短期集中連載 Road to Rice Bowl 76 アメフト日本一への軌跡:最終回
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最終回 王道を貫いた富士通が2連覇 そして舞台は日米親善試合Dream Bowlへ
今季無敗で勝ち進んできた2チームの対戦にふさわしく、試合終盤まで勝敗の行方の分からない大熱戦となった。準備期間にあたる試合間隔がレギュラシーズン中よりも1週長い3週間だったせいもあってか、ともに相手チームを徹底的に研究して対策を立ててきた成果の表れた試合だった。
パスを投げる前にパナソニックインパルス守備陣にタックルされる藤津フロンティアーズQB高木翼(中央) 【©X LEAGUE】
序盤に2つのタッチダウンランでパナソニックにリードをもたらしたRBミッチェルビクタージャモー 【©X LEAGUE】
最初は1~4ヤードのゲインで止められることもあったニクソンのランだが、第3クオーター半ばには1回のボールキャリーで10ヤード以上を一気に稼ぐランが目立つようになってきた。こうなるとニクソンのランを基本に高木がパスを組み立てていく得意のスタイルが可能となる。ずっと劣勢だった富士通が第3クオーター終盤に逆転するが、それは王道スタイルを貫いた結果である。
試合が進むにつれ徐々にゲインする距離が伸びてきた富士通RBトラショーン・ニクソン 【©X LEAGUE】
富士通がニクソンのランにこだわることができたのは屈指のオフェンスライン(OL)陣がいるからだ。ライスボウルの先発メンバーは郭宇寧、臼井直樹、山下公平、大久保壮哉、勝山晃という布陣。勝山以外はすべて今季のAll-X League選出である。勝山自身も2018-19年に2年連続でベスト11に輝いている名手だ。このOL陣に厚い信頼があるから、序盤で止められてもニクソンのランにこだわることができたのだ。
先発メンバー5人がいずれもオールXリーグ経験者の富士通OL陣 【©X LEAGUE】
ライスボウルは2021年度から日本のトップリーグであるXリーグの王座決定戦となった。まさに日本フットボールの最高峰を極める闘いであり、内容も競技レベルもそれにふさわしい内容だ。そして、この競技レベルがいよいよ本場アメリカを相手に試されることになる。それが1月22日に国立競技場で開催されるJapan U.S. Dream Bowl だ。
久しぶりの日本国内における国際試合となるこのDream Bowlにはアイビーリーグが選抜チームを組織して来日する。日本側はこれまでの、いわゆる日本代表ではなく、トップリーグであるXリーグの選手を中心に「全日本選抜チーム」を形成する。ここにはXリーグで活躍する外国籍選手が加わるのが特徴だ。これに学生から選抜された選手を加え、まさにオールジャパンの体制でアメリカに勝負を挑む。このDream Bowlこそ、日本のフットボールの手ベルの高さをアメリカのみならず世界に知らしめる試合となる。
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