#15竹内、#20合田、#33ブラウンが 今季の最後を笑顔で終わることを誓う

大阪エヴェッサ
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昨秋に幕を開けた2021-22シーズンも、今節のホームゲームがレギュラーシーズン最終戦。昨季は西地区2位でチャンピオンシップ進出を果たしたエヴェッサだったが、振り返れば今季は苦難に次ぐ苦難に見舞われた不幸なシーズンだった。

チーム作りの基礎段階の晩夏にコロナ禍に見舞われて、やむなく活動を自粛。再開後も#31木下誠が練習中にケガを負い、プレシーズンゲームで#13中村浩陸が負傷するなど、開幕を前にメンバーが揃わない状態での船出となってしまった。

それでも開幕戦のシーホース三河戦に勝利。しかしチームが不完全な状況であることは否めず、開幕からの10試合で昇格チームの信州ブレイブウォリアーズに連敗を喫するなど、4勝6敗とつまずいてしまう。この時期、昨季に続いてキャプテンを務めた合田怜はリハビリの過程にあり、開幕節を欠場。以後もプレータイムに制限を設けながらの出場と、もどかしい時間を過ごした。

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「僕もでしたが今季は開幕からメンバーが揃わず、スタートから苦しかったのは事実です。それは確かにそうですが、プロである以上はどんな言い訳もできません。試合に出られるメンバーでやって、結果も残さないといけない。開幕当初の僕はキャプテンでありながらケガ明けということもあって、自分のことにいっぱいいっぱいになっていました。そこで周りの人の助けを借りながら、上手くやれれば良かったなと、今では思います」(合田)

合田はキャプテンとしての責任感から、思うように好転しないチーム状況に対して、責任感という重い荷物をひとりで背負い込み過ぎてしまった。

「そうですね。とくにジョージ(竹内譲次)さんらは助けてくれようとしていたのですが年齢の差があったり、今季初めていっしょにやるので、ちょっと気を遣った部分もありました。もっと頼っていけば、自分としても楽にできて、チームにいいものをもたらせたのかなと思います」(合田)

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一方で期待の新戦力として加わった竹内譲次も、序盤戦は新しい環境へのアジャストに苦心する。開幕戦こそ24分に出場したが、以後は10分未満の出場に終わる試合もあった。

「移籍は過去に一度経験していて(日立サンロッカーズ東京から、Bリーグ開幕の2016年にアルバルク東京へ)当時はあまり感じなかったのですが、時間が経って振り返ると、今思えば以前も移籍1年目は苦労した。そういうことを思い出しながら、プレーしていましたね。そのころのパフォーマンスは、クラブやファンが僕に期待していたものもそうですし、自分が思い描いていたものとも違った。ギャップがあったというのが、正直なところです」(竹内)

11月に入って復帰間近と目されていた#14橋本拓哉が、練習中にアキレス腱を再断裂するアクシデントに見舞われたが、それを乗り越えてチームは11月以降に3連勝、4連勝を記録した。しかしこの間に新外国籍選手の#34ペリー・エリスが負傷で戦列を離れ(その後、1月に佐賀バルーナーズに期限付き移籍)、#10デイビッド・ドブラスを緊急獲得。

さらに1月にはインサイドプレーヤーの#24カイル・ハントまでもが戦線を離脱し、以後に7連敗とチームは勝利から見離される。この連敗の間には今季の西地区を制した琉球ゴールデンキングスに、アウェイで49-96と完敗を喫したゲームがあった。この試合こそが竹内にとって、自身のターニングポイントになったのだと言う。

「琉球にボコボコにされたあの負けを受けて、自分をチームにどう合わせていくかより、自分自身がもっと成長しないといけないという気持ちが大きくなったんです。その後にバイウイークの期間があって、そこでしっかりと練習を積むことができた。あそこが自分のなかで、吹っ切れるきっかけになったかなと思います。それまでは自分のなかで、『エヴェッサはこうプレーするチームだ』という固定観念ができ上がってしまっていましたが、それを自分で壊せた。その意識が変わったのが、自分にとってプラスになりましたね」(竹内)

これを機にプレータイムは再び増し、後半戦以降はコートにいなくてはならない選手のひとりである立場を確たるものとした。そればかりか、長く日本代表選手であり続けた経験は、後に続く若手選手にも大きな影響を与えている。

「僕はエヴェッサで1年目だったので、選手全員と初めて顔を合わせる状況でした。だけどエリエット(#3エリエット・ドンリー)は、初めて会ったときからすごい選手だと思っていたんです。彼にもナショナルチームをねらえる選手だと伝えていますし、本人もそういう志でやっている。彼がそこに向かって一歩ずつ近づいていってるのはすごいことですし、僕も頑張ってほしいと思います。自分もその場所でやっていたので、彼が今後どういう成長していけばいいかのアドバイスができると思いますし、そういう補助的な意味でも、彼がその位置にたどり着けるようにしたい。ひいては、それがチームの底上げにもなりますから」(竹内)

今季は不運が重なり、残念ながらチームとしての結果は残せなかったが、若手に成長の機会が多く与えられたのはポジティヴな要素。それはプレーヤーとして同じ目線でコートに立ち、同時にキャプテンとして俯瞰的にチームを捉える合田も同じ感想を抱く。

「良くないことばかりが続いたシーズンでしたが、ひとつ良かったのはケガで離脱した選手が多かったけど、健康でいて試合に出られたメンバーはすごくステップアップできていると思う。エリー(#3ドンリー)はその筆頭で、昨季と比べるとすごく伸びた。ヒロム(#13中村浩陸)もそうですし、最後にケガをしてしまいましたがマコト(木下誠)もそう。ほかにも普段なら、なかなかプレータイムがもらえない選手たちも出場機会を得て、成長するきっかけになった。みんなが与えられた仕事をこなそうと、努力してきました。やっぱり人って責任を与えられないと、伸びていかないと思うんです。自由にやらせてもらえるより精神的にシンドいけど、いろんなプレッシャーがあるなかでやることで、みんな確実に成長した。来シーズン以降につながる、大きくステップアップするためのシーズンになったと感じています」(合田)

この週末は、ついにレギュラーシーズン最終戦。つねにチームの先頭に立ち続け、エヴェッサ在籍3シーズン目を迎えたアイラ・ブラウンは、特別な思いを口にする。

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「自分でコントロールできないことも多くて、苦しいシーズンだった。控えめに言っても、僕のキャリアで最悪のシーズンだったと言えるだろう。だけど最終戦に向けてただひとつ言えるのは、とにかくハードにプレーすること。新潟アルビレックスBB戦では何度かディフェンスで抜かれる場面もあり、自分のベストを尽くせたとは言い難い。プロとして、そういうことは許されない。自分でコントロールできないことはあるが、一生懸命にやる姿勢と気持ちは自分でコントロールできる。それを全面に出して戦っていくことを誓うよ」(ブラウン)

最後を勝って終わりたい。その思いは、竹内も同じだ。

「ずっと連敗してしまっていて、僕らもそうですし、悔しい思いをしてきたファン・ブースターのみなさんも最後に勝利したシーンを見たいはずです。最終戦がホームであることは、いい機会。名古屋ダイヤモンドドルフィンズは素晴らしいチームで、今シーズンは彼らに一度も勝てていませんが、一生懸命にやれば必ずチャンスがある。ケガ人が多くて厳しい状況ではありますが、それを言い訳にせずに僕たちはやってきた。最後まで残ったメンバーで100%の力を出し、全員の力を合わせてせて戦っていきます」(竹内)

チーム状況が厳しいことに変わりはないが、それでもキャプテンの合田は前を向く。

「全員で勝ちにいってこの連敗をファン・ブースターのみんなと、チームみんなで止められたら、すごく盛り上がると思うんですよ。もう、ひとつの勝ち負けは順位も変わらないし、大きな影響はないのかもしれません。だけどひとつの勝利をみんなで分かち合って、ファン・ブースターのみんなと盛り上がりたい。苦しいシーズンでしたが、最後は笑顔で終わりたい。そのために、僕たちは全力を尽くします」

最終戦の相手は、リーグ上位の難敵である。だが、たとえ手負いといえどエヴェッサは死力を尽くし、ファン・ブースターと笑顔を分かち合うために戦う。
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著者プロフィール

2005年にクラブ創立。七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様」を大阪では親しみを込めて「えべっさん」とお呼びするところから、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い「大阪エヴェッサ」と命名。 同年にスタートしたbjリーグで開幕から3連覇を成し遂げる。 2016年9月に開幕した男子バスケットボールの最高峰・Bリーグでは、ホームタウンを大阪市とする大阪唯一のクラブとしてB1に参戦。

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