【Xリーグ】パールボウル特集:富士通戦勝利で興奮のノジマ相模原ライズ城ケ滝一朗指揮官と、対照的に冷静なLB田中喜貴が語る熱きチーム愛 「泥臭いライズが好き」
準決勝の富士通フロンティアーズ戦で3つのFGを成功させたノジマ相模原新人K竹内空(40) 【X LEAGUE】
「うれしいです。良かったです。興奮状態であまり覚えていないです」と試合後も感情が高ぶっていたのは城ケ滝一朗ヘッドコーチ(HC)。チーム全体でフィールドゴール3本を外すミスもあったが、「ディフェンスが頑張りました。オフェンスも取れるところでヤードを稼いでキックにつなげているところもあった。(決勝フィールドゴールを選択したゴール前残り1ヤードの場面では)フォースダウンギャンブルをしても良かったのですが、しっかりと3点を取って勝ちにつながったので、キックの重要性を痛感しました」と攻守の頑張りを称えた。
6年ぶりの対富士通の勝利に沸くノジマ相模原サイドライン 【X LEAGUE】
城ケ滝HCは、「ターンオーバーを取って勝つことは一番大きい。ディフェンスがしっかりとランプレーを止めた。パスはいかれてもいいからランをしっかり止めようと今回のゲームプランでずっと言っていて、そこができた」と予定通りに試合を運べたことにしてやったりだった。
ノジマ相模原ライズ城ケ滝一朗ヘッドコーチ 【X LEAGUE】
富士通オフェンスの反撃を自らのインターセプトで断ち切り、勝利を確実なものにしたLB田中喜貴(中央) 【X LEAGUE】
殊勲の田中は、「たまたま同じシチュエーションでコールが入っていた。あそこは僕の役割ではないが、完全にクオーターバック(QB)が見ていたのでそっちに寄った。(富士通の)QB(濱口真行)は若い子で、その時点で僕たちは有利に進められたことが大きかった」と振り返った。
昨秋王者からの金星に興奮冷めやらない城ケ滝HCとは対照的に、冷静に俯瞰するLB田中。それでも、守備の要も指揮官に負けず劣らず熱いハートを持っている。
「城(城ヶ滝HC)さんがチームに吹き込んでくれた魂みたいなものが良い方向に向かっている。こういうチームで勝ちたいと思ってライズに入った。気持ちいい。(ライズは)うまくはないけど泥臭い。そんなライズが好きなので、それを絶やさず後輩にも伝えていきたい」。
田中が伝えるノジマ相模原のソウルは、脈々と後輩にも受け継がれているようにも思える。決勝フィールドゴールを決めた竹内の他にも1年目のランニングバック(RB)吉澤祥、2年目のワイドレシーバー(WR)田窪大渡らが活躍し、指揮官も「大黒柱だったWR八木雄平が抜けた後も、こういった選手が埋めてくれるとうれしいです」と若手の台頭に目を細めた。
次はオービックシーガルズとの決勝戦。ファイナルへ進むのが初めてのノジマ相模原は、勝てばもちろん初優勝だ。城ケ滝HCは、「春なのでオービックに絞ってやっていくというより、自分たちの力をつけるためにタフな練習をしていきたいと思います。ウエイトトレーニングもやらせますし、しっかり走りこみます。選手を鼓舞して、強くしていきたいと思います」と話し、主にファンダメンタルを強化して大一番に準備する構えだ。
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