“世界”は視野にある。 北海道コンサドーレ札幌 MF 金子 拓郎

日本大学SPORTS
チーム・協会

北海道コンサドーレ札幌 金子 拓郎 【日本大学】

2023年シーズンのJ1リーグで今、「JリーグNo.1ドリブラー」として注目を集める金子拓郎選手(2020年法学部卒)。
切れ味鋭いドリブルで敵陣を切り裂き、チャンスメイクとゴールを重ねるなど、攻守に献身的なプレーを見せるその姿に、「このままずっと札幌にいてほしい」と願うファンも多い。
プロ4年目を迎え、主軸としてチームの躍進を支える金子選手が見つめる現在と未来とは。

(2023年5月取材)

成長し続けるために高い意識を持ってプレーしている。

─ プロで3シーズンを戦い、自分で成長を感じる点は?

大学の時はどちらかというと止まってボールを受けて、そこから動き出すというシーンが多かったのですが、札幌に入って経験を積んだことで、動き出しの部分だったりの質というところが一番上がったかなと思います。


─ 自信を持てたプレーや試合は?

これと言うプレーはないのですが、1年目に途中出場していた時から、自分のストロングポイントであるドリブルや突破力はJ1でも通用するなと感じていましたし、そこからスタメンに定着して試合に出続けられたことで、プロでやっていけるという自信が持てました。目標としても、1年目はスタメンを獲ることでしたが、それを達成して2年目からは出ているだけじゃダメで、結果を残さなきゃいけないと、気持ちの部分も変わりました。

2023年シーズンは開幕から好調で、リーグ戦全試合でスタメン、8得点4アシストと獅子奮迅の働きでチームを牽引している。左足得点数7、1試合平均クロス数4.5は共にリーグ1位。(記録は6月17日時点) 【共同通信社】

─ 現在の定位置である右ウイングバックをやるように言われた時は?

試合に出られるならポジションはどこでもいいと考えていたので、特に思うことはありませんでした。札幌のウイングバックに求められるのは突破することなので、やるからには自分の特長である突破力を見せなきゃいけないと思っていました。


─ プレーにおいてのこだわりは?

攻守での上下動が激しくてスプリントも多いポジションですが、個人で相手の選手を上回らないとチームの勝利にもつながらないので、走ることと何もないところからでも自分が一枚剥がしてチャンスを作るっていうことは、常にやっていかなきゃいけないと思っています。それが自分に与えられた仕事だと考えています。


─ これまでの経験の中で、プロの世界で生きて行く厳しさをどう感じましたか?

Jリーグに入って3年半ぐらいですが、1勝することの重みというのはとても身にしみて感じましたし、1つのゴールや1つのアシストを成功させるのがどれだけ大変かということが本当にわかりました。だから、日々成長していかないと、いつ通用しなくなるかわからない。もっともっと成長するために、今の自分に満足することなく取り組んでいます。

ボール回しの練習中にも、積極的に指示を出す金子選手。「チーム全員が、自分が中心のつもりで、下の代でも思っていることはどんどん言いますし、チーム内が非常に良い関係でやれていると思います」 【日本大学】

─ 大切にしている言葉などは?

加入したばかりの頃に、伸二さん(小野伸二選手)に「調子いい時こそ、もっと反省してやらないといけない」って言われ、「あぁ、そうだな」ってすごく思いました。今は個人的にもチーム的にも調子いいですが、おごることなく常に足元を見ながら、チーム全体で意識を高く持ってやっていかなきゃいけないなと思っています。


─ 最近、何か反省したことは?

1試合終えるたびに映像で自分のプレーを見返して、ここでこうすれば良かったとか、ここはこれでOKだなぁって、いろいろ考えます。試合ごとに、良かった点と悪かった点、反省すべきところを自分の中で分析できているので、それを活かして次の試合で良い方向にもっていければと考えています。


─ 2年目から背番号が「9」になりました

契約更改の時にクラブの方から「9番、どうだ」って言われて、「僕でいいならば」ってことで付けました。コンサドーレの歴史の中で名だたる選手たちが「9」を背負って、結果も残してきた人ばかりなので、そういう番号を背負うってことは少し意識をしました。けれども、それで自分のプレースタイルが変わるわけではないので、自分らしい9番像を築いていければいいかなって。

「今年は気迫がすごい、試合に負けた時もすごい気持ちが出ていて、それを見ると次こそやってくれると期待してしまう」とサポーターの心もつかんでいる金子選手。「タイトルをいっしょに獲りたい」と願う声も多く聞かれた。 【日本大学】

勝利につながるプレーでサポーターを喜ばせたい。

─ 昨年はケガもあり苦しい1年でしたが?

膝を2回やってしまって欠場しましたが、その期間は本当に試合に出たいと思っていました。チームもなかなか勝てない時期になっていたので、自分がピッチの中でチームに貢献できないというもどかしさがありましたね。復帰してからもコンディションを上げるのが難しくて、自分でもとても苦労したなと思うシーズンでした。


─ 今シーズンは好調で、得点もアシストもリーグの上位にいます

ゴールを決めた時の喜びが大きいのはもちろんですが、自分のところからチャンスを作っていくことが求められていると思うので、アシストでゴールにつながる結果を出せた時というのはまた格別な喜びがあります。チームの勝利に結びつくことなので、どちらもさらに増やしていきたいですね。

ペトロヴィッチ監督からは「相手とのマッチアップでは、拓郎のところは必ず上回らなきゃいけない」と常に言われている。「言われた通り、絶対負けないよう頑張っています」 【日本大学】

─ Jリーグが「No.1ドリブラー」と題して金子選手のドリブル集動画を作っていました

ああいう特集をやっていただけるくらい注目してもらえるのは本当にありがたいことです。取り上げられたからこそ、自分の特長をもっとどんどん出していかなきゃいけないと思っています。


─ サポーターの方が「金子選手がボールを持つとワクワクする」と言っていました

自分のプレースタイル的にも、ドリブルしたり相手を突破するシーンなどで、サポーターの皆さんを楽しませることができているのならすごくうれしいことですし、励みになります。そこからしっかり得点につなげて、もっとサポーターの皆さんを喜ばせ、勝利を届けられるように頑張っていきたいです。


─ オンとオフの切り替えはどのように?

僕は結構、オンとオフははっきりしているほうだと思いますし、すぐに切り替えられるんです。試合の直前までリラックスしながら過ごしていて、アップを始めてからちゃんとスイッチを入れてっていう感じです。試合が近づいてきたら相手チームの試合やプレーの動画を見たりして臨みますが、週の半ばまではほぼ何もしませんね(笑)。


─ 大学時代の思い出は?

良い思い出はやはり、3年生の時に関東大学リーグ昇格決定戦をPK戦で勝って、都1部リーグから関東2部リーグに昇格できたこと。逆に苦しかったのは、都リーグに落ちた時ですね。降格と昇格を繰り返していましたが、落ちた時は本当にショックで「プロが遠のいてしまった」という焦りもありました。


─ 大学時代の4年間で得たことが今に生きていることはありますか?

やはりフィジカル面での強さです。プロ1年目から相手に当たり負けしていないと感じていましたが、大学のトレーニング施設で筋トレをほぼ毎日のようにやっていたので、そこで体の土台ができたんだと思います。寮と同じ場所にサッカー場とトレーニング施設が揃った素晴らしい環境の中で、サボらずにやってきて良かったなと。もう1つは、大学では自分で考えてやらなきゃいけないことも多いですし、高校生の時より自由な時間が増えた中で、自分に何が足りないか、何をすべきかを考えながら自主練や筋トレをやるというところも、自身の成長につながったと思います。1年生の頃から川津(博一)監督に、自分で考えて行動する“自主性”ということをずっと言われてきましたから。コーチの方々にもとてもお世話になりましたが、僕はけっこう反抗するタイプだったのでよくケンカもしましたし、たぶん扱いづらかったんだろうと…(笑)。それも今はいい思い出ですね。


─ 今の日大サッカー部についてはどう見ていますか?

(母校の)前橋育英高から日大に入る選手が増えていますね。双子の熊倉(弘貴、弘達)君とかもレギュラーで点を獲っているし。今は関東大学リーグ1部で2位(取材時)ですよね。僕たちがいた頃より全然強くなっていると思いますし、上手い選手、強い選手が揃っているという印象です。ただ、朝のランニングは後輩たちもいっぱいやってほしいですね。僕らもいっぱい走っていたので、そこはコーチの方々に伝えてほしいです(笑)。

日本代表、そして世界へ。 あきらめずにチャレンジしていく。

海外リーグはプレミアリーグが好きだという金子選手。 「展開が早いので見ていてとても楽しい。そういうスタイルの中で自分もプレーできたら面白そうだなって思います」 【日本大学】

─ 昨年のW杯を見て感じたことは?

サッカー選手をやっている限り、めざすべき舞台だと思いますし、僕も本気でめざしてやっています。今まで戦ってきた選手や大学からプロに入った同世代の選手たちが何人も、あの舞台で戦っているのを見ると刺激になりますし、自分も絶対に出てやるぞっていう気持ちになります。


─ 先日、森保監督の視察がありましたが?

代表監督が見に来て意識をしない選手はいないと思うんですが(笑)、まずはチームの勝利が一番ですから、意識しすぎずに、いつも通りに自分の特長を出して、全力でプレーすることを心がけて試合に臨みました。


─ これから先のキャリアや夢についてはどう考えていますか?

選手として、さらにレベルアップしていかなきゃいけないと思いますし、その上で日本代表入りだったり、海外に挑戦できる機会がくればいいなと。それを実現するためには、やっぱりコンサドーレでもっともっと結果を残し続けて、チームの順位をもっと上に、自分が行かせなきゃいけないと思っているので、そこは意識してやっています。


─ 一昨年、移籍の話があった際、サポーターが残留を願う横断幕を掲げました

自分のために、あんな大きな横断幕を準備してくれたというのは、すごくありがたいことですし、サポーターからの愛といいますか、そういうのをすごく感じました。札幌に残る決断を後押ししてくれたと思っています。


─ 今では「世界に羽ばたく金子選手を見たい」という声も聞かれます

そう言ってもらえるとうれしいですし、サポーターの方から愛されているなって思います。もちろん、将来は海外リーグへの挑戦を考えていますが、今は自分の力をチームに還元しながら、自分の評価を上げるために結果を残し続けていけるよう頑張っていきます。


─ ありがとうございました


北海道から世界へ。金子選手のめざす未来が、コンサドーレサポーターたちの誇りになる日が、きっとやって来る。

  【日本大学】

  【日本大学】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント