無念の途中帰国となった“神”が力強く宣言 「もっと強くなってコートに戻ってくる」 #25ディージェイ・ニュービル

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1試合平均23.1と無類の得点力を発揮し、先頭に立ってチームを牽引していた#25ディージェイ・ニュービルがアクシデントに見舞われた。4月6日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で左ヒザを故障。全治3ヶ月と診断され、今季中の復帰がかなわないことから早期に帰国し、リハビリに集中することになった。ディージェイ自身はすでにアメリカに帰ったが、帰国前に残した“神の言葉”を届けよう。

「プレー中のアクシデントとはいえ、ケガをしたのはやっぱり辛いね。自分のキャリアのなかで、これほど大きなケガをするのは初めてだったので、精神的にかなり厳しかった。今は少し良くなってきていて、いいリハビリの環境でしっかりと鍛え直すことに集中している。来シーズンはもっと強くなってコートに戻ってくると確信しているので、それを楽しみにしているよ」

昨季はファン・ブースターから“神様、仏様、ニュービル様”と崇められた彼の活躍もあって、チャンピオンシップ(CS)進出を果たす。しかし今季は開幕からの10試合で4勝6敗と、スタートでつまずいてしまった。

「今季のチームはスロースタートだったけど、時間を追うごとにかなり良くなっていった。昨シーズンと比べてロスターが多く変わったので、そういうところがスロースタートにつながってしまったのだろう。チームは正しい方向に進んでいたけど、良くなるまでに少し時間がかかりすぎた。その影響で、CSに届かない現状になってしまったのかなと思う」

今季の開幕前にエヴェッサは外国籍を含めて、8人の選手が入れ替わった。ゲームをコントロールするポイントガードの背番号25にとって、その影響はとくに序盤戦に少なからずあったのではないか。

「そうだね。今までにはなかった影響が、自分にはあったと思う。開幕当初の僕らは、かなり小さいチームだった。Bリーグでしっかりと戦い抜くには、いいビッグマンが必要。今季のチームはスモールラインナップから始まったので、その影響が自分にとっていちばん大きかったね」

あの選手の不在も、チームにとってはもちろん、ディージェイにも大きな影響を与えた。

「タクヤ(#14橋本拓哉)は今のロスターにいる日本人のなかでも、かなり良い選手。彼がコートにいないことは、大きな影響があった。チームリーダーとしての自分に影響があっただけじゃなく、チーム全体がどうプレーするかにも影響があったと思う」

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試合中のコート上は歓声や音楽の影響で、ベンチからの指示がプレーする選手たちに届き辛い環境にある。チームが混乱に陥りそうになったとき、そこに正しい道を示す神の声が響く。

「練習中はコーチがいて、いつでもコーチの声が聞こえる。だけど試合中はそうはいかなくて、なかなか声が通る環境ではない。だからコート上のだれかが、コーチにならなければならない。そんなときに僕がみんなを落ち着かせたり、共通理解を持ってプレーをするようにしていたんだ。これは今シーズンに限ってのことではなく、僕はリーダーシップを持って生まれた人間。これまでも、ずっとそうやってきた。チームリーダーとしての働きも、今シーズンの自分の大きな役割だったし、それに対してコーチ陣もかなり感謝してくれていた。それをやらせてくれたコーチ陣に、僕も感謝しているよ」

日本を含めてこれまでに8ヶ国を渡り歩き、長いキャリアを重ねてきた。そんな彼はエヴェッサでプレーして2シーズン目の今季に、バスケットボールに関わるうえでの新しい楽しみを知ったと言う。

「今シーズンはロスターが大きく変わったけど、そのなかで若手選手の成長を見られたことが楽しかったよ。ヒロム(#13中村浩陸)やエリー(#3エリエット・ドンリー)、新しく加わったマコ(#31木下誠)も活躍したし、それにレイ(#20合田怜)も長いリハビリから復帰した。とくにマコのプレースタイルは、強く印象に残ったよ。今シーズンは、若い選手が成長する姿を見る楽しみを知ったね」

残念ながら途中離脱となったが、今季の自身のプレーには確かな手応えを得た。

「僕はいろいろな分野で活躍できる選手だと思うし、リーダーシップを持ってほかの選手とコミュニケーションを図ることでも、今シーズンは自分の能力をしっかりと発揮できたと思う。シーズン中も周りの選手がどんな練習をすれば、もっと活躍できるようになるかを考えながら接してきたんだ。またスコアリング能力は僕の持ち味で、エヴェッサに来るまでもつねに強みだった。今季はそれを生かして、よく得点が獲れたね」

シーズン終了を待たず帰国することについて訊ねると、あらためて無念の思いが込み上げる。

「もちろん、こういう形でシーズンを終えるのは、本当にやりたくなかったことだよ。だけど自分にとってはリハビリに入るのに、精神面で準備をする時間が取れた。それにこれから家に帰るので、家族の近くにもいられる。家族はいつもサポートしてくれて、僕にとって最善のことを願ってくれる存在。そういう人たちといっしょにいることも、良いリハビリができることにつながると思う。また、シーズン途中でアメリカに帰ってリハビリをするアイディアをくれた、クラブにも感謝したい」

閉幕を前に帰国の途につくことになってしまった彼は、残りのシーズンを戦う仲間にメッセージを残した。

「今までチームとして培ってきたものを継続して築いていってほしいし、全員にもっと上手くなる目標があるので、毎日の練習でそれをしっかりと行ってほしい。記録やあと何試合あるとかは気にせずに、毎日全力で一生懸命プレーすることに集中してやっていけば、これからも良いチームになれると思う。それを続けて、これまで困難な状況でもサポートし続けてくれたファン・ブースターのみなさんに、良い姿を見せてあげてほしい。そう願うに値するほど、みなさんは熱心に応援してくれたんだよ」

今シーズンは、間もなく幕を閉じる。新たなシーズンが開幕する今年の秋に、“神”はどの街にいるのか。

「それはもちろん、大阪だよ。絶対に大阪。もうほかのチームでプレーしたくないと思うほど、大阪に心を奪われている。2年暮らして、大阪の街に愛着も湧いたしね。大阪は本当に素晴らしい街だし、僕を良く扱ってくれる。このクラブのスタッフやマネジメント、ファン・ブースターのみなさんも素晴らしい。みんなが僕を大切にしてくれていて、自分のことを良い価値がある人間だと扱ってくれる。それがすごく、うれしいんだ」

最後に、ディージェイがファン・ブースターに、ぜひ伝えてほしいと残したメッセージを紹介しよう。

「今季もサポートしていただき、本当にありがとうございます。みなさんの温かい声援に、毎日感謝しています。来シーズンは今よりもっと強くなった姿をお見せして、必ずCSに出場してプレーできるように頑張ります。それでは秋に、またお会いしましょう!」
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著者プロフィール

2005年にクラブ創立。七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様」を大阪では親しみを込めて「えべっさん」とお呼びするところから、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い「大阪エヴェッサ」と命名。 同年にスタートしたbjリーグで開幕から3連覇を成し遂げる。 2016年9月に開幕した男子バスケットボールの最高峰・Bリーグでは、ホームタウンを大阪市とする大阪唯一のクラブとしてB1に参戦。

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