【FC町田ゼルビア】2026年W杯は俺の大会だ!町田を世界へ。平河悠が想い描く未来

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フィンランド代表の英雄ヤリ・リトマネンに重なる

マッチアップした相手と間合いを計りながら、自分のタイミングでスピードに乗ったドリブルを仕掛ける。1月10日に始動した新チームの中で、平河悠の存在感が一際輝いている。

 もはや、チーム内での存在価値は大卒ルーキーのそれではない。確かにプロ1年目とはいえ、平河のプレーぶりを見れば、ルーキーイヤーという称号は、むしろふさわしくない。

 それもそのはず。特別指定選手としてプレーした昨季の平河は“ポポヴィッチ・ゼルビア”の主軸だった。16試合に出場し、2得点。山梨学院大学での活動の合間を縫ってチームに合流していたが、当時のランコ・ポポヴィッチ監督は大学生の平河を純然たる戦力として計算していた。

 しかし、当時の平河は学生の身。そのため、ポポヴィッチ前監督の意向は通らなかった。それでも、前指揮官は限定起用を承知の上で、平河を主軸に据えてきた。かつてポポヴィッチ前監督は、ボールを保持した際のストライドが、かつてのフィンランド代表の英雄ヤリ・リトマネンに重なると、平河を評価してきた。

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“持ってる”選手

平河のストロングポイントは、相手を1対1で剥がす力や、一瞬のスピード、そして大事な時に点を決める得点力。昨季はプロ初先発の試合(第4節ファジアーノ岡山戦)でゴールを決めているだけに、“持ってる”選手だ。

 今季からの本格的なプロ生活を前に、平河は世界最大の祭典に釘付けになっていた。昨年の11月と12月は、可能な範囲でW杯の試合を視聴し、刺激に変えてきた。

「いろいろな国のサッカーを見て、スピード感や技術面で勉強になった。その舞台に立ちたいと刺激を受けました」

平河にはどうしても目で追ってしまう選手がいた。自身と同じサイドアタッカーである三笘薫だ。また贔屓チームもできた。「両サイドがドリブラーだった」モロッコ代表は「この先もまだ試合を見たいと、応援しているような気持ちで見ていた」。

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来年のパリ五輪代表入りが近未来の目標

 現状の平河にとって、W杯はまだその一端すら霞んで見えない世界だ。もちろん、プロサッカー選手である以上、日本代表入りは1つの目標だし、当然目指すべき場所。本人としては、まず来年のパリ五輪代表入りが近未来の目標になる。

「僕は早生まれでパリ世代。パリ五輪のメンバー入りをあきらめていないですし、一度も候補に入ったことはないけど、サッカー選手であるからには、メンバーに入りたいです」

 自身の名前が周知されているほど、メジャーな存在ではないことは分かっている。それでも、まずは所属チームの町田で結果を残し、大岩剛U-22代表監督を振り向かせなければならない。

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「J2優勝」

「町田がJ2で優勝するために試合に出続けて結果を出す。そうやって結果を残すことでもっと自分の名前を売っていきたいです」

 個人的な今季の目標は、8割以上の試合出場+二桁得点達成。日の丸を背負うその日まで、平河は結果を残し続ける。「J2優勝」(黒田剛監督)を目指す町田の動向を追う上で、平河は注視すべき存在だ。

 クラブの開幕戦は、2月19日に町田GIONスタジアムでベガルタ仙台戦。
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著者プロフィール

1977年、「サッカーの街・町田を代表するサッカークラブをつくる」という考えの下、地域の小学生たちを選抜して結成したFC町田トレーニングセンターを設立。裾野から頂点へと市民の力で自然発生的にクラブの強化のピラミッドを築き上げ、1989年にFC町田トップチームが誕生。クラブ名の「ゼルビア」は、町田市の樹である欅の英語名と、町田市の花であるサルビアを組み合わせて名付けられた。本拠地は町田GIONスタジアム。地域の皆様に愛され、地域の発展に貢献できる町のシンボルになるべく、「天空の城 野津田」というブランディングを行っている。

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