【マッチプレビュー】2022明治安田生命J3リーグ第27節 いわきFC対カマタマーレ讃岐

いわきFC
チーム・協会

【©︎IWAKI FC】

2022明治安田生命J3リーグ第26節。いわきFCは10月2日(日)、Jヴィレッジスタジアムにカマタマーレ讃岐を迎える。

カマタマーレ讃岐は、高松市、丸亀市を中心とする香川県全県をホームタウンとするサッカークラブ。前身は、1956年に香川県立高松商業高サッカー部出身選手により結成された「高商OBサッカークラブ」。

1981年、香川県リーグから四国リーグに再昇格すると、91年に国体の県指定強化チームとなり「香川紫雲(しうん)フットボールクラブ」に改称。1994年に四国リーグ初優勝し、96年には天皇杯初出場。1997年に四国リーグで2度目の優勝を果たす。

2005年「高松市民のチームとして生まれ変わり、将来のJリーグ入りを目指す」と宣言。2006年よりチーム名を「カマタマーレ讃岐」とした。

「カマタマーレ(=Kamatamare)」とは「釜玉うどん」と、イタリア語の「海=Mare(マーレ)」を合わせた造語。この年、チームは四国リーグで3度目の優勝するも、地域リーグ決勝大会は予選リーグで敗退。2008年に株式会社カマタマーレ讃岐が設立。四国リーグ4度目の優勝を果たすも、再び地域リーグ決勝大会の壁に阻まれる。

2010年、四国リーグで5度目の優勝を果たし、三たび全国地域リーグ決勝大会に出場。ここで優勝し、悲願のJFL昇格を果たす。2011年から参戦したJFLでは2013年に2位に入り、J2のガイナーレ鳥取との入れ替え戦を1勝1分けでクリア。2014年シーズンよりJ2に参戦。しかしJ2では下位〜中位にとどまり、2018年に無念のJ3降格となった。

J3では2019年が18チーム中14位、2020年が18チーム中16位、2021年は最下位の15位。2022年は西村俊寛氏が監督に就任。若手を積極起用する方針を打ち出した。

注目は今季加入のFW松本孝平。JFLのFCティアモ枚方時代、当時リーグ無敗だったいわきFCに初黒星をつける立役者となったことは記憶に新しい。今季も好調を維持。25試合で8得点を挙げており、警戒すべき選手の一人だ。

充実した戦力をそろえる讃岐。だが今季は序盤から10位以下に低迷している。

いわきFCとは6月12日の第12節で初対決。讃岐のホーム・Pikaraスタジアムで行われたこの試合。暑さに加えてスタジアム独特の雰囲気も手伝い、いわきは思うように試合を運べない。そして33分、サイドを突破されて讃岐に先制を許した。

【©︎IWAKI FC】

しかし、ここで流れを引き戻したのがSB日高大。後半開始早々、Jリーグ初ゴールとなる見事な直接FKで、試合を振り出しに戻す。

その後は一進一退の攻防。引き分けと思われた後半アディショナルタイム、試合は劇的な幕切れとなった。SB嵯峨理久のクロスをFW有馬幸太郎がヘッドで決め、決勝ゴール。いわきが2対1の逆転勝ちを収めている。

■FW有田のゴールで先制。MF岩渕が決勝点。

9月25日の第26節。いわきFCは9位FC岐阜をホームに迎えた。

メンバーはGK坂田大樹、CB家泉怜依&遠藤凌、SB日高大&嵯峨理久、MF山下優人、宮本英治。SHは右がチーム得点王・岩渕弘人、左がこの6試合先発出場中の鈴木翔大。FWは有馬幸太郎と、ここ8試合先発出場中の有田稜。

試合開始早々は両チームがゴールに迫る展開。ピッチをワイドに使ってポゼッションする岐阜に対し、いわきはいつも通り前線から激しいプレスをかけ、カウンターを狙う。だが時間が進むにつれ、岐阜が少しずつペースを握り始める。

そんな状況の前半45分、試合が動く。CB家泉怜依からのクロスを鈴木翔大が巧みに胸で収め、SB日高大へ。日高がボックス左奥へと走り込んでグラウンダーの高速クロスを送り、これをドンピシャで押し込んだのがFW有田稜。8試合連続で先発出場中の有田の今シーズン8得点目で、いわきが待望の先制。

【©︎IWAKI FC】

だが53分、交代出場した岐阜MF窪田稜のクロスをいわき守備陣が処理ミス。こぼれ球を拾った岐阜FW藤岡浩介が今シーズン12点目のゴールを挙げ、試合は振り出しに戻されてしまう。さらには58分、チームの核・SB日高が負傷退場。

Jヴィレッジスタジアムのピッチに重苦しい雰囲気が漂い始めた67分、試合は三たび動く。

MF山下優人のFKを岐阜守備陣がクリア。大きく浮いたボールを岐阜GKとDFが処理できず、こぼれたボールを見逃さなかったのがMF岩渕弘人。得点ランキング5位となるシーズン9得点目のゴールで、いわきが勝ち越しに成功。試合はそのままタイムアップ。いわきは苦しいゲームを2対1で制し、勝ち点57で首位をキープした。

いよいよJ3リーグは残り8節。ホームで行われるカマタマーレ讃岐戦との戦いを控えた、村主博正監督の談話を紹介する。

■「ここ数試合で最も難しいゲームになる」村主博正監督

「前節でFC岐阜に競り勝ち、前々節の敗北からチームを立て直すことができました。気持ちの入ったゲームができましたし、選手達が自ら考え、流れを作っていけたのは収穫です。

【©︎IWAKI FC】

カマタマーレ讃岐さんは確かにここ10試合ほど勝てていないのですが、ゲーム内容はいい。その中で引き分けたり、最後に粘りきれず失点しているだけです。実際、アウェーで戦った前回の対戦ではかなり押されました。若い選手が多く、前で起点になった選手をどんどん追い越し、数的優位を作りに来る。運動量の多さはウチとよく似ています。

警戒している選手はまずFW松本孝平選手。前回の対戦では彼にラインをコントロールされ、プレッシャーをかけづらい状況を作られてしまった。ストライカーとして一発のある選手なので要注意です。あとはFW重松健太郎選手。前回の対戦には出場していませんでしたが、能力が高く、フィニッシュワークも上手い。

カマタマーレ讃岐さんは前回は引いてきましたが、ここ数試合は前がかりでアグレッシブに戦っています。どんな作戦でくるかわかりませんが、ロングスローなど、持っている武器をすべて出してくるでしょう。おそらく今節は、ここ数試合の中で最も難しいゲームになる。あらゆる状況に対応できるよう、しっかりと準備します」

■鹿児島、松本に異変。藤枝は9月の連戦を無敗で乗り切る。

混戦が続く明治安田生命J3リーグ。9月18日の第25節で首位・いわきがFC今治に敗れ、鹿児島ユナイテッドFC、松本山雅FCが勝利。いわきを鹿児島、松本が勝ち点差1で追いかける展開となっていた。

混戦の予感とともに迎えた第26節。ここで鹿児島、松本の2チームに異変が起きる。

9月24日土曜日に行われたナイトゲームで、2位・鹿児島がガイナーレ鳥取にショッキングな大敗。鹿児島は前半に2点を先制され、前がかりになったところで立て続けに失点。0対6の手痛い敗戦を喫した。そして9月25日には、5連勝中の松本が最下位のY.S.C.C横浜を相手にホームで星を落とす結果に。

昇格枠2を見すえる鹿児島、松本が、下位チームの意地の前に相次いで足元をすくわれる展開。歯車を狂わせたものは、果たして何だったのか。手痛い敗戦により、両チームとも勝ち点53で足踏み。FC岐阜に勝利した首位いわきとの差は、4ポイントに開いた。

そのつまづきを横目に、勝ち点差1で3位松本に肉迫しているのが、4位・藤枝MYFC。藤枝は9月、延期されていた20節と21節を含む6試合をこなすハードスケジュールを4勝2分けで乗り切り、8月にいわきに大敗を喫したショックを払拭した。そして5位は勝ち点48でカターレ富山、6位は勝ち点47でFC今治が続く。この2チームにもまだチャンスは残るが、昇格枠2を巡る争いはここがボーダーラインか。

例年にない激闘が続く2022年のJ3。各チームに、勝ち点と順位で簡単に測れるほどの力量差はない。混迷の中、首位の座にあぐらをかくことが許されないのが今年のJ3。優勝そして昇格枠「2」を争う勝負の行方は、まだ見えない。

【©︎IWAKI FC】

明治安田生命J3リーグ第27節・カマタマーレ讃岐戦は10月2日(日)13時より、Jヴィレッジスタジアムにてキックオフ。試合の模様はDAZNにてライブ配信される。

また、いわきFCの最新情報は現在、"魂の息吹く"noteにて配信中。本マッチプレビューについても厚みを増した形で記載しているので、ぜひチェックしてほしい。

そしていわきFCファンクラブ「LOVE IWAKI」も、会員を随時募集。入会は無料。チケットやグッズの会員限定価格で購入や、メルマガによる情報配信など多くの特典があるのでチェックしてほしい。

熱き戦いに、ぜひご注目を!

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著者プロフィール

「いわき市を東北一の都市にする」ことをミッションに掲げ、東北社会人サッカーリーグ1部を戦う「いわきFC」の公式アカウントです。

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