【マッチプレビュー】2022明治安田生命J3リーグ第27節 いわきFC対カマタマーレ讃岐
【©︎IWAKI FC】
カマタマーレ讃岐は、高松市、丸亀市を中心とする香川県全県をホームタウンとするサッカークラブ。前身は、1956年に香川県立高松商業高サッカー部出身選手により結成された「高商OBサッカークラブ」。
1981年、香川県リーグから四国リーグに再昇格すると、91年に国体の県指定強化チームとなり「香川紫雲(しうん)フットボールクラブ」に改称。1994年に四国リーグ初優勝し、96年には天皇杯初出場。1997年に四国リーグで2度目の優勝を果たす。
2005年「高松市民のチームとして生まれ変わり、将来のJリーグ入りを目指す」と宣言。2006年よりチーム名を「カマタマーレ讃岐」とした。
「カマタマーレ(=Kamatamare)」とは「釜玉うどん」と、イタリア語の「海=Mare(マーレ)」を合わせた造語。この年、チームは四国リーグで3度目の優勝するも、地域リーグ決勝大会は予選リーグで敗退。2008年に株式会社カマタマーレ讃岐が設立。四国リーグ4度目の優勝を果たすも、再び地域リーグ決勝大会の壁に阻まれる。
2010年、四国リーグで5度目の優勝を果たし、三たび全国地域リーグ決勝大会に出場。ここで優勝し、悲願のJFL昇格を果たす。2011年から参戦したJFLでは2013年に2位に入り、J2のガイナーレ鳥取との入れ替え戦を1勝1分けでクリア。2014年シーズンよりJ2に参戦。しかしJ2では下位〜中位にとどまり、2018年に無念のJ3降格となった。
J3では2019年が18チーム中14位、2020年が18チーム中16位、2021年は最下位の15位。2022年は西村俊寛氏が監督に就任。若手を積極起用する方針を打ち出した。
注目は今季加入のFW松本孝平。JFLのFCティアモ枚方時代、当時リーグ無敗だったいわきFCに初黒星をつける立役者となったことは記憶に新しい。今季も好調を維持。25試合で8得点を挙げており、警戒すべき選手の一人だ。
充実した戦力をそろえる讃岐。だが今季は序盤から10位以下に低迷している。
いわきFCとは6月12日の第12節で初対決。讃岐のホーム・Pikaraスタジアムで行われたこの試合。暑さに加えてスタジアム独特の雰囲気も手伝い、いわきは思うように試合を運べない。そして33分、サイドを突破されて讃岐に先制を許した。
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その後は一進一退の攻防。引き分けと思われた後半アディショナルタイム、試合は劇的な幕切れとなった。SB嵯峨理久のクロスをFW有馬幸太郎がヘッドで決め、決勝ゴール。いわきが2対1の逆転勝ちを収めている。
■FW有田のゴールで先制。MF岩渕が決勝点。
メンバーはGK坂田大樹、CB家泉怜依&遠藤凌、SB日高大&嵯峨理久、MF山下優人、宮本英治。SHは右がチーム得点王・岩渕弘人、左がこの6試合先発出場中の鈴木翔大。FWは有馬幸太郎と、ここ8試合先発出場中の有田稜。
試合開始早々は両チームがゴールに迫る展開。ピッチをワイドに使ってポゼッションする岐阜に対し、いわきはいつも通り前線から激しいプレスをかけ、カウンターを狙う。だが時間が進むにつれ、岐阜が少しずつペースを握り始める。
そんな状況の前半45分、試合が動く。CB家泉怜依からのクロスを鈴木翔大が巧みに胸で収め、SB日高大へ。日高がボックス左奥へと走り込んでグラウンダーの高速クロスを送り、これをドンピシャで押し込んだのがFW有田稜。8試合連続で先発出場中の有田の今シーズン8得点目で、いわきが待望の先制。
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Jヴィレッジスタジアムのピッチに重苦しい雰囲気が漂い始めた67分、試合は三たび動く。
MF山下優人のFKを岐阜守備陣がクリア。大きく浮いたボールを岐阜GKとDFが処理できず、こぼれたボールを見逃さなかったのがMF岩渕弘人。得点ランキング5位となるシーズン9得点目のゴールで、いわきが勝ち越しに成功。試合はそのままタイムアップ。いわきは苦しいゲームを2対1で制し、勝ち点57で首位をキープした。
いよいよJ3リーグは残り8節。ホームで行われるカマタマーレ讃岐戦との戦いを控えた、村主博正監督の談話を紹介する。
■「ここ数試合で最も難しいゲームになる」村主博正監督
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警戒している選手はまずFW松本孝平選手。前回の対戦では彼にラインをコントロールされ、プレッシャーをかけづらい状況を作られてしまった。ストライカーとして一発のある選手なので要注意です。あとはFW重松健太郎選手。前回の対戦には出場していませんでしたが、能力が高く、フィニッシュワークも上手い。
カマタマーレ讃岐さんは前回は引いてきましたが、ここ数試合は前がかりでアグレッシブに戦っています。どんな作戦でくるかわかりませんが、ロングスローなど、持っている武器をすべて出してくるでしょう。おそらく今節は、ここ数試合の中で最も難しいゲームになる。あらゆる状況に対応できるよう、しっかりと準備します」
■鹿児島、松本に異変。藤枝は9月の連戦を無敗で乗り切る。
混戦の予感とともに迎えた第26節。ここで鹿児島、松本の2チームに異変が起きる。
9月24日土曜日に行われたナイトゲームで、2位・鹿児島がガイナーレ鳥取にショッキングな大敗。鹿児島は前半に2点を先制され、前がかりになったところで立て続けに失点。0対6の手痛い敗戦を喫した。そして9月25日には、5連勝中の松本が最下位のY.S.C.C横浜を相手にホームで星を落とす結果に。
昇格枠2を見すえる鹿児島、松本が、下位チームの意地の前に相次いで足元をすくわれる展開。歯車を狂わせたものは、果たして何だったのか。手痛い敗戦により、両チームとも勝ち点53で足踏み。FC岐阜に勝利した首位いわきとの差は、4ポイントに開いた。
そのつまづきを横目に、勝ち点差1で3位松本に肉迫しているのが、4位・藤枝MYFC。藤枝は9月、延期されていた20節と21節を含む6試合をこなすハードスケジュールを4勝2分けで乗り切り、8月にいわきに大敗を喫したショックを払拭した。そして5位は勝ち点48でカターレ富山、6位は勝ち点47でFC今治が続く。この2チームにもまだチャンスは残るが、昇格枠2を巡る争いはここがボーダーラインか。
例年にない激闘が続く2022年のJ3。各チームに、勝ち点と順位で簡単に測れるほどの力量差はない。混迷の中、首位の座にあぐらをかくことが許されないのが今年のJ3。優勝そして昇格枠「2」を争う勝負の行方は、まだ見えない。
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熱き戦いに、ぜひご注目を!
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