【ガンバ大阪】2026年W杯は俺の大会だ!パリ五輪世代期待のレフティ。山本理仁が繰り出すパスは必見だ

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名は体を表す、という。ドイツ語で光を意味する「リヒト」の名を父から与えられた山本理仁は、常に光の当たるエリート街道を歩んできた逸材だ。
 U-15日本代表に選出されて以来、世代別代表の常連として注目されてきたレフティは小学生の頃から在籍してきた東京ヴェルディを離れ、2022年7月にガンバ大阪に完全移籍で加わった。
 「予期せぬ怪我があって、何もできずもどかしかったです……」。
 メディカルチェックで内側楔状骨骨折が判明し、いきなりの戦線離脱。待望のJ1デビューは果たしたものの、移籍一年目の出場時間は途中出場の2試合でピッチに立ったのはわずかに23分のみだったが、「今までJ2でやってきた僕にとってJ1の雰囲気というのはやっぱり別格だと思いましたし、その中で少ない時間でピッチに立った中でもやれる部分は多かったし、自信につながる今シーズンでした」と山本は胸を張った。
 「自分のアピールより、チームのために攻撃も守備もするだけ」。残留争いに身を置かざるを得なかった昨季のガンバ大阪だけに、シーズン終盤の戦いで、まず意識したのは守備の強度を落とさないことだったが、山本の最大の持ち味は左足から繰り出される長短のパスを活かしたゲームメークである。
 小学5年まではFWだった左利きのサッカー少年は、小学6年からボランチにコンバート。「点を取るよりは上手いプレーの方が好きだったのでボランチの方が自分に合っている。ボールを動かしたり、配球役だったりで評価されてきたと思うし、そこにこだわっています」。かつてガンバ大阪が誇った魅惑のパスサッカーの中心にいた遠藤保仁(現ジュビロ磐田)がそうだったように、一本のパスで雄弁に語るのが山本のポリシーだ。

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目指すはパリ五輪とA代表。U-21で感じた手応え

ガンバ大阪がシーズンラストマッチとなるフランクフルトとのプレシーズンマッチを戦った11月19日、山本はU-21日本代表の一員として欧州でのテストマッチを戦っていた。
 パリ五輪世代で構成される若きサムライブルーで背番号7を託された山本はU-21ポルトガル代表戦でキャプテンとしてもプレー。持ち味の攻撃面で、自身のパスが通用する手応えを感じたという。「J2のヴェルディからガンバ大阪という一つ基準が上がった場所にいることで、試合中も代表の練習中でも今までより余裕が出てきたと感じました」
 大岩剛監督が率いるU-21日本代表はパリ五輪を目指すチームだが、ワールドカップのカタール大会で日本代表入りした26人のうち、実に半数の13人が東京五輪のU-24日本代表経験者だった。
 ただ、ガンバ大阪のアカデミーで育った堂安律や、山本と同学年の久保建英は五輪の檜舞台に立つ前にA代表デビューを果たしている。
 決して大言壮語するタイプではない山本だが、当然ながら五輪代表はキャリアの通過点。「大岩監督も僕たちに『A代表を目指している集団だ』と言っていますけど、次のワールドカップを目指してやっている選手でないとパリ五輪にも行けないと思っています。ワールドカップに焦点を合わせてA代表に入れれば、自ずと五輪のメンバーにも入れると思うので」
 ただ、山本は自身にとって直近の世界大会でもあるパリ五輪に強いこだわりを持っている。
 2019年に高校2年で東京ヴェルディのトップチームに飛び級で昇格し、順調なキャリアを歩んできた左利きのパサーだが、世代別代表では時に悔しさを味わってきた。
 2017年のU-17ワールドカップでは奥野耕平や谷晃生が本大会出場を果たした一方で、山本はトレーニングパートナーとして現地入り。「正直、U-17ワールドカップはメンバー入りの手応えもなかったですけど、トレーニングメンバーに呼ばれたのが逆に悔しかったです」。
 そして自身にとって初の世界大会になるはずだった2021年のU-20ワールドカップは新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。「あの大会にはメンバー入りして出られただろうという感触もあったので目標がなくなって悔しかった。その分、次の世界大会でもあるパリ五輪に出たいという気持ちが強くなりました」と山本は話す。

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「これだけ自分はやれないんだ」力不足を痛感したU-24日本代表合宿

 ガンバ大阪が敵地で首位、横浜F・マリノスを撃破した11月8日の一戦で、山本はサッカー人生でこだわってきたパスでなく、泥臭いプレーで勝利に貢献した。
 淡々とした語り口調の中でも、パサーとしてのプライドを随所に感じさせる21歳だが、意識もプレーも変わる明確なきっかけがあったと明かす。
 東京五輪の直前に行われたU-24日本代表の合宿にトレーニングパートナーとして参加したことだった。
 「これだけ自分はやれないんだ、って力不足を感じました」。
 とりわけ山本の目を引いたのはカタール大会のスペイン戦で決勝ゴールを奪った田中碧。「練習に参加させてもらった時、技巧派って言われている田中選手でさえ守備をおろそかにしていないことを身をもって感じました。俺もやらなきゃって思いましたし、あそこでの経験を自分なりに試行錯誤してやってきたことが今、徐々に現れていると思います」。
 パリ五輪の先に待つワールドカップを見据える山本にとって、カタール大会は更なる意識改革の場になったようだ。
 「日本はいい試合をしたし、ドイツとスペインにも勝ちました。ただ、僕よりも上手い選手があまり自由にプレーさせてもらっていなかったし、あの人たちでさえ試合後の取材で『一つレベルを上げないといけない』って話をしているのを聞くと、僕は次の大会までに2つも3つもレベルを上げないといけないと感じます」

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2023シーズンは人生がかかった一年。ゲームメークを武器に活躍を誓う

 徳島ヴォルティスを率いたスペイン人指揮官、ダニエル・ポヤトス監督を新たに迎えるガンバ大阪。2023シーズンの到来を山本は待ち侘びる。
 「今回の欧州遠征でスペインのサッカーはやっぱり凄いと思いましたし、今季からスペイン人の監督が来られるので自分的にも楽しみですし。僕が得意なタイプのサッカーではありますけど、ポヤトス監督とやることで自分もレベルアップ出来そうだし、学びも多いと思います」
 スペイン流のパスサッカーを用いるポヤトス体制ではボランチやアンカーとして期待される山本だが、決して定位置が保証されているわけではなく、熾烈なポジション争いに身を置くことになる。
 「ゲームを作るところが僕の武器ですけど、僕は長いスルーパスも出せるし、ペナルティエリア近くでのスルーパスでも仕事ができる。そこは他の選手に負けない部分なのでサポーターの方にはぜひ、見て欲しいですね」。
 パスサッカーの申し子でもある山本理仁。スペイン人指揮官のもとで再建を図るガンバ大阪だが、スペイン代表のブスケツに憧れる若者はキッパリと、言い切った。
 「怪我も治って万全ですし、キャンプからアピールする場があるので絶対にスタメンを取らないといけない。そうじゃないとU-21日本代表にも入っていけないのでね。自分の人生がかかっている一年だと思っています」
 2023シーズン、技巧派レフティはJ1の舞台で「光」を放つに違いない。

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著者プロフィール

ガンバ大阪は、北摂・北河内地域をホームタウンとして活動しています。 「ガンバ」は、イタリア語で「脚」を意味する言葉で、日本語の「頑張る」にも通じています。 「チーム一丸となって勝利を目指して頑張るチーム」「どんな状況でもガンバって勝利を勝ち取るチーム」「大阪をホームタウンとし、大阪を中心とした関西ファンの声援を受けてガンバるチーム」「日本一、世界一のクラブ組織に向けてガンバるサッカークラブ」という気持ちが込められています。

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