現地26日（金）に行われるプレシーズン最終戦に向かうNFLのニューイングランド・ペイトリオッツが、ラスベガスにあるUFC本部に寄り道し、UFC会長のデイナ・ホワイトと面会してUFCパフォーマンス・インスティテュートを見学した。

本部に到着したペイトリオッツのヘッドコーチ（HC）ビル・ベリチックと選手たちは、ホワイト会長に本物のチームヘルメットをプレゼントした。長年のニューイングランダーであり、根っからのボストンスポーツファンのホワイト会長は、思わず「何てこった」と口にしている。

UFC本部を訪れた感想を、ベリチックHCはオリンピック村を訪問したような気分だと例えている。その後ペイトリオッツの選手たちはUFCパフォーマンス・インスティテュートを見学し、サウナや水風呂を含め、UFCアスリートの成長や回復を助けるためにこの施設が提供できるさまざまなリソースについて議論した。

階上に進んだ選手たちは、本物のオクタゴンを目にしてその中に手を差し入れようとしている。彼らはグラップリングマットに沿って設けられたヘビーバッグやスピードバッグを相手に、思い思いに腕っぷしの強さやテクニックを試していた。ペイトリオッツ一行はオクタゴンのそばでUFCライト級ファイターであるジョータン・レビットのトレーニングセッションを見学し、いくつかのスパーリングラウンドを見守った。

さらに、アスリート育成部門副会長であり、UFC殿堂のメンバーであるフォレスト・グリフィンやUFCバンタム級王者アルジャメイン・スターリング、元UFC女子ストロー級ファイターで現アスリート育成部門ディレクターのクラウディア・ガデーリャ、ヘビー級ファイターのイリル・ラティフィがペイトリオッツの面々を歓迎し、MMA（総合格闘技）や施設についての質問に答えている。

「われわれのスポーツはあなた方のよりもハードだ。メンタル的にね」というグリフィンの言葉に、ペイトリオッツの選手の間に笑顔と笑い声が広がった。

「（格闘技をするということは）毎日24時間、365日プロフェッショナルのアスリートであるということなんだ」

ホワイト会長がどれくらいの選手がUFCを定期的に見ているか尋ねると、半分強の手が挙がった。MMAの世界がどれほど予測不能なのかの例にUFC 275のメインイベントを用いたホワイト会長は、新たに戴冠したレオン・エドワーズがカマル・ウスマンとの試合で劣勢からのノックアウトを果たしたことを、NFLの試合で残り3分から30点差を巻き返すようなものだと話している。

「（UFCが求めているのは）われわれが世界最強になれると思う人物だ。毎週土曜日が、われわれにとってのスーパーボウルなのさ」とホワイト会長はコメントした。

訪問の最後に、ペイトリオッツの選手たちはUFCギアがつまった『Venum（ヴェナム）』のバッグをプレゼントされている。その間に、ホワイト会長はベリチックHCにUFCのチャンピオンシップベルトを巻いた。感情をあまり表に出さないことで知られているベリチックHCだが、このときばかりはタイトルを勝ち取った瞬間の王者さながらに両腕を挙げている。これには選手やスタッフから大きなリアクションがあった。

「ニューイングランド・ペイトリオッツはNFLの歴史上、最も偉大なチーム。彼らを今日、ここUFCに招くことができたのは名誉だ」と言うホワイト会長はこう続けている。

「史上最高のコーチであるベリチックコーチ、そして、彼のチームがここでわれわれの施設のツアーに参加してくれたのは、ボストンのファンとして信じられないことだった。これ以上（自主規制）の経験はないだろう」