千葉Jおじさんブースターがレギュラーシーズンを総括『勝っても負けてもこのチームが好き』【B MY HERO!】

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天皇杯に続いて、東地区優勝を果たした千葉J 【(C)B.LEAGUE】

 こんにちは、B MY HERO!特派員、千葉ジェッツブースターおじさんのJIROです。

「またお前かよ!?」と言われそうな3度目ですが、今回もどうやら千葉ジェッツのことを書いて良いというお許しをいただきましたので、これまで同様に“熱く”“赤く”綴らせていただきます。ほんの少しお付き合いください。

レギュラーシーズン

 これを書いている段階では、まだレギュラーシーズンを2試合残しています。

 アルバルク東京さんに見事2連勝を飾り、残りの2試合次第ではBリーグの歴代最高勝率を上回ります。選手たちもそこを目指しているという事を、コート上から僕らに伝えてくれています。シーズン中には24連勝という新記録を作り、数カ月負けない強い千葉ジェッツがそこにありました。

 正直言って、誰がこの成績を予想したでしょうか?

 ご存じの通り、ジェッツは今シーズンからガラリとコーチ陣が入れ替わり、一部メンバーも退団、再建とまでは言わないまでも若手が多く在籍するロスターに変わりました。

 さらにシーズン序盤から中盤にかけて大倉颯太選手や二上耀選手、ラシード・ファラーズ選手が大きなケガで離脱。ブースターも多少の負けは覚悟していました。

 しかし選手たちはそうじゃなかった。

 チーム全体のディフェンスは試合を重ねるごとに進化し、オフェンスで打開しようとせずディフェンス強度を上げ、流れを作り、たとえビハインドゲームでも諦めず全力でカムバックし、勝利を掴む姿を何度も見せてくれました。

新体制の中、ハードなディフェンスが千葉Jの武器となった 【(C)B.LEAGUE】

 常にMVPクラスのパフォーマンスを続ける富樫勇樹選手はディフェンスもオフェンスもリーグトップクラスであることを見せつけ、千葉ジェッツブースターだけでなく、相手チームのファンも魅了します。

 毎試合富樫選手を観られるジェッツブースターは贅沢です。

 今年のベストディフェンダー賞筆頭、『日本のマーカス・スマート』原修太選手はエースキラーとして相手キーマンとマッチアップし抑え、インサイドアウトサイドどこからでも得点を重ねています。

 さらにはドライブから重力で引き付けアシストも鋭く味方の得点を演出します。

 この二人が、今シーズン何度もチームを救ってくれました。

富樫、原の両選手が幾度となくチームを救った 【(C)yukiusamgr】

 クリストファー・スミス選手はベンチスタートでも、得点でチームナンバーワンのアベレージを記録しています。高い打点から虹を描きスリーポイントの雨を降らせ、風のように強く早くリムへアタックし火のようなダンクも見せてくれます。

 ジョン・ムーニー選手はゴール下の岩のようにどっしりと、ペイントゾーンの番人として君臨し、リバウンドをもぎ取り、相手にポジションを取らせず、シュートを弾き、チームに流れをもたらします。

 ヴィック・ロー選手はコートのどこでもスキルを発揮する、何でもありのアーバンな存在。

 リバウンドにも積極的に飛び込み、外から射抜いたと思えば、バックドアでいつの間にか高層階からリムに叩き込んで会場を沸かせます。若手にも時に厳しく声をかけて鼓舞する姿はまさにキャプテンです。

 ギャビン・エドワーズ選手は、自然溢れる森のように大きく(先日まで頭が森のようになっていましたが…)、コートでバランスをとり、このチームの輪の歯車を潤滑にする、なくてはならない存在となっています。

 ベテランの西村文男選手は花を咲かせるようにわずか数分で得点を重ねファンを魅了、荒尾岳選手が大地のように泥臭い仕事でもしっかりこなし、穏やかに笑顔でチームを支えます。

ゴール下を制圧したムーニーとエドワーズ 【(C)a1202-hiro】

 佐藤卓磨選手は根を張るようなディフェンスを武器に数字に残らない仕事でも当たり前のようにこなし、全力でコートを駆け回ります。

 その姿は小川麻斗選手のディフェンスマインドにも影響を与えています。ディフェンスからターンオーバーを誘発させ“麻斗コール”をこだまさせます。

 フレッシュマンの米山ジャバ偉生選手、高橋克実選手にも伝わり、彼らも少ないプレータイムでもチャレンジしています。

 さらに金近選手の入団は周囲を驚かせ、今シーズンは出場できないものの、来シーズンへの期待が高まっています。

ディフェンスでも存在感を示した佐藤と小川 【(C)a1202-hiro】

 この全員が、迷いながらも、我慢し、認め合い、進化し、自信を確信に変え、助け合い、チームメイトを信じて、挑戦し、“Play hard”の言葉のもと、全試合40分間戦い続け掴んだ勝利の数が、次のステージへの大きなアドバンテージになります。

天皇杯優勝

 決して順風満帆な戦いではなかった。

 そう思うほど天皇杯の戦いは苦しそうに見えたのは僕だけではないと思います。

 初戦は釧路への旅路でトラブルが発生し、試合当日朝に到着し、越谷アルファーズさんのご配慮でゲームが成立しました。

 レギュラーシーズンと並行して行われるハードスケジュールで、とても険しくOTにもつれ込む試合もあるなど、楽な展開はひとつもなかったと思います。

 それでも『返リ咲ケ』を合言葉に4年ぶりの頂点を目指し、声出し応援が解禁となった会場でブースターも声を届け続け、共に戦う楽しさを思いだし体感しました。

 不思議と『負けないジェッツ』がそこにありました。

 有明コロシアムというジェッツにとっては初めての空間で、強豪琉球ゴールデンキングスさんとの試合は、緊張感の中ゲームクロックが進み、あっという間に前半が終わった感覚でした。一進一退の攻防の中、ジェッツがローポストへのダブルチームフェイクからターンオーバーを2回誘発させ流れをつかみ、今シーズンの二枚看板、富樫選手と原選手の決定打で試合を決めました。

 この試合、ヴィック・ロー選手とクリストファー・スミス選手が各9得点でも勝利をしてしまうという千葉ジェッツのチーム力が、今年の強さなのだと再確認出来ました。

 この一発勝負で負けてもおかしくない試合展開を勝利してきた経験が、千葉ジェッツをさらに強くタフなチームにしたと思います。

厳しい日程を乗り切って天皇杯を制した 【(C)Shin-ichiro KANEKO】

いよいよチャンピオンシップ

 今シーズン、1stスポットでチャンピオンシップ出場を決めた千葉ジェッツですが、チャンピオンまでの道のりは決して楽なものではなさそうです。

 島根スサノオマジック、琉球、川崎ブレイブサンダース、アルバルク東京、横浜ビー・コルセアーズ、広島ドラゴンフライズ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズと、この中には今シーズンの千葉ジェッツに勝利したチームが4チームあり、それぞれのチームがプレーオフ出場をつかみ取った強さの理由があります。1戦目に勝利したチームでも気を抜けず、負けたチームは崖っぷちの、そんな2戦先勝のチャンピオンシップには、独特な空気感が流れます。

 千葉ジェッツはこれまで全てのシーズンでチャンピオンシップに進出し続けましたが、チャンピオンになったのは1度だけ。クォーターファイナル、ファイナルでの敗退など、苦い思いもしてきました。

“だからこそ、チャンピオンシップはホーム開催に意味がある”

 ホーム開催のためにチーム一丸となりレギュラーシーズンを戦い、1stスポットを獲得しました。

CSでのホーム開催を獲得。チーム一丸で戦った 【(C)a1202-hiro】

It‘s our Home!

 地区優勝を決めた試合後のインタビューで、我らがキャプテン富樫選手は「これを言うと…」と前置きをしながらも、「チャンピオンシップは、360度真っ赤に染めてもらいたい」「この60試合戦って自分たちが勝ち取ったもの」「アウェイブースターは入れないぐらいの、アウェーのベンチ裏も真っ赤に染めてもらいたい」と話しました。

 この言葉は“勇気ある言葉”だったと思います。

 リーグの看板選手であり、日本代表キャプテンでもある彼が放ったこの言葉は、色々な意味で響きました。

 この言葉は決して「相手チームブースターは来ないでほしい」という意図はなく、自分たちが死に物狂い勝ちで取った1stスポットを大事にして、たくさんの千葉ジェッツブースターの前でプレーし勝利して喜ばせたいという意味だと僕は思っています。

 そこにはこれまで負けた時の悔しい経験で感じたことがあるからだと思います。

 昨シーズンのチャンピオンシップ、当時まだ声で対抗できなかった千葉ジェッツは、会場に多く来場した宇都宮ブースターさんの、アウェーをホームに変えるほどの圧を、選手もブースターも感じていたことは間違いありません。

 富樫選手のこの言葉の受け取り方は、人それぞれで良いと思います。

 賛否両論あって当然だと思います。

 ただ僕ら千葉ジェッツブースターは、このチームをここまで押し上げ何度も何度も救ってくれた富樫選手の勇気ある言葉を受け止め、360度ジェッツブースターで埋めつくし、大きな声炎を届けることが、彼への恩返しになると思います。

 富樫選手の想いを胸に、今まで以上に声を張り上げ

 相手に「船橋アリーナは苦手だ…」と思わせるくらい、

 僕らのホームを見せつけ守りましょう。

富樫選手の言葉を噛みしめてCSでもチームを応援したい 【(C)B.LEAGUE】

千葉ジェッツの存在

 僕にとって千葉ジェッツは、たくさんの大切なものを与えてくれた、かけがえのない存在です。

 たくさんの知人ができ、友人に変わり、親友とも言える人とも出会えました。

 ずっと観戦している方、ここ最近見始めた方、ブースター歴が長いとか短いとか関係なく思いは同じところにあると思います。

 感染症の猛威を乗り越え今もこうしてたくさんの幸せをくれる事に感謝し、いちブースターの僕にできることを続けていきます。

 “勝っても負けてもこのチームが好き”

 何かで聞いたこの言葉がずっと頭の中にあります。

 皆さんもきっと同じ気持ちだと思います。

 大きなチャンスがある今シーズン、千葉ジェッツがチャンピオンになったら、また皆で乾杯しましょう。乾杯の数だけ絆を深めましょう。

 夢の3冠まであとひとつ。

“熱く赤く”

“Come fly with me.”

“Go Jets.”

JIRO(B MY HERO!特派員)

【(C)JIRO】

1981年1月28日生まれ
千葉県船橋市出身
千葉ジェッツブースターを中心に結成したバスケットボールチーム『ROCKS』の代表を務める。
最近また体重が増加し、そろそろダイエットしなきゃなぁと、思っているだけのおじさん。
趣味:ドライブ、旅行、宴会
好きな選手:ショーン エリオット(元サンアントニオスパーズ他)、
デビン ヴァセル(スパーズ)、荒尾 岳(千葉ジェッツ)、ラシード ファラーズ(千葉ジェッツ)

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著者プロフィール

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