子育て中の親御さんに絶対みてほしい。中島大嘉選手と話してたら、子育てで大事なことに気付けた話【ガールズライター まる】

名古屋グランパス
チーム・協会
男女問わず、サッカーをやっているお子さんって、多いですよね。サッカーを一生懸命頑張る子どもの姿や笑顔って、親の活力になりますよね?

ただ、ママは女性なので、特に男の子の気持ちや行動が理解できなくて、関わり方に悩む事ってありませんか?私も小学3年生と5才のサッカー少年のママ。2人とも、どちらかといえばやんちゃな性格で、いつも怒ってばかり。

まだまだ21才と若くて、幼少時代の記憶も鮮明にあるだろう、中島選手に聞いてみた。
中島選手とお話して、自分の中でモヤモヤしていたことが、スッキリしたので、感じたことをお話したいと思います。

【ⒸN.G.E. 】

◇今までで、一番嬉しかったことや印象深い思い出は?

(中島選手)その時、その時で思い出はいっぱいある。中学生の時に、不登校で学校も行ってない、サッカーもやってない時期があった。そういう時に、お母さんが、しっかり支えてくれた。外食もしない家なので、毎日御飯を作ってくれて、洗濯掃除などの家事をやってくれて。自分がこの年まで生きてこられたのは、間違いなくお母さんのおかげ。人として尊敬してるし、こういう大人になりたいと思う。
これからは、お世話になった分、たくさん親孝行をして、試合で活躍して、自分がお母さんを幸せに、笑顔にする番だと思ってる。こういう親への感謝の気持ちは、親元を離れたり、成人したら皆、分かると思う。近くにいたら「うるさいな」と、思う時もあるかもしれないけど、離れて過ごしたら、自分で生きていくことの、苦労が分かる。

世間からみた中島選手は、ユーモアがあって、明るい印象だが、中学1年生の途中から、うつ病になり、学校もサッカーも行けていない時期があった。辛い時期を支えてくれた、お母さんに対して、インタビュー中に、何度も感謝の気持ちが伝わってきた。

正直、子育てと家庭、そのうえ仕事の両立は大変だなと感じる事がたくさんある。
小学校の夏休みや冬休み、家の人の大変さが分かるように、お手伝いの課題があるけど、最初は「大変だね」「お風呂洗ってくるよ」と、子どもから言われることがあっても、時間が経つと忘れて、進んでお手伝いをしてくれることもないし、感謝もされない。でも、いつかはありがたさが分かる時が、くるのかなと思うと頑張ろうと思った。

そして、思い出は、特別どこに行ったとかじゃなくても、毎日のささいな日常が、思い出に変わるんだなと感じた。改めて家族との毎日の時間を大切にしようと思った。

お手伝いカード写真 【ⒸN.G.E. 】

◇家で毎日注意していることを中島選手から話題にしてきた!

(中島選手)男子達は、テーブルに肘をついてご飯を食べるし、靴を揃えない。自分が靴を揃えてると周りの大人が「偉いな」って言ってくれるから男子はみんなやってない。やらないのが、普通なのかな。幼少期に「肘をついて食べない」とか「靴を揃えなさい」って、言われた記憶はないけど、本当に小さい頃に言われててそれが当たり前だと思って過ごしていた。

家で私が、子ども達に毎日言っていることを、中島選手から話題にしてきてくれて、驚いた。出来ないのは、うちの子だけじゃなくて、男子ってそんな感じなんだと思うと、少し気が楽になった。
インタビュー後、息子に「中島選手は、靴をちゃんと揃えてるって言ってたよ」と伝えた次の日に、玄関に入ってビックリ、靴が揃えてあった!しかし、それも続かず、数日後には靴が、脱ぎ散らかしてある。これからも、うるさくならない程度に伝え続けて、中島選手のように、当たり前に行動できるといいなと思った。

◇たくさん苦労してきたからこそ、聞いてみたい。小学生、中学生、高校生に戻った時に自分に伝えたいこと

苦労もたくさんあった幼少期。そんな中島選手に、これから大人になっていく、子ども達の参考に、過去の自分に伝えたいことを聞いてみた。
(中島選手)サッカー選手を引退したら、学校の先生や子ども達に関わる仕事をやってみたい。
大人達が、プレッシャーをかけたり、こうあるべきだと子ども達を抑え込んで、個性が潰れてしまったり、型にはまらない子達がドロップアウトして学校に行けなかったり、非行に走ってしまう子が多いと思う。自分が教育できる立場になったら、本当にしんどかったら無理しなくていいし、心が壊れてしまったら、そこから立ち直るのには、凄く時間がかかることを、自分が経験して分かった。毎日楽しく、自分を好きで生きていけるような環境を周りは作るべきだと思う。そして、子ども達本人は、周りに助けを求められる、助けを求めても良いんだと思ってほしい。毎日楽しく生きることが、人生の中で大切だし、その人の人生はその人が主人公。
誰かに気を遣って、自分が辛い思いをするなら、少し自己中に生きてもいいんじゃないかなと思う。まとめたら何を言っていいか、分からないけど。

中島選手の言葉には、21才とは思えないくらいの説得力があって、「保護者向けに講演会とかしてほしい」と、思わず伝えてしまうほど。うつ病を乗り越え、たくさん苦労してきたからこそ、1つ1つの言葉が、凄く心に響いた。
きっと、苦労はいつか子ども達に伝わって、尊敬に変わってくれるのかなと思うと、これからは、苦労もどんと構えられる気がしてきた。そして、子どもには、それぞれ個々の性格があるから、周りと比べるんじゃなくて、その子の良い所や個性を生かして、毎日を楽しく過ごせるようなサポートが、大切だということ。
助けて欲しい時に「助けてほしい」と言える、SOSを出せるような、環境を作っていくことが大切だと、子育てをするうえで、私が一番大切にしたいベースが決まった。

【ⒸN.G.E. 】

※子どものサッカーについてインタビューしたら、ママのお悩み相談室みたいになりました笑※

◇息子がコーチの話を聞かない姿に、とても心配

私は、サッカーの事は何も分からないので、子どものサッカーに関しては、口出ししないようにしている。しかし、息子がコーチの話を聞かずに、下を向いて砂をいじったり、他事を考えている姿をみて、練習後に「話はちゃんと聞きなさい」と、つい口うるさく言ってしまう。中島選手は、小学1年生の頃からサッカーを始めて、色々な記事を読んで、素敵なお母さんだなと感じたので、親御さんがどう関わってくれたのか聞いてみた。
(中島選手)基本的に何も言ってこなかった。下に弟2人と妹1人がいるので、お母さんが試合に来ることは、ほとんどなかった。たまに来て欲しいなと思っていたけど、親が必死になってプレッシャーになるよりは、少し距離をとるじゃないけど、ほったらかすくらいが、ちょうど良かった。その方が、純粋にサッカーを楽しむことが出来た。周りの親御さんが、必死になっている姿をみてきたから、気持ちも分かるけど、子ども達は自分達で、好き勝手にサッカーに取り組むと思う。小さい頃は、話を聞いてるなと思わせるパフォーマンスでいいんじゃないかな。子どもが楽しくサッカーを出来る環境を、周りの大人達が作るのが、一番大事。

「パフォーマンスで良いんじゃないかな」と、思いもよらない返答に、思わず笑ってしまったけど、ちゃんと理由があって、話を聞くうちに深く納得した。一番大事なのは、子どもが楽しくサッカーに取り組むこと。今日の練習楽しかったなと思っていても、私が最後に怒ることで、楽しさを下げてしまってはいけないなと感じた。息子のために“人の話を聞く力”をつけてほしい、という想いで伝えてきたけど‘’子どもは自分達で好き勝手にやる‘’という言葉を聞いて、一生懸命にならなくても、そのうち勝手に気付いてくれるのかなと感じ、肩の荷がおりた気がした。

中島選手にも宣言したけど、これからは褒めて、褒めて、いっぱい褒めて、サッカーを楽しませてあげようと決意した。

◇1日を通しての試合の時に、何をもたせよう問題

1日を通してサッカーがある日は、軽食を持参しなきゃいけない。消化の悪い物は運動によくなさそうだし、「何を持っていく?」と、ママ達の間で話題に。
中島選手のご自宅は、外食はほとんどせずに、オーガニックが好きなお母さんが、無農薬の野菜とかで毎日しっかりご飯を作ってくれる程。そんな中島選手に幼少時代の食事について実際に聞いてみた。
(中島選手)お母さんは、料理は派手じゃないし、張り切ってというタイプでもない。軽食はおにぎりだったかな。プロの公式戦とは全く違うから、常日頃の食事をしっかり摂っていれば、そんなに気にしなくていいんじゃないかな。

◇試合の日や大事な日に、気合を入れるために食べていた物はあるか

小学3年生の長男は、小学2年生の頃に、試合の日にバナナがないことに、怒った日があった。たまたま前回の試合で、バナナを食べたら調子が良かったからかもしれないけど「今回は、バナナがないから調子が出なかったんだ」とバナナのせいにするほど。それから試合の日は、バナナを準備している。そして、こだわる割には、少食なのも悩み。中島選手にも、気合が入る食べ物があったか聞いてみた。
(中島選手)幼少時代、試合の前日も当日も毎日の日常と変わらない食事。昔から朝食からしっかり摂っていたけど、朝は納豆ご飯、卵かけご飯、味噌汁、ヨーグルトとか、特別な物は食べていない。とにかくたくさん食べればいいみたいなのは、少し古い考え方なのかなと。大事だとは思うけど、必要最低限摂っていたら、無理して食べなくていいんじゃないかな。テンションを上げるために、決まって食べる物はなかった。小中学の時に、カロリーメイト的な物が入っているのに気付いて、これ初めてみる味だなとか嬉しかったのは覚えている。
話を聞いて、長男は昔から少食なので、「運動する日はエネルギーがないと身体が動かせない」と思い、食べられそうな物や食べたい物を聞いて出していた。返ってそれがプレッシャーだったのかもしれない。自分も中学生の頃に、栄養補助食品をみつけると、今日は何味かなって楽しみにしていたのを思い出した。今は、昔に比べて色々な味が出ているから、こっそり入れてみようと思った。

【ⒸN.G.E. 】

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著者プロフィール

名古屋市・豊田市・みよし市を中心とする愛知県全域をホームタウンとする、日本プロサッカーリーグに加盟するプロサッカークラブ。

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