早大野球部【連載】春季リーグ戦直前特集『HERO』 第10回 吉納翼副将

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 沼澤泰平

第10回には吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)が登場。2年春からスタメンに定着し、昨秋の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では自身初のベストナインを受賞。今季から副将に就任し、背番号1を背負う吉納副将にとって最後となる春季リーグ戦にかける思いに迫る。

「結果にこだわった中でしっかりと結果が出た」

ーー浦添キャンプについて伺います。浦添でのキャンプ全体を振り返っていかがですか

(キャンプ中の)試合を通して良くも悪くもいろいろな課題が見つかったという部分では、今その課題をシーズンが近づくにつれて、一つ一つ練習でも試合でもつぶせていけているという印象です。試合は全部勝てなかったですが、そこまで下を向く必要もない内容で、それぞれが課題をしっかり課題を理解していたと思うので、いいキャンプになったと思います。

ーーキャンプで吉納選手自身が強化してきた部分はありますか

 特別何かこれをというのはあまり意識していなかったです。自分が中心選手になるのは間違いないと思うので、だからこそ例えば打撃だけが良ければいいというわけではなく、守備や走塁面でもずば抜けないといけないです。そういう意味で全部をしっかり鍛え上げられたと思います。

ーー「結果にこだわる」とキャンプでのインタビューでおっしゃっていましたが、今振り返っていかがですか

 そこは今も本当にこだわっている部分です。練習をどれだけ試合のつもりでやるかというのに懸かっていて、練習でやったものが試合で結果として出ると思っているので。もうあと(リーグ戦まで)2週間くらいなので、ここからは結果だけではなく、自分としての形を完成形に持っていくことが大事だと考えています。

ーーキャンプでの収穫と課題はありましたか

 収穫で言えば、結果にこだわった中でしっかりと結果が出たことです。思うような打撃ができないときもありましたが、さほど調子の波も激しくなく、アウトになったときの打ち取られ方もあまり悩み込むようなものではなかったです。そういう面では、こう捉えていたらヒットになったな、というようにうまく考えながらやっていたらもっといい結果になったと思うので、そこが課題です。

ーーオフシーズンで成長したと感じるところはありますか

 新チームから副将になり今までとは違い、ただ野球をやるだけではなくしっかりチームを観察しながら練習し、それから試合に入り込めるようになったのではないかと思います。

「自分が追い求めている打球やスイングができている」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーーオープン戦について伺います。ここまでのオープン戦のチームの戦いぶりはいかがですか

 沖縄では勝てませんでしたが、東京に戻ってからは相手にリードされた中でも追いついて負けなかったというところはチームとして自信にしていいと思います。投手陣も本当に頑張っていて、後半戦になるにつれて野手もいい攻撃ができていて、どの打順からでも点を取れるという印象です。ただ、勝てる試合で勝ち切れなかったという部分もあるので、そこはまだ課題があります。やはり僕と4番の印出(太一主将、スポ4=愛知・中京大中京)が2人で一緒に打って引っ張っていかないといけないと感じています。

ーー野手陣全体の打撃に関してはいかがですか

 勝っている試合では僕と印出、それから前田(健伸、商3=大阪桐蔭)のクリーンアップが打っていますし、逆に引き分けた試合ではチャンスで上位打線の僕たちが打てていなかったと、本当に顕著に出ていると感じています。しかし、毎打席打てるわけでもないですし、誰かが打てなかった分を他がカバーするという点では今年は本当によくできていると思います。

ー吉納選手自身の打撃の内容はいかがですか

 リーグ戦に近づくにつれて、本当に自分が追い求めている打球やスイングができているという状態です。本塁打はまだ出ていませんが、センターから逆方向への打球が増えてきているので、あまり気にしなくていいのかなと思います。

ーー今回のオープン戦から3番を任されていますが、ここまでいかがですか

 初回で必ず回ってくる打順なので、オープン戦の期間で一巡目でなかなか点が取れなかったのは自分の課題でもあると思います。自分が上位にいることで相手にどれだけプレッシャーをかけられるかというのが、試合を重ねるにつれて大事になってくるので、それこそ結果にこだわっていきたいです。

ーー3番という打順には、どのような役割を期待されていると考えていますか

 やはりチャンスで回ってくるので、初回に1点を取れるか取れないかというのは自分にかかっています。そういう意味で、打線を上位から下位に持っていく中で一番重要な打順だと感じています。

ーー昨年までは主に5番を打っていましたが、打席に立つ際の意識やアプローチの変化はありますか

 状況に応じてもちろんいろいろな考えは持っていますが、基本はやはり自分の打撃をするというところであまり変えているつもりはありません。なのでいつも通りという感じですね。

ーー今週は社会人の強豪チームとの試合も複数ありますが、どのような試合にしたいですか

 投手としても野手としても、自分たちがどうリーグ戦で戦っていくかという最終確認だと感じています。リーグ戦まで残り少ない試合ですが、強い社会人のチームとやることでどれだけ自分が良いパフォーマンスを出せるかというところに懸かっているので、本当に大事な試合になると思います。

「早稲田のファンに結果で恩返しをしたい」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーーリーグ戦開幕まで2週間を切りましたが、現在のチームの雰囲気はいかがですか

 とてもいいと思います。

ーー日程も発表されていますが、対戦スケジュールをご覧になって何か感じたことはありましたか

 とにかくどんな相手が来ても自分たちが目標としている日本一を達成するためには負けてはいけない試合なので、来た相手にただ勝つだけですね。

ーー最高学年として挑むリーグ戦になりますが、そこに関しては

 これまで先輩がいろいろな重圧を背負って思うような結果を出せなかったという姿を見ています。実際にプレッシャーを感じることもありますが、早稲田でやっている以上、その状況をしっかり楽しんで最高のパフォーマンスを出せるように、あと数日を大事にしていきたいです。

ーーリーグ戦で吉納選手の注目してもらいたいポイントはありますか

 チャンスでの一打と、全てにおいてのはつらつとしたプレーを見ていただきたいです。

ーー吉納選手が期待している早稲田の選手はいますか

 投手で言えば、やはり3年生から早稲田のエースナンバーを背負うことになっている伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)です。大学野球のキャリアを積んできた中で、樹も実力を問われる年になってきていると思うので、その中でしっかり結果を出してほしいです。野手で言えばまだレフトが確約されていないのが現状です。石郷岡(大成、社3=東京・早実)が出るのか、寺尾(拳聖、人2=長野・佐久長聖)が出るのか分かりませんが、それぞれ本当にいいものを持っていて、どちらが出ても僕はやってくれると思っているので、この二人に期待しています。

ーーリーグ戦での目標を教えてください

 チームとしては天皇杯を奪還して日本一になることです。これを目標にやってきた3年間がもう終わってしまったので、本当に死に物狂いで掴み取りたいという気持ちです。個人としてはやはりもう一度ベストナインを受賞して、それから三冠王を取りたいと思います。

ーー最後にリーグ戦に向けて意気込みをお願いします

 春のリーグ戦で言えば今回が最後になります。ある程度、どの大学がどういう戦いをしてくるかというのも分かっている上でしっかりと自分がベストパフォーマンスを出すだけです。自分がしっかり活躍して、これまで応援してくださっている早稲田のファンに結果で恩返しをしたいと思います。

ーーありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆吉納翼(よしのう・つばさ)
2002(平14)年8月16日生まれ。180センチ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部4年。今回のリーグ戦から3番を打つことが予想される吉納選手。初回から必ず回ってくる吉納選手の打席に目が離せません!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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