100分で計105点の攻防!攻め合いの末、浦安Dに敗戦
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
2トライで先制も隙を見せペース奪われる
対戦相手は、同じ千葉県内の東京ベイエリアに本拠地を構える今季新設チーム『浦安D-Rocks』
同チームの浦安市内のグラウンドにて本日13時にキックオフした。
今回の試合はプレシーズンマッチということもあり、40分の前後半に加え、20分の3本目がある変則的なレギュレーションで実施。
スピアーズからは39名の選手が、シーズン開幕に向けて自身のパフォーマンスをアピールした。
キックオフ直後から、高いレベルの接点を互いのチームが披露した。
両者激しく前に出るディフェンスラインに、外国人選手を中心とした突破力を持ち味とする選手たちが真正面からぶつかる。
寒空の下、新浦安の高層マンションエリアには似合わない、人と人が衝突する乾いた音が響いた。
ロックで先発した頼れる存在のウヴェ選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
前半7分の中盤エリアでの相手キックに対し、キャプテン立川選手がプレッシャーをかけチャージして、このキックを防ぐ。
自ら転がったボールを取ると、そのままインゴールに駆け抜けてトライを奪った。
その約10分後にも、再三にわたるラインアウトモールからナンバー8の末永選手が突進を見せて2トライ目を奪った。
この連続の2トライを奪った要因は徹底した敵陣での試合運び。
キックをうまく使い、スクラムやラインアウトといったセットプレーを安定させて、スピアーズのアタックシェープでゴールラインに向かい続けた結果がトライに結びついた。
そうしたハードワークと辛抱の末に奪った14点だったが、この試合のペースを奪ったのは、その後の浦安Dの立て続けの3トライだった。
前半30分間際、ディフェンスでのタックルの甘さから突破を許し、連続トライを奪われる。
前半終了間際には、チームの強みである密集戦でモートライを許し勝ち越しされ、試合の勢いを相手に奪われてしまう結果となる。
後半に入り、互いにメンバーを変えながら点数を取り合う時間が続いたが、試合の主導権を奪うには至らず最終スコア42対63、合計時間100分の試合で計105点を取り合う攻防の末に敗戦となった。
残り20分でチームの『瞬』にかける思いが見える
「あくまでテストドライブだ。」と割り切りつつも、ネガティブになる気持ちを抑えることはできない。
キャプテンは、「この試合でチームとしても各選手個人個人でもやろうとしていたことができなかった。」と語り、「こうした状況で、考え方を変えて修正できるところを修正して、最後のプレシーズンマッチの準備をしよう。」とチームを勇気づけた。
結果だけみれば喜べるものではなかったかもしれないが、100分の激闘の中に要所で光る部分が見えた。
先制の2トライを奪うまでのエリアやポゼッションの取り方はスピアーズの強みを活かしていたし、後半のメンバーが総入れ替えしてもトライを奪い、突き放されることはなかった。
なかでも3ハーフ目は、選手たちの気迫を感じることができる、この試合のハイライトともいえるパフォーマンスを見ることができた。
戦術的にうまくいかない場面があるなかでも、決してソフトなパフォーマンスを見せず、ガツガツと体を張り、積極果敢に攻める姿はスコア以上に見ている者たちを滾らせた。
この3ハーフ目で出場していた選手たちは、前週の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦に出場できていなかったメンバーが多い。
こうした出場機会に飢え、チャンスの機会を待ち望んだ選手たちの今日のパフォーマンスは、今シーズンのスローガンである『Split Second 〜瞬〜』を体現する一瞬にすべてをかける意気込みを見ることができた。
復帰戦として、約8か月ぶりにセンターとして途中出場した永富選手は、自身のプレーでチームを活気づけた。
「劣勢の中でも大事なところでやってきたことを出せた。今後もチャンスは少ないかもしれないが、やれるだけのことをしっかりとやっていきたい。」
と本人から力強いコメントを聞くことができた。
12月18日から開幕するNTTリーグワン2022-23。
5か月間に渡り戦う長いレースには、全員で戦うチーム力が試される。
チーム内のいい競争から、確かなチーム力は積み上げられている。
永富選手は久しぶりの試合とは思えないプレーを見せ、試合終了まで走り切った 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
先発の末永選手。トライも奪い、接点では決して当たり負けることはない強さを見せた。 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
前週のダイナボアーズ戦に続き、この試合でも後半にトライを決めて好調をアピールした近藤選手(右)とディフェンスでのいい読みで貢献した中田選手(左) 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(ラグビー)】
写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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