった新たな部分へのチャレンジを試みたシーズンでもある。シーズンを戦いながらチーム戦術の上積みを図り、なおかつ同時並行でプロ2、3年目という多くの若手選手を育ててチーム力の底上げを見据えていたチームにとっては、事前に連戦が分かっていたことであっても、極めて難しい2カ月間になったことだろう。

 その状況で迎えた、今回の中5日の準備期間である。
「連戦が続いていて、チーム全体でなかなか準備できずに、コンディション調整や確認だけで終わることが多かった。その中で中5日あったことで体も休めたし、トレーニングでは足りないことをチーム全体で共有して、そこができるようなトレーニングを積んできました」(山田雄士)

途中、負傷離脱があった山田雄士。その分をこの夏場で取り返したい 【©️KASHIWA REYSOL】

 そして、今節のサンフレッチェ広島戦を終えれば、来週もまた中3日の連戦が待ち受けている。
 いずれは連戦をモノともしないタフを身に付けなければならない。殊に、選手が「ACLに出たい」と言うのであれば、海外への移動とアジア各国の強豪と対戦では、想像以上のタフさが要求される。戦術面においても、連戦の中で崩れない完成度と成熟度が求められるが、今のレイソルはまだ発展途上のチーム。だからこそ、今回の中5日の準備期間を大切にして、これまで着手できなかった課題をどこまで修正できているか。今節は、そこが見どころとなる。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤

5/12東京戦では月間ベストゴールを決めた犬飼智也。現在負傷中で復帰が待たれる 【©️KASHIWA REYSOL】

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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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