秋田ノーザンハピネッツのハッピーとワクワク【B MY HERO!】

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ハピブーが集うCNAアリーナ☆あきた 【(C)B.LEAGUE】

 はじめまして。B MY HERO!特派員のドラゴンです。

 秋田ノーザンハピネッツ、そして秋田の魅力を私独自の目線でお届けしたいと思います。

 私とハピネッツとの出会いは2015年5月10日。テレビで放送された「受付でキーワードを言えば500円割引」に釣られ、訪れたのがbjリーグ2014-2015シーズン、有明スタジアムで行われるファイナル進出をかけたプレーオフ、新潟アルビレックスBBとの一戦。この試合は、1勝1敗で迎えた決定戦、残り3秒1点ビハインドの場面でルーベン・ボイキン選手(現大阪エヴェッサAC)のシュートでリバウンドを拾った田口成浩選手がシュートを決めて逆転勝利しました。その時の歓喜と熱狂に魅了され、一瞬でハピネッツの虜になりました。

アリーナの演出とそれを創り出すブースターの一体感が凄い!

 ハピネッツではゲストチームの選手入場時、歓迎の意を込めてハピネッツブースター(以下ハピブーと略)がそのゲストチームのチームカラーのペンライトを点灯させます。この、通称『おもてなしライト』はハピネッツ社からの指示やアリーナMCからのアナウンス等はなく、ハピブーが自主的に行っているものです。今でこそ公式グッズでペンライトを販売しておりますが、以前は家電量販店や通販等で購入しておりました。

 私は最初にこの光景を見たときに、秋田にこんな空間があって、それが毎週のように行われていたことに驚きました。

2022年12月24日開催の広島ドラゴンフライズ戦GAME1のおもてなしライト 【(C)ドラゴン】

 そしてこの暗闇に明かりが揺らめく光景、これはまるで秋田竿燈まつりではないかと思いました。東北三大祭の一つに数えられる秋田竿燈まつりは、厄除けや五穀豊穣を願い提灯(ちょうちん)に火を灯すものですが、その提灯(ちょうちん)とペンライトの光が重なります。ちなみに、秋田竿燈まつりの昼竿燈(竿燈妙技会)は雨天時にはハピネッツのメインアリーナのCNAアリーナ☆あきたで行われます。あの独特なアリーナの構造はそれを行うためでもあります。

秋田竿燈まつりの様子 【 (C)秋田市】

 ゲストチームの入場が終わるとハピネッツの選手入場となりますが、今度はライトの色はハピネッツのチームカラーのピンクに変わります。

2022年12月28日開催の茨城ロボッツ戦 【(C)ドラゴン】

 この変色もブースターが手作業で行うのですが、タイミングもまちまちで途中で複数の色が点灯されるため、アリーナに花火が打ち上げられた様に見えます。そして、ピンクとゲストチームのカラーだけではなく、その時のイベントに沿ったカラー、例えばクリスマスだと赤と緑を点灯させます。この時のアリーナ内のハピブーの一体感、美意識の高さたるやです。

 続いて秋田県民歌の斉唱です。この日この場所に、秋田県内はもとより日本全国から集った数千人のブースターが、心を一つにして歌っていると思うと目頭が熱くなります。その県民歌斉唱はコロナ禍により中止となりましたが、つい最近再開されました。私は途中で感極まってしまい、いまだに最後の「詩の国秋田」まで歌うことができません。

 私がハピネッツに対して感じている魅力のうちの一体感と非日常が、おもてなしライトから県民歌斉唱までの僅か約10分間に詰め込まれております。

2024年4月23日開催の宇都宮ブレックス戦から。再開された秋田県民歌斉唱 【(C)ドラゴン】

ブースター・ファンとの交流が楽しすぎる!

 私は中学校でバスケットボール部員であったものの、今のバスケットボールに関してはほとんど知識もなく、特定の推しの選手もおりません。それでいて、なぜにここまでハピネッツにはまっているかというと、前述のアリーナ演出や一体感のほかに、バスケを通じて出会った人たちとの交流があります。

 ハピブーにはいろいろな人がおり、その多くは秋田県民もしくは出身者なのですが、秋田県外在住で秋田に縁もゆかりもない人もいます。私の知るかぎりでも埼玉県、東京都、愛知県、奈良県、宮崎県出身の方がいて、その人たちがどういう経緯でハピブーになったかは、聞くたびに驚いております。しかし、今回取り上げるのは他チームのブースター・ファンとの交流です。

 ハピネッツを見始めた当初は息子と二人でひっそりと応援しており、その後自然にハピブーの友達ができて試合後に軽く飲みにゆく程度の仲とはなりました。

 転機が訪れたのは2016年10月30日、能代市総合体育館で行われた宇都宮ブレックス戦。私が座っているピンクで染まったハピネッツホーム側に黄色のウエアを着た4名の方が来られました。話し方からして秋田県民ではありません。しかし、その4名の席は少し離れていたため、周りのハピブーさんが気を遣い席の交換をしてくれ、さらには「遠慮しないで応援してね」と声を掛けてくれました。ハピブー2年目の私は、ここに秋田県民の優しさ、懐の深さを感じたものでした。

 それにしても、なぜこの黄色の人たちはこの位置に座っているの? もしかして、ホーム側に精鋭部隊を送り込んで、敵の応援をかく乱する目的ではないか? これがブレックス流? これがNBL流? と戦々恐々としたのを今でも思い出します。

 試合が始まると、対面のブレックスベンチ裏の応援団とのタイミングはぴったり合い、ブーイングにはその時の時事ネタを挟むなど、今まで経験したことのない応援スタイルでした。

「敵ながらあっぱれ!」

 手ぶらで帰すわけにはいかないと思い、ハピどら(ハピネッツのチームパートナー菓子舗榮太楼さんがアリーナで販売しているどらやき)を手渡しました。それが縁でブレックスファンとの交流が始まった訳ですが、後日その席を取った理由を本人に聞くと

「間違っちゃった。てへっ」

 とのことでした。このときばかりはあの黄色い集団に恐れおののいた時間を返してくれ、と激しく思いました。

 その後はホーム・アウェーにかかわらず、試合後は“第5Q”と称して食事会を行い、今では家族ぐるみの付き合いをするまでに至っております。

 つい先日もブレックスファンの皆様とハピネッツのチームパートナー、焼肉レストラン大昌園さんにてハピブーとブレックスファン合同の第5Qを行いました。

焼肉レストラン大昌園でのブレックスファンとの第5Q 【(C)ドラゴン】

 試合が終われば敵も味方も関係ありません。一人の人間としての付き合いがあるのみです。現在は宇都宮ブレックスだけではなく他チームのブースター・ファンとも交流するようになりました。その方々から必ずといってよいほどいただくお言葉が…

「秋田のホームは暖かい。おもてなしが素晴らしい。また来たい」

 これはひとえに、ハピネッツとそれに関わるたくさんの人たちの長年の努力と積み重ねによるものだと思います。おもてなしの心が根付いてる秋田は私の誇りです。

 そして、ハピネッツがなければ一生出会うことがなかった人たちとの付き合いは何物にも代えがたい宝物です。そんな宝物を与えてくれたハピネッツには感謝しかありません。

 ハッピーとワクワクをありがとう。

ドラゴン(B MY HERO!特派員)

2021年秋田ふるさと検定2級合格。目指せ1級! 【(C)ドラゴン】

bjリーグではなし得なかったハピネッツの日本一を夢見るハピブー。
バスケを通じて出会った人たちに秋田を正しく楽しく伝えたい、秋田ファンを増やしたいと思い、秋田について再勉強。秋田ふるさと検定を受験し2級合格。
秋田には何もないと思って過ごしてきた人生でしたが、ハピネッツとの出会いが私の郷土愛を目覚めさました。

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