【ラグビー/NTTリーグワン】いつなんどきも揺るがぬ「やったる」精神で、 完全復活のトライを決める<クボタスピアーズ船橋・東京ベイ>
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 金選手 【©JRLO】
3月11日に行われた静岡ブルーレヴズ戦。そのメンバー表の23番に、『金秀隆』の名はあった。昨年5月のプレーオフトーナメント以来、じつに約10カ月ぶりの公式戦出場。前節、「雨のえどりく決戦」にもリザーブメンバーとしてピッチイン。2021年の新人王が、戦いの場に帰ってきた。
「試合に出ていないと、いろいろな人にいろいろなことを言われることもありますが、そういったことは気にせずに、焦らずやっていこうと思っていました。僕は、逆境が好きなんです」
その原体験は学生時代にさかのぼる。大阪朝鮮高校ラグビー部では2年時に“花園”のベスト8に進出。卒業後は、強豪大学からの誘いもあった中、進んだのは関東2部リーグの朝鮮大学。いまも有する「やったる」精神が、ここで磨かれた。
「大阪朝鮮高校、東京朝鮮高校、愛知朝鮮高校のラグビー部のメンバーがみんな朝鮮大学にきたら、間違いなく1部リーグの上位に行けます。その先駆者に僕がなりたいと思ったんです。また、朝鮮大学は関東2部リーグの最下位でしたが、それを変えてやろうという気持ちもありました。そうした『下の状況』を経験しているので、いまそういう立場になっても、『もう1回やったろう』、『絶対に見返したろう』という気持ちになれます」
2020年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに入団。当時は無名の存在だったものの、翌2021年のシーズン開幕戦で公式戦デビューを果たすや、ジャパンラグビー トップリーグ全10試合にフル出場。同年の新人賞を受賞する。その大きな武器である変幻自在なステップには、中学時代のある経験が生かされていた。
「僕は格闘技も好きで、中学のときに総合格闘技道場のボクシングクラスに通っていたんです。そこで身につけた間合いの感覚が、(ラグビーのステップに)生かされていると感じます。いまもたまに(大阪に)帰ったときに、感覚を取り戻すために同級生のボクサーに教えてもらっています」
ポジションは、2021年はフルバック、2年目はウイングも経験。しかし今季、公式戦のメンバー表からその名が忽然と消えた。これもまた、未来を戦い抜く上で必要な時間だったと金は考える。
「ポジションとしてやらなくてはいけないことが増えてきて、そういう部分の対応というか、全般的なスキルのレベルアップに時間がかかった感じです。試合に出られるようになったら(この期間に養ったものを)思いっきり表現してやろうと思っていました」
その間、ウイングでは今季は木田晴斗が頭角を現し、昨季は根塚洸雅が新人賞、ベストフィフティーン、ベストラインブレイカーを獲得。この二人の台頭が、金の「やったる」精神をさらにかき立てた。
「あの二人は、シンプルにすごいと思います。でも、僕も負けず嫌いなので、切磋琢磨して、僕もガンガンと自分の良さを出してやろうという気持ちは持っていました。後輩からの突き上げ? 僕はそれが楽しいんです。そういう状況自体が、僕の活力になっています」
今節、大阪・花園ラグビー場ではコベルコ神戸スティーラーズと相まみえる。ひさびさとなる地元での試合。帰ってきた新人王の完全復活まで、あとわずか。
「とにかく楽しみです。自分を一番いい状態に持っていって、試合を楽しみたいです。また、トライも取りたいです! 試合の流れもありますが、トライにもこだわっていきたいです」
(藤本かずまさ)
「試合に出ていないと、いろいろな人にいろいろなことを言われることもありますが、そういったことは気にせずに、焦らずやっていこうと思っていました。僕は、逆境が好きなんです」
その原体験は学生時代にさかのぼる。大阪朝鮮高校ラグビー部では2年時に“花園”のベスト8に進出。卒業後は、強豪大学からの誘いもあった中、進んだのは関東2部リーグの朝鮮大学。いまも有する「やったる」精神が、ここで磨かれた。
「大阪朝鮮高校、東京朝鮮高校、愛知朝鮮高校のラグビー部のメンバーがみんな朝鮮大学にきたら、間違いなく1部リーグの上位に行けます。その先駆者に僕がなりたいと思ったんです。また、朝鮮大学は関東2部リーグの最下位でしたが、それを変えてやろうという気持ちもありました。そうした『下の状況』を経験しているので、いまそういう立場になっても、『もう1回やったろう』、『絶対に見返したろう』という気持ちになれます」
2020年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに入団。当時は無名の存在だったものの、翌2021年のシーズン開幕戦で公式戦デビューを果たすや、ジャパンラグビー トップリーグ全10試合にフル出場。同年の新人賞を受賞する。その大きな武器である変幻自在なステップには、中学時代のある経験が生かされていた。
「僕は格闘技も好きで、中学のときに総合格闘技道場のボクシングクラスに通っていたんです。そこで身につけた間合いの感覚が、(ラグビーのステップに)生かされていると感じます。いまもたまに(大阪に)帰ったときに、感覚を取り戻すために同級生のボクサーに教えてもらっています」
ポジションは、2021年はフルバック、2年目はウイングも経験。しかし今季、公式戦のメンバー表からその名が忽然と消えた。これもまた、未来を戦い抜く上で必要な時間だったと金は考える。
「ポジションとしてやらなくてはいけないことが増えてきて、そういう部分の対応というか、全般的なスキルのレベルアップに時間がかかった感じです。試合に出られるようになったら(この期間に養ったものを)思いっきり表現してやろうと思っていました」
その間、ウイングでは今季は木田晴斗が頭角を現し、昨季は根塚洸雅が新人賞、ベストフィフティーン、ベストラインブレイカーを獲得。この二人の台頭が、金の「やったる」精神をさらにかき立てた。
「あの二人は、シンプルにすごいと思います。でも、僕も負けず嫌いなので、切磋琢磨して、僕もガンガンと自分の良さを出してやろうという気持ちは持っていました。後輩からの突き上げ? 僕はそれが楽しいんです。そういう状況自体が、僕の活力になっています」
今節、大阪・花園ラグビー場ではコベルコ神戸スティーラーズと相まみえる。ひさびさとなる地元での試合。帰ってきた新人王の完全復活まで、あとわずか。
「とにかく楽しみです。自分を一番いい状態に持っていって、試合を楽しみたいです。また、トライも取りたいです! 試合の流れもありますが、トライにもこだわっていきたいです」
(藤本かずまさ)
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