ハング・パラ界の大谷翔平、ハンググライディング最終戦でも圧倒!

【©2022JHF】

2022年class1-ハンググライディングシリーズ最終戦となる「紀ノ川スカイグランプリ2022」が和歌山県紀ノ川市にて11月3日から4日間行われた。
51名もの選手が距離とタイムを競い合うため集結し、天候にも恵まれ全日程競技が成立した。

なんといっても先日パラグライディング日本選手権でも優勝した小梶選手がこのハンググライディングシリーズでも優勝し二刀流選手としてハングパラ界に衝撃を与えた。
また同時開催で行われていた一段レベルを下げたスポーツクラスでは学生の今村選手が2日目を欠場したにも関わらず優勝を獲得した。

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動力を持たないハンググライダーは、太陽の熱が地面を暖めることで生み出される上昇風や地形によって発生する上昇風を利用して空高く上昇することが出来、時には100kmや200kmという遥か彼方の遠くまで飛んで行く事も出来る。
大会ではその日の気象条件に合わせて決められた複数のターンポイントを順番に空中で通過(以下「タスク」という)し、誰が一番最初にゴールまで辿り着くかを競う。ハンググライダーの操縦技術はもちろんの事、風を読み気象の変化に気が付く洞察力、上昇風を予想し戦略を組み立てる頭脳などが物を言い、性別、年齢に関係なく同じ土俵で互角に戦えることが魅力の一つだ。

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初日は40.5kmのタスクが組まれた。
前半は気象条件も良く、約20km地点まではほとんどの選手がタスクを順調にこなしていたが、後半から気象条件が急激に厳しくなりリタイアしてしまう選手が多数続出。そんな中、早く動いてたり高度を高めに動いていた小梶、大門、田中、砂間の4名がゴールまで辿り着いた。

2日目は43.6kmのタスクが組まれ25名もの選手がゴールした。
この日はテイクオフ周辺(離陸地点)でサーマルが安定して発生しており高度1300mまで上昇した。そこを起点に東西のタスクをこなしていくレース展開となった。1番上昇率の良い上昇風を見極めて先頭を走っていた大門、砂間が全く同じタイムでゴールする接戦を繰り広げた。

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3日目は53.6kmのタスクが組まれた。
この日が大会中で1番気象条件が良くなると予想されていた。しかし実際にレースがスタートすると予報よりも非常に気象条件が厳しくほとんどの選手が早々にリタイアする波乱の展開に。慎重に飛ばないといけないサバイバルな条件の中、小梶、須山、服部の3名が気象条件を読み、慎重に沖寄りのコース取りを選択し見事ゴールまで辿り着いた。
この厳しい条件の中、素晴らしいフライトを見せた。

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(3日目素晴らしいゴールを見せた小梶選手、服部選手、須山選手)

最終日は37.7kmタスクが組まれた。
先に飛んだ地元フライヤーが上昇しないのを見て、ほとんどの選手が躊躇する中、2番手で出た中井が上昇しだし選手が続々とテイクオフ。
前半は気象条件がまだ良くなっておらず、高度が低くなると降りてしまう選手もいたが、後半から気象条件が良くなった。この日は山側を飛ぶより沖側の方が上昇風が豊富で23名の選手がゴールした。

スポーツクラスは2日目をキャンセルした今村が2日目以外を全てトップの成績で収めた素晴らしいフライトを見せた。特に3日目と最終日は単独ゴールをした。また那須もホームエリアの利点を活かし、滑空性能で劣る中級機でありながら他の上級機や選手を抑え2位の成績を獲得した。

総合成績
優勝 小梶渓太
2位 大門浩二
3位 砂間隆司
4位 服部良亮
5位 大陽智仁
6位 鈴木由路

女子
優勝 野尻知里
2位 櫻井さやか
3位 佐野容子

学生
優勝 松永大輝
2位 氏家魁斗
3位 児玉智雅

【スポーツクラス】
優勝 今村奏海
2位 那須健太
3位 山口智久

総合成績 前列左から鈴木選手、服部選手、大陽選手 後列左から砂間選手、小梶選手、大門選手 【©2022JHF】

女性部門 左から佐野選手、野尻選手、櫻井選手 【©2022JHF】

学生部門 左から児玉選手、松永選手、氏家選手 【©2022JHF】

スポーツクラス 左から山口選手、今村選手、那須選手 【©2022JHF】

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著者プロフィール

公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟は日本国内のハンググライダー及びパラグライダーに関するスポーツの統括代表機関として、ハンググライディング及びパラグライディングによる航空スポーツの発展と普及のための公益目的事業を行っています。

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