【2023松本山雅】vs讃岐 H(6/17) レビュー

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【【2023松本山雅】vs讃岐 H(6/17) レビュー】

【これはnoteに投稿されたいぬねこさんによる記事です。】

・讃岐戦

結果は100点、ただし内容はどうだったか。
勝ちを得ることと理想のサッカーをやりきることのバランスの難しさを感じさせる試合だった。
もちろん、前節よりも試合運び自体は良かったのだが、これをよしとしてはいけない。
そのためにはしっかりと振り返る必要がある。

・構造はどうだったか

まず、保持のアプローチを確認したい。
保持はあまり前節と変わらず。
前節よりもはっきりしていたのはSBの上がるタイミング。
というのもビルドアップでなかなか広がることが出来ず、SBが最初の段階から高い位置をとる事が出来ない状態になってしまっていたためである。この点はビルドアップ能力で評価されている側の野々村がここ最近ベンチ外になるほどチーム内で優先順位が変わっている事情がある。

解決策としてはここ数試合多く見せているサイドチェンジ。

【いぬねこ】

そのタイミングで大外にアイソレート気味に残ったSBが上がり、逆サイドへ展開することで、SBが深い位置でボールを持ち、効率的にハーフスペースを狙うのがここ数試合上手くいっているやり方だ。

では、なぜ優先順位が変わっているのか。
その答えは非保持のシチュエーションにある。

・非保持にある答えとは

非保持ではここ数試合ミドルプレスを採用。
今節の讃岐はそこまで複雑な可変をしてきてはおらず、シンプル。
ただし、最近の対山雅の攻略の糸口のひとつとなりかけている(というか基本だが)、ボランチの脇でSHを困らせる立ち位置をとって前進を図ってきていた。

【いぬねこ】

そして、ミドルプレスを採用する理由は相手にあるのではなく、自分たちにある。
ミドルプレスを採用しはじめたのは鹿児島戦。
その前後で変わったことは色々あるのだが、ハイプレスをかけて中盤を剥がされてしまう苦しい展開をしていた鹿児島戦までの時期と、安東の離脱を受けた後の時期。
鹿児島戦で安東ができるタスクの特異性、かつ必要性を認識した上で、ハイプレス戦術を一時的に取りやめた可能性が高い。
そうなった時にCBがより厳密なラインコントロールと、落ち着いた状態から飛んでくるロングボールに対して対処する必要があるため、橋内が起用されている。(次点が篠原なのも経験的な要素が強く出る状況であることからだろう)

失点数を押えて複数得点を取りに行くというそのバランスの中、現状を踏まえてのチョイスがこうなっているということだ。

この点、前節の結論でもあるが、これを良しとしてはならない。
できるようになるか、バランスを調整しながら徐々に慣らしていくか、はたまた補強するのか。

この解決が今シーズンの積み上げの鍵を握っているだろう。

・前節よりは何とかなった後半

タイトルの通り前節よりは何とかなった。
ただ、基本的には後半は相手のペースであった。

なぜこうなるのか。

後半リードしているため、若干シチュエーションに合わせた対応をしている可能性はあるが、根本的にはビルドアップで探る展開があまりない。もちろんジリ貧になることも多いし、広い範囲をカバー出来るボランチが居ないことで、後ろで持つ展開を避けていると言える。
サイドチェンジに頼っているのもそれが理由だ。

そして、奪った時には出来るだけ逆サイドに展開することで落ち着かせようとしているが、どうしても後半は運動量が落ちて深い位置から展開する必要がある。
それがあまりボールを持つことが出来ず耐える時間が多くなってしまう理由だ。
小松の得点の直前のように押し込んで探る時間が増えると良いのだが、そこまでひっくり返すまでに労力がかかるのと、そもそもひっくり返すことなく保持できた方が楽なのだ。

現状としては苦しいけれども現実的にできることから理想に近づける作業をしている段階。

実現するための必要なピースとしての成長が、各ポジションに期待されている状態だ。

・では、いつまで続けるのか

この状態でシーズン終了まで走る可能性は少ないのではないかと考えている。
というのも、実現可能なピースが育つこと自体への楽観視ではなく、キーとなっている要素が現時点で限られていて可視化されているという現状があるからだ。

この点わかっていて指をくわえて眺めるようなことはしないはず。
もちろん新戦力の獲得事態は相手があることなので思い通りに行く訳では無いし、そもそも安東というピースで実現可能なのだから、復帰後に安東の起用時間という要素を含めたマネジメントで行うのではないだろうか。

ともすれば、一旦現時点ではプランBの形が理想系と大きな差が出ないようにしつつ、今後のために仕込み続けるしかないというのが現在地点だ。

その中で、ひと試合ひと試合に少しづつ改善の要素が見られる点が救い。

この現状をプラスに捉えて進んでいきたい。
もちろんこれが良い訳で無いということを常に念頭に置きながら。

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