【柏レイソル】"柏から世界へ"細谷・関根・小久保が五輪予選で活躍「2024Reysol Report Vol.7」

柏レイソル
チーム・協会

五輪予選から帰国直後に柏市内の小学校を訪問。1000人の児童から熱烈な歓迎を受けた 【©️KASHIWA REYSOL】

 U-23日本代表の二人、細谷真大と関根大輝が、「アジアチャンピオン」と「パリ五輪出場権」を手土産に凱旋帰国を果たした。
 この大会で一気に脚光を浴びたのが関根だ。レイソルでは開幕からスタメンに定着し、好パフォーマンスを見せていたとあって、我々にとってはU-23日本代表における関根の活躍には取り立てて驚きはなかったのだが、つい半年前まで大学リーグを主戦場にしていた関根の登場は、多くのサッカーファンに大きな衝撃を与えた。また、関根自身もJリーグのプロのステージだけでなく、代表で新たにチームメートとなった選手たちから刺激と影響を受け、彼が加入以降ずっと「課題」と言い続けてきたクロス精度には、顕著な変化が見られていた。
 レイソルアカデミー出身で、現在はポルトガルのベンフィカに所属する小久保玲央ブライアンから、関根が大会MVPに推されるのも納得の活躍だった。

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関根は大学4年でのプロ入りから、Jデビュー、代表活躍と一気に階段を登っている 【©️KASHIWA REYSOL】

 細谷に関しては、今季はレイソルでリーグ戦無得点と苦しい状況が続いていた。何事においても物怖じせず、良い意味でふてぶてしい性格の細谷でも、さすがにレイソルと代表でも長らく続いた無得点には、相当苦しんだことだろう。それでも、準々決勝のカタール戦、パリ五輪出場の懸かった準決勝イラク戦で決勝ゴールを決めてしまうあたりはさすがである。

 サッカーでは、しばらく続いた無得点状態から、1点を取ったことを機に多くの得点が生まれることをケチャップに準えて「ケチャドバ」という表現が用いられる。現地カタールでAFC U23アジアカップを取材していた知人のメディアからは「ケチャップの蓋を開けて、細谷選手をレイソルに返します」という冗談を言われたのだが、ここからはレイソルでの得点ラッシュに期待が懸かる。

細谷は今季ノーゴールの鬱憤を、五輪予選での大一番での連続ゴールで晴らした 【©️KASHIWA REYSOL】

 そして、先ほど名前を挙げた小久保玲央ブライアンの活躍も忘れてはならない。彼は、レイソルアカデミーでは山田雄士と同期のGKである。大会を通じてハイパフォーマンスを披露したばかりでなく、ウズベキスタンとの決勝戦では、試合終了間際にPKを食い止めるスーパーセーブでチームを救った。今や彼の活躍には、A代表待望論が持ち上がっている。現在はレイソルを離れて海外でプレーしており、「柏から世界へ」を体現する選手の一人として、ブライアンの今後の活躍にもぜひ注目してほしい。

柏レイソルU-18時代のGK小久保。先輩の中村航輔を後を追うようにポルトガルでプレー中 【©️KASHIWA REYSOL】

 細谷と関根は5月4日の深夜に帰国し、翌日の鹿島アントラーズ戦ではスタンドからの観戦になったが、前節のFC東京戦からリーグ戦への復帰を果たした。
「チーム全員が優勝するという目標を立てていました。パリ五輪出場が最低目標だったので、優勝して帰ってこられたことは、セキ(関根)も含めて良い経験になりました。代表の期間で点を取れたので、良い感覚のまま早いうちにリーグ戦でも取りたい」(細谷)
「自分にとってすごく良い大会になった。今回のアジアカップではクロスの質や攻撃参加の質では成長して帰ってこられたと思うので、そういう部分はレイソルでも出せると思います」(関根)

 アジアでの厳しい戦いを勝ち上がり、チャンピオンになって帰ってきた彼らは、大会を通じて多くのものを得たことだろう。この先はパリ五輪本大会が控えており、そこへのメンバー入りに向けた競争も始まる。彼らの代表活動はまだまだ続くが、ひとまず二人とも「レイソルで結果を残す」とリーグ戦の戦いに視線を切り替えた。スケールアップした二人が、ここからレイソルをいかにして勝利に導くか、楽しみである。

少し停滞中のレイソルを再び浮上させる活躍を期待されている 【©️KASHIWA REYSOL】

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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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