今日の推しメン#001「僕は子どもが大好き。彼らの記憶に残るラグビー選手に」 金秀隆

チーム・協会

写真:せきねみき 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

クボタスピアーズ船橋・東京ベイの選手やスタッフを“思わず推したくなる”エピソードについて紹介する連載インタビュー「今日の推しメン」がスタートしました! 記念すべき初回は、金秀隆(きむ・すりゅん)選手が登場。彼が大切にしているのは「子どもたちとのふれあい」だと言います。その理由とは――。

1人でも多くの子どもがラグビーを続けるきっかけをつくりたい

金秀隆選手が母校である朝鮮大学校をはじめ、各地の朝鮮学校に足を運んでいる話は、かねて耳にしていた筆者。お会いして聞いてみると、想像以上の回答が返ってきました。「時間を見つけては、しょっちゅう顔を出してラグビーを教えています。仙台には1週間ホテルを押さえて行ったり、日帰りで行ける東京でも3日連続で行ったり。ふと思い立って行くことも多いですね。ラグビー部のコーチには事前に伝えますが、部員にはサプライズのことが多いので驚かれます」
その行動の背景には、朝鮮大学校ラグビー部の部員数が年々減り、15人揃うかギリギリの状況にあることも影響していると話す金選手。「1人でも多くの子どもがラグビーを続けるきっかけになればいいなと思っています。母校の朝鮮大学校ラグビー部を守っていきたいという思いが強いです」

昨シーズン3位の横浜キヤノンイーグルスとのプレシーズンマッチ初戦、金秀隆選手はスターティングメンバーとしてプレー 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

今年6月、北区・十条台にある東京朝鮮中高級学校で開催された「第1回高麗ラグビーフェスティバル」にも金選手の姿がありました。中高生のラグビー部員向けに木田晴斗選手、押川敦治選手とともにラグビークリニックを行っていました。
筆者の夫が所属する社会人ラグビーチームが同フェスティバルに参加したご縁で、私と2人の息子はアフターマッチファンクションから合流させてもらうことに。七輪で焼く本場の焼肉に舌鼓を打っていると、ラグビー大好きな小2の長男が金選手と楽しそうにパスをしている姿が目に入りました。帰り際に一緒に写真まで撮ってもらった長男は大興奮。「パスの仕方を習って、ほめてもらえたことが自信になった!」と目をキラキラさせながら熱く語っていました。
このエピソードを金選手に伝えたところ、「小さな頃のことって、鮮明に覚えていませんか。僕は子どもが大好き。プロラグビー選手として一人ひとりと向き合うことで、彼らの記憶に残ってもらえたらと願っています」と優しい表情で話してくれました。

小学生にタグラグビーを教える金秀隆選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

9月9日、息子たちを連れて訪れたのは、東京・丸の内で行われたイベント「まるっと!スピアーズ」。ラグビー体験に参加した長男は、3カ月ぶりに再会した金選手から「十条で君と一緒にパスしたことを覚えているよ」と声をかけてもらい、ものすごく感動していました。自分の存在をプロの選手が覚えていてくれたという事実は、長男にとってかけがえのない宝物となったのです。
「子どもたちが一生懸命プレーする姿を見るのも大好き。全国高校ラグビーや大学ラグビーはもちろん、時間が許せば中学生の全国大会“太陽生命カップ”もチェックします。将来活躍しそうな選手を発掘するのが楽しくてたまらないんです」と、子どもとラグビーを心底愛している金選手。

「今シーズンはスピアーズの2連覇がかかっています。昨シーズン試合出場が少なかった自分としても、頑張りどころだと感じています。長所のランだけでなくディフェンスにも磨きをかけているので、オレンジアーミーのみなさんに成長した姿を届けたいです」。ひたむきに努力し続ける金選手を、これからも家族一丸となって応援します!

【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】

取材・文:せきねみき(ライター・コラムニスト)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

〈クボタスピアーズ船橋・東京ベイについて〉 1978年創部。1990年、クボタ創業100周年を機にカンパニースポーツと定め、千葉県船橋市のクボタ京葉工場内にグランドとクラブハウスを整備。2003年、ジャパンラグビートップリーグ発足時からトップリーグの常連として戦ってきた。 「Proud Billboard」のビジョンの元、強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの「誇りの広告塔」となるべくチーム強化を図っている。NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23では、創部以来初の決勝に進出。激戦の末に勝利し、優勝という結果でシーズンを終えた。 また、チーム強化だけでなく、SDGsの推進やラグビーを通じた普及・育成活動などといった社会貢献活動を積極的に推進している。スピアーズではファンのことを「共にオレンジを着て戦う仲間」という意図から「オレンジアーミー」と呼んでいる。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント