早大応援部 野球早慶戦前の風物詩「早慶合同デモスト」が3年ぶりに復活!  

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

早慶合同デモンストレーション 5月26日 早稲田キャンパス3号館前
早稲田スポーツ新聞会 (記事 横山勝興、写真 安齋健、宮島真白、松平将太朗、取材 藤田珠江)

 早慶戦前の風物詩・早慶合同デモンストレーション(デモスト)が都の西北に帰ってきた。新型コロナウイルスの影響で昨年、一昨年は開催中止となり、3年ぶりの開催となった今回のデモスト。事前に開催を知りスタートを待っていた人々はもちろん、普段のキャンパスとは異なる光景に遭遇した学生も足を止める。3号館前から大隈銅像前に至るまで多くの観客がつめかけた。デモストでは、早慶戦を前に早稲田大学応援部と慶應義塾大学應援指導部が伝統の応援曲を次々と披露。昼休み時間の開催ということもあり、およそ30分間の開催ではあったが、駆けつけた観客を大いに楽しませた。

 12時15分、「お願いします!」の掛け声とともに早慶の校旗、塾旗が掲揚される。直後には慶應の第一応援歌『若き血』と早稲田の第一応援歌『紺碧の空』のサビが演奏され、今年のデモストは開幕を告げた。慶應のリーダーと早稲田のリーダー・宮下陽三(社3=長野・屋代)による司会進行が開始されると、最初に『若き血』と『紺碧の空』の1番が順に演奏される。『紺碧の空』のセンターリーダーは、梶野優介連盟常任委員(創理4=東京・早大学院)。3年ぶりにデモストを開催できる喜びを胸に、堂々たるテクを見せた。

『紺碧の空』のテクを振る梶野連盟常任委員 【早稲田スポーツ新聞会】

 続いて披露されたのは、両校の学生注目(学注)と応援曲メドレー。先に慶應が『突撃のテーマ』『コールケイオウ』『ダッシュケイオウ』を始めとしたメドレーを披露すると、早稲田のリーダーとマスコットキャラクター・わーおくんも横で拳を上げて盛り上げた。そして早稲田のメドレーは、早慶戦限定のセーターを着用し「打倒慶應」のハチマキを巻いた木部昌平応援企画責任者(教4=埼玉・昌平)がセンターリーダーを務めた『Blue Sky WASEDA』で幕を開ける。木部が先陣を切って学注とセンターリーダーを務めると、リーダー4年生が次々にセンターリーダーとなり早稲田を代表する応援曲を披露した。その背後では、チアリーダーズと、リーダー下級生の屏風拍手でステージを盛り上げる。特に、チアリーダーズは新型コロナウイルスの影響でスタンツの中止を余儀なくされた時期に鍛えた、スタンツに頼らないダンスでパフォーマンスを全うした。『コンバットマーチ』を迎えると、4年生部員が一斉に登場。まずはチアリーダーズ4年生が『ユニフォームセット』を身にまとい、そろった突きを見せる。すると今度は入れ替わったリーダー4年生9人が気合のこもった突きを見せ、メドレーを締めくくった。

司会進行を務めた宮下 【早稲田スポーツ新聞会】

 デモストの最後の曲はもちろん、『早稲田大学校歌』である。中央に立ち力強くテクを振る齋藤巽代表委員主将(教4=青森)と拳を振る部員たち。早慶戦への機運を最大限に高めると、最後には早慶戦での2連勝を誓い、デモストは幕を閉じた。

校歌のテクを振る齋藤主将と部員たち 【早稲田スポーツ新聞会】

 応援部にとって念願の開催となった今回のデモスト。久々にハリセンを持った観客とともに応援活動をつくりあげた。また、早慶両校は自らの勝利だけでなく互いの健闘を祈り、好敵手としての一面も見せた。今季の早慶戦では、観客席の前に設置される指揮台がついに復活。応援部が観客と一体となり、本領を発揮する準備は整った。齋藤が「慶應だけには負けられない」と語るように、早慶戦は絶対に負けられない戦い。ここまで東京六大学春季リーグ戦で5位に低迷する鬱憤(うっぷん)を晴らすべく、応援部員たちは神宮球場のグラウンドに全力でエールを送る。

コメント

齋藤巽代表委員主将(教4=青森)

――3年ぶりの早慶デモストを終えて率直な感想はいかがですか

 本当にたくさんの方に見に来ていただいて嬉しかったです。「早慶戦に行きたい」と思ってもらえればいいなということもありますが、それ以上に「応援っていいな」、「応援部っていいな」と感じてほしいなと思っていました。

――どのようなことを意識してデモストに臨みましたか

 3年ぶりでしたが、特別意識することはありませんでした。ですが、自分の気持ちを曲や突きにのせて、見に来てくれた人を引きつけることは意識しました。

――観客の方々との久々の応援活動はいかがでしたか

 声が出せなかったり、拍手で観客をあおることができなかったりして制約はありましたが、いろいろな人と心を共鳴させ、お互いの気持ちを感じながら気持ちを高めていくことが応援だと思っているので、久々にその感触を味わうことができました。

――今回の早慶戦にあたって、応援部全体で特別に意識されていることはありますか

 応援の方法が今までのリーグ戦から大きく変わって、指揮台を出して従来の早慶戦の外野応援席に近いかたちで応援できることになりました。ただ、観客の方をあおれず、ずっとグラウンドの方を向いて応援をしなければならないという制約があるので、そこは(観客の方に)理解してもらえたらなと思っています。あとは、観客の方にアプローチが直接できないなかで、「思わず一緒に応援したい」という気持ちにさせられるような応援をつくりあげようと思っています。

――リーダーに意識してほしいことはありますか

 リーダーは球場の雰囲気を変える力があるので、自分の力で、リーダーの力でチームが劣勢のときに自分がまずは一歩頑張って、周りを頑張らせたいです。観客を驚かせられるような応援で選手に最終的に気持ちを伝えていくことをリーダーには意識してほしいです。

――最後の春早慶に向けて意気込みをお願いします

 順位は決まってしまいましたが、「我々は早稲田なので慶應だけには負けられないぞ」ということを言い続けてきたので、挑戦者の気持ちで泥臭く応援活動に励んでいきたいと思います。次のシーズンに向けてはずみをつける一戦にもなると思っているので、なんとか勝って次のシーズンでの優勝に向けていい一歩を踏み出せるようにしたいです。


梶野優介連盟常任委員(創理4=東京・早大学院)

――3年ぶりの早慶デモストを終えて率直な感想はいかがですか

 この春は法政大学などがリーグ戦の初戦からデモストをできていたなかで、我々も少し遅れてはしまいましたが、こうしてデモストができて、私たちが新人だった頃の一つの文化を復活させられたことは心からうれしく思います。

――どのようなことを意識してデモストに臨みましたか

 観客の方に楽しんでもらいつつ、そのなかでも感染症対策を徹底して頑張っていました。

――観客の方々との久々の応援活動はいかがでしたか

 まだまだ声が出せないなかで、完全なかたちではありませんでしたが、それでも少しでも応援部の力を観客の方々に感じていただければいいなと思います。

――連盟常任委員としてはどのようなお仕事をされていますか

 私の所属が東京六大学応援団連盟なので、早稲田大学と応援団連盟をつなぐ役割をメインにしています。リーダーとしては、このようなデモンストレーションの場や、神宮球場で試合前にお互いの第一応援歌を交換しあうときに第一応援歌の『紺碧の空』を振らせてもらっています。連盟のなかでの応援部の代表という立場でやらせてもらっています。

――最後の春早慶に向けて意気込みをお願いします

 今まではずっと外野でお客さんがいないなかでやってきましたが、今回からついにお客さんの近くでできるようになったので、これまでの外野応援で培ってきたものを全部出して、今までの応援部とはまた違ったところを見せていきたいです。


小林里紗子連盟常任委員(法4=東京・大泉)

――3年ぶりの早慶デモストを終えて率直な感想はいかがですか

 たくさんのお客様に囲まれて演技を見ていただく場がかなり少なくなっているなかで、率直にうれしい気持ちが一番にあります。やはり応援してくださる、見てくださる皆さんあっての我々応援部だということを感じられたデモストになりました。

――どのようなことを意識してデモストに臨みましたか

 まずはお客様あっての我々応援部であることを4年生を含め全体でそういったことをもう一度感じてほしいと思っていました。また、下級生がなかなか今までそういったことに気付く場面がなかったと思うのですが、お客様の温かさや応援の良さを感じてもらえていたらいいなと思います。

――観客の方々との久々の応援活動はいかがでしたか

 私たちの応援を軸にして、皆さんが一緒になって楽しんでくれている様子を見られたことが非常にうれしかったです。私が思っているのは、応援というのは精神的な活動ですし、正解もないですし、強制されるものでもありませんが、私たちの「早稲田が好きだ」、「応援したい」という気持ちがお客様に伝わった結果、お客様に楽しんでいただけたのかなと思います。心が通ったことを感じられてすごくうれしかったです。

――応援活動の際に、吹奏楽団内で特別に意識されていることはありますか

 吹奏楽団は数年前に比べて入部者が非常に増えてくれたこともありまして、まず団体としての規模感が非常に豊かになりました。それによって、奏でられる音楽の迫力も非常に高まっていると思います。そういった上で人数の多さに甘んじるのではなくて、一人一人の技術を磨くことによってより選手の皆さまの背中を押せるような演奏をすることを吹奏楽団として意識しています。

――最後の春早慶に向けて意気込みをお願いします

 まずは「打倒慶應」が一番です。また、私は4回目の春早慶で最後になるのですが、4回のなかでさまざまなことを上級生や周りの同期、あるいは周りの下級生から学んできたことを全て出し切れる早慶戦にして、結果的に選手の方も力強く後押ししたいと思っています。


糸井里彩子連盟常任委員(政経4=東京・早実)

――3年ぶりの早慶デモストを終えて率直な感想はいかがですか

 久しぶりにこれだけのお客さんに見ていただいて、すごく気分が高揚しましたし、下級生にその景色を見せてあげられたことは非常に良かったと思います。

――どのようなことを意識してデモストに臨みましたか

 お客様の方々に支えられているのもそうですし、まず前提としてコロナ禍で実施させていただいていることに対して大学にも感謝の気持ちがあります。また、通路を慶應側と早稲田側で分けるなどのコロナ対策も最初に気をつけたことだと思います。

――観客の方々との久々の応援活動はいかがでしたか

 応援は自己満足と言われてしまうことが多くて、特に外野応援になってからは自己満足の部分がかなり増えてきてしまっていると感じていたのですが、やはり応援というのは精神のためのものなので、お客様の力を借りて選手に届けられればいいなと思いました。

――パフォーマンスの際に、チアリーダーズ内で特別に意識されていることはありますか

 チアリーダーズはコロナがはやり始めた頃にスタンツという人を上げるパフォーマンスができなくなった時期があったので、その時期に平場(でのパフォーマンス)を究めました。全体的に踊りの統一点などをそろえることを意識しています。

――最後の春早慶に向けて意気込みをお願いします

 まずは感謝の気持ちを忘れずに早慶戦に挑みたいと思っています。3、4年生時にさまざまな役職に就かせていただくなかで、応援部全体が見えてきて、周りには支えてくださっているたくさんの方々がいらっしゃることにも気づくことができたので、下級生にも伝えていきたいと思っています。また、今まで1つ上の方々や、2つ上の方々は指揮台に乗って演技をすることができなかったにもかかわらず、上級生は今回の指揮台の復活に喜びのメッセージをくださったりするので、そういったことへの感謝も忘れず、みんなで心を一つに気合を込めて応援していきたいと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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