【アルペンスキー】FIS W杯女子スラローム第3戦、安藤麻と前田知沙樹が挑む!
【アルペンスキー】FIS W杯女子スラローム第3戦、安藤麻と前田知沙樹が挑む!
初戦はペトラ・ブルフォバ(スロバキア)が他を圧倒する滑りで勝利し、同一のコースで行われた2戦目もペトラが圧勝するかと思われましたが、2回目のコース中盤でポールをまたいで途中棄権し、ミカエラ・シフリン(アメリカ)にW杯通算89勝目が転がり込みました。
2戦とも47番スタートだった安藤麻、苦手とするレビ攻略はなりませんでした 【写真/Giovanni Auletta】
ウイーンで合流した日本チームはロンドン、ヒースロー空港経由で空路約10時間、アメリカ東海岸ボストン入り、そこからレンタカーで160マイル(257.5km)走って21日にキリントンに到着しました。
長距離の大陸間移動で時差ボケが残る工藤昌巳チーフコーチでしたが、レビの結果に対して、
「安藤麻はもう少しのところでした。(第1戦、2本目進出まで0.21秒)練習の滑りのパフォーマンスをレースで十分発揮できていないのでそこが課題です。前田知沙樹も2回目に進む意欲を強く持って臨みました。(遅いスタート順で)コースも荒れていることはなかったですが、実力を出しきれませんでした。力をつけていくには継続が大切で、前田に関しては本格的にW杯をまわる初めてのシーズンなので、継続することでどれだけ自信をつけてくれるか期待したいです」
と、早急に結果を求めず、じっくり取り組む姿勢を示してくれました。
23日から3日間、キリントンのトレーニングコースで練習を積み、日曜日のSL第3戦に備えています。
レビの第1戦、2回目進出まで0.21秒の1回目35位、第2戦は44位で終えた安藤麻は、
「レビはコース前半の緩斜面でスピードに乗れず、急斜面に入ってからも、途中で順手になってみたりしてバラバラな安定感ない滑りになってしまいました。(滑りのリズムが大きく変わる)トリッキーなポールセッティングにも戸惑いはありませんでしたが、初日の急斜面の入り口で『あらー!』と思うくらい身体が浮いてしまい、いい感覚で滑れませんでした。」
キリントンは過去に18位と自身2番目の好成績を残しているコースですが、
「(レビと違い)キリントンに苦手意識は全くないので、急斜面に入るまではフルアタックしてスピードに負けないように攻めきりたいと思います」と話す安藤麻、レビの練習後にはオーロラを見て楽しみ、リラックスした時間も過ごせたそうです。
少人数のメンバーで練習とレースと移動の繰り返しの生活の中で、
「心に栄養を与えて元気にリフレッシュして」キリントンの第3戦に臨みます。
2戦目コース前半の中間計時では14位のタイムを記録した前田知沙樹、そのポテンシャルの開花が期待されます 【写真/Giovanni Auletta】
「第1戦は少しかたくなってしまい、もう少し思いっきり行きたかったです。2戦目は第2
中間計時で全体14位のタイムを出せて、W杯では初めての経験でそこは収穫でした。次のステップへ、大きな失敗をすることなく、タイミング良くターンをこなしスタートからゴールまでそれをつなげることが課題です」。
とし、時差の調整も普段より気を使う大陸間の移動も伴うW杯選手の生活環境については
「W杯のいい雰囲気の中にいられることに価値があると思います」
と充実感を語ります。
移動途中のウイーンでは宮殿やクリスマスマーケットの散策をしてリフレッシュし、北米に移動してきた前田知沙樹、過去に出場経験のあるキリントンのW杯で、自身初の2回目進出に期待です。
アメリカ、キリントンは東海岸ボストンから北西へ車で3時間の距離にあります。
W杯初開催は2016年11月と比較的新しい会場ですが、そこからW杯年間スケジュールにレギュラーとして定着し、今年で7回目の開催となります。
日本選手は過去、初開催の2016年に長谷川絵美選手がジャイアントスラロームで26位、
2019年に安藤麻がSL18位という成績を残しています。
SL第1、2戦で他を圧倒する滑りを見せたペトラ・ブルフォバが北米でもその強さを継続するのか、自国アメリカに「戻った」、過去キリントン6戦中5勝のミカエラ・シフリンが巻き返すのか、安藤麻、前田知沙樹両選手の2本目進出と合わせて注目の女子SL第3戦は、日本時間27日午前0時にスタートです。
文:田中慎一郎
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