「頂点を、つかむ。」 マリーンズ戦記 8月6日 ライオンズ戦 2対1 起死回生の一発で連敗ストップ

千葉ロッテマリーンズ
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【2022年千葉ロッテマリーンズ チームスローガン】

 一瞬で流れを変えた。嫌な雰囲気を払拭させてくれたのは代打レアードの一振りだった。1点ビハインドの八回。一死二塁。カウント3ボールからの4球目。カウントを取りに来たスライダーをフルスイングすると打球はあっという間にレフトスタンドへと消えていった。逆転の2ラン。スタメンを外れていた助っ人が一発回答をして見せた。

 「スライダーを待ちながら、甘い球が来ると信じて打つことが出来たよ。ベンチで状況を見ながらしっかりと準備をして良いタイミングで代打に起用をしてもらったので期待に応えることが出来てよかった」とレアードは胸を張った。

 試合を決めたのはレアードだが、先発・小島のピッチングが呼び込んだ逆転劇といえる。二回に山川に先制のソロを許すが、それ以降は走者を出しながらも粘り強い投球を続けた。その中でも特筆すべきは四回。先頭の森にフェンス直撃の三塁打を許した後、粘りに粘った。その前の打席で本塁打を打たれた山川を空振り三振。続く中村はセカンドフライ。さらにオグレディをファウルフライに打ち取り無失点。この回を無失点に抑えたことで徐々に流れはマリーンズへと移っていった。前回登板となった7月30日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)では5回3分の1を投げて4失点。二軍落ちをする悔しい想いをした。しかしリベンジの機会はすぐに訪れた。新型コロナウィルスで投手陣に離脱が相次ぎ、特例2022で再昇格。その好機をしっかりと掴んだ。

 八回に逆転の場面で小島はベンチ裏でスタンバイするレアードに声をかけた。「お願いします」。頼れる助っ人は「OK。任せてくれ」と言って、約束通りに打って帰ってきた。「本当に打ってくれた。嬉しかった」と小島は振り返る。逆転した直後の八回も先頭に出塁を許すが後続を断ち、左手で大きくガッツポーズを見せ、吠えた。気迫の表情だった。

 「小島が、しっかりと投げてくれた。今日は強気のピッチングでしっかりと投げ込んでくれた。どうしてもいつも逃げの投球で不利なカウントになってしまう。カウントをしっかりと自分で整えてくれた。気持ちがこもっていたと思う。ミーティング通りの配球でバッテリーがしっかりとやってくれた。ずっと逆転負けが続いていた。しっかりと守り切って勝つことができた」と井口資仁監督。試合後の指揮官は安堵の表情を浮かべながら駐車場へと向かう長い階段を軽い足取りで登った。

 3連敗。苦しい展開の多い負けが続いた。この日も先制を許し、嫌な雰囲気となった。しかし2人の男が空気を一変させた。打ではレアード。そして投の小島。2人があわや消えそうになった頂点への道を再び灯してくれた。頂点を、つかむ。最後まで諦めないマリーンズの真骨頂ともいえるゲームだった。

 「レアードは狙い球を絞って自分の有利なカウントでしっかりと振れた。明日はプロ初先発の森なので、みんなでしっかりとバックアップして、繋いで勝ちたい」

 指揮官は手ごたえを口にし、このカードの勝ち越しを約束すると実に6月10日のベイスターズ戦以来の勝ち投手となった小島もヒーローインタビューで「明日も勝ちます!」と宣言した。

 ピンチの後にチャンスあり。重苦しい展開となっていた試合は最後の最後でマリーンズが底力を見せつける形で幕を閉じた。マリーンズの粘りと集中力。首位のライオンズに5・5ゲーム差と迫った。獅子の尻尾をつかみ、追い抜く。最後に頂点に立つのはマリーンズ。残り44試合。ここからは勝利への気持ちが強いチームが勝つ。魂と魂のぶつかり合いを制し、マリーンズがまだ見ぬ頂点へと向かう。
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