【スキー】正念場を迎えた日本チーム、加藤と小山の奮起に期待!!アルペンスキーW杯男子回転第7戦
【スキー】正念場を迎えた日本チーム、加藤と小山の奮起に期待!!アルペンスキーW杯男子回転第7戦
「SNOW JAPAN」日本チームは、53番スタートで加藤聖五選手(野沢温泉SC)、64番で小山陽平選手(ベネフィット・ワンSC)が出場しましたが、加藤51位、小山47位で2回目に進めませんでした。
加藤聖五はSL前日のGSで日本人選手最高位タイの20位。W杯GSの順位獲得は佐々木明選手以来、20年ぶりの快挙でした 【写真/Shinichiro Tanka】
そして、加藤はシュラトミング後、オーストリアチームと合同で高速系種目スーパーGの練習を行い、その後FISレースに2戦出場、10位と7位という成績を残して、昨年12月に出場したFISレースSGのポイントと合わせて、ランキングも大幅にジャンプアップさせていて、今後はヨーロッパカップSG出場も視野に入れています。
「日本人が最も苦手とする種目、世界レベルからかけ離されている種目」と言われ続けてきたGSで、「そんなことはない、日本人でもW杯GSで通用するんだ」ということを示してくれただけでなく、「SGはスキーをたわませるポジションや動きの学習ができ、GSにもつながると考えています」(河野恭介チーフコーチ)と、GSを中心に据えながら、SLだけでなく、近い将来SGまで3種目でW杯出場、順位獲得を目論む加藤聖五の戦い方は、SLに特化しがちな日本の選手育成にも一石を投じ、「W杯SLの表彰台中央に立つという日本アルペンスキー界の悲願」という「固定概念」をもひっくり返してみせたと言えます。
(ちなみに今季ここまで高速系スーパーG、技術系GSとSLの3種目でW杯ポイントを獲得している選手は、マルコ・シュバーツ、ロイック・メイラッド、リバー・ラダムスの3人のみです)
「快挙」翌日のSLでは1回目51位で2回目に進めなかった加藤聖五 【写真/Shinichiro Tanaka】
SGのレース後、久々にSLの練習を行った加藤ですが、「ウェンゲンの時と同水準のパフォーマンスを保てていて、彼の(スキー)感覚の良さを改めて感じています」と河野恭介チーフコーチは自信をのぞかせています。
雨の中のレースで、1回目47位で2回目に進めなかった小山陽平 【写真/Shinichiro Tanaka】
痛みがある中、3日後のシュラトミングは強行出場しましたが、雨の降りしきる中でのレースでコース状況も悪く、1回目47位で2回目に進めませんでした。
負傷した右足首はまだ癒えず、練習量(滑る本数)を制限しながらも「クオリティの高い滑りはできています」と河野恭介チーフコーチは悲観していません。
「痛み止めを飲んでの出場になりますが、奮起を期待しています」。(河野恭介チーフコーチ)
小山陽平は、ここまでの6戦は35位、39位、途中棄権(3レース連続)、47位と結果を残せていません。
現在、W杯スターティングリストは出場資格圏外の61位、加藤聖五は63位で、もしシャモニSLで加藤、小山ともに順位を獲得できなければ、翌週のブルガリア、バンスコW杯でのSL出場枠は国枠の1のみとなってしまいます。ここにきて、小山陽平と日本チームは正念場を迎えたと言ってもいいでしょう。
シャモニは高温による影響で2、3両日に予定されていた滑降が中止となり、日曜日のSLのみの開催となりました。気温が高いことが予想されますが、加藤聖五、小山陽平の両選手にぜひ、ご期待ください。日本時間午後5時30分スタートです。
文:田中慎一郎
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