3年ぶりの日本パラバレーボール選手権大会は、千葉パイレーツが笑顔の5連覇
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男子は決勝でライバル対決が実現も……
両者はこう話す。
「優勝したことのない大会は日本選手権だけ。ライバルに勝って優勝することを目指していた」(台東スマイル・佐々木一成)
「僕自身、平日の練習をともにしている選手ばかり。手の内がばれているから、厳しい戦いになると思った」(千葉パイレーツ・田澤隼)
試合の序盤、リードしたのは<台東スマイル>。だが、パラバレーボール界随一の大所帯を誇る<千葉パイレーツ>はチーム力だけでなく、個の力も強い。東京大会後の男子日本代表をけん引する田澤のサービスエースで得点を連取して逆転すると、その後も同日本代表の皆川鉄雄やパラリンピックに3度出場したベテラン加藤昌彦の強打がさく裂する。
東京大会の前と比べてトレーニング量を3倍にしているという田澤。目で見てわかるほど筋力アップした 【photo by X-1】
その結果、<千葉パイレーツ>が2対0(3セットマッチ)で宿敵を倒し、3年ぶりに開催された日本選手権で頂点に輝いた。
田澤主将率いる千葉パイレーツには、加藤(写真4番)ら役者が揃う 【photo by X-1】
「つなぎがうまくハマったと思う。千葉パイレーツは代表経験のある選手が複数いて攻撃の基盤はあるけれど、その分、連携が難しいところがあった。夏に台東スマイルに負けて以降、チームで話し合い、約束事を決めて臨んだのが結果につながった。自分自身は、週末の代表活動と練習日が重なるため、チーム練習に参加できないことも多いなか、他のメンバーが約束事をチーム内に浸透させてくれた。そこに、代表組が合わせるようにした」
皆川もパリパラリンピックを目指す代表の一員。今大会後は、さらなる筋力アップに励むつもりだ 【photo by X-1】
「相手が一枚上手だった。いいライバル関係です」。<台東スマイル>の佐々木は悔しさを胸にしまって勝者を称えた。
「ゼロからチームを立て直し、次は(年間3つの大会を制す)3冠を目指したい」と台東スマイルの佐々木(写真の14番) 【photo by X-1】
「勝ち続けることが一番大事。他のチームも強くなっていくと思うが、連覇が途絶えないように頑張ります」
そう決意を述べて、田澤は会場を後にした。
5チーム参加の女子も強豪が「連覇」
1日のみの開催で5チームが出場した女子は東京プラネッツ女組が制した 【photo by X-1】
全日本ではセッターを務める波田。「これまで自分が一番若手だったが、来年の国際大会では引っ張っていけるように頑張りたい」 【photo by X-1】
ベテランも若手も躍動
パワー溢れるスパイクを決めたSoul(魂)の柳 【photo by X-1】
「敗退は残念だが、手応えがあった。来年は決勝まで残りたい」と飯倉。その手応えのひとつは、若手の伸びしろにあるのだろう。東京大会後に日本代表になった川波潤は、アタックでもブロックでも存在感を発揮。今大会では、視野の広さや判断力を磨いた。
20歳のとき交通事故で右足を切断した川波。スパイク力を武器にするべく練習に励んでいるという 【photo by X-1】
「いつの間にかハマっていました(笑)。東京大会直前にチームの練習に参加したら、日本代表選手たちがハイレベルなプレーをしていて。刺激されたのを覚えています」
長年、代表最年少だった29歳の田澤も期待を寄せる25歳の新鋭は、すでに11月、世界選手権デビューを果たしている。その世界選手権でも思い切ってプレーしたという川波は、国内での試合経験をステップにし、来年、再び日本代表として世界に挑戦するつもりだ。
また、右脚を切断した入院中にパラバレーに出会い、1年前にチームに加入したという奥田実加も、日本選手権初出場。「最初は緊張したが、サーブが決まってうれしかった」と話し、初めての試合で収穫を手にした。
「みんなでボールをつなぎ、称え合うのがこの競技の楽しさ」と奥田。パラリンピックを見据え、基本練習を積み重ねているところだ 【photo by X-1】
text by Asuka Senaga
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※本記事はパラサポWEBに2022年12月に掲載されたものです。
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