島田譲選手発案企画「アルビジョブスク」インタビュー Vol.3 島田譲選手

アルビレックス新潟
チーム・協会

【©ALBIREX NIIGATA】

「アルビジョブスク」へのチャレンジ

「子ども向けにパートナー企業の職業体験をやりたい」と島田譲選手から相談があったのは2021年11月上旬のことでした。「継続的に実施したい」「パートナー企業の大切さ・ありがたさを感じているので、一緒に取り組みたい」という強い意思を受け、クラブも協力してチャレンジしたのが、12月18日(土)に実施した「アルビジョブスク〜ユズの恩返し〜鎌ケ谷巧業株式会社編」でした。

今回のイベントを発案・企画した島田譲選手に、改めて今回のイベントを振り返ってもらいました。今後の構想や、現役のプロサッカー選手という立場から、主体的に社会連携活動に取り組む意義についても語ってくれました。

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---改めて「アルビジョブスク」を振り返って、今どんな気持ちでいますか?
当日の子どもたちの表情の変化や、終了後のアンケートやSNSの反応を見ても、僕が狙っていたイベントにできましたし、価値を届けられたと思っています。今後、より良くしていくために、継続的に活動できたらいいなと思います。

---準備で苦労したことはありますか?
「子どもたちに何を伝えるか」という点ですごく悩みました。「いかに鎌ケ谷巧業さんを知ってもらうか」というイベントですので、最初は自分なりに勉強して、鎌ケ谷巧業さんについて話すことも考えましたが、(イベント当日に鎌ケ谷巧業さんからの説明を通じて)知ってもらったうえで、「それぞれのキャリアについてどう考えるか」という話ができればいいと腑に落ちました。そこからは、すんなり進みましたね。

---「給食にコッペパンが出るまで」という例えも分かりやすかったですが、資料はすべて島田選手が自力でつくり上げました。今まで、そういった経験はありましたか?
(コッペパンの例えは)ヒントをもらったりしました。V・ファーレン長崎でプレーしていたとき(2017〜19シーズン)に、学校の授業で話す機会があって、つくった経験があります。A-MAP(現役・元アスリート向けに、年間通じて多様なアプローチで実践的に学ぶカリキュラム。島田選手は第1期生)でもつくった経験は何度もあります。見やすい資料をつくるのは、あまり得意ではないと思いますけど(笑)。

---チームメイト、ご家族など周囲の反応はいかがでしたか?
正直、チームメイトにはまだ理解してもらっていない部分があります。僕だけの活動にすべきではないと思いますし、いろいろな選手を巻き込めれば。その方が、影響を与えられる範囲がすごく広がると思いますので、やっていきたいですね。
ありがたいことに、SNS等を通じて、多方面からポジティブな反応をいただきました。引き続き、参加する子どもたちや企業様にとって価値のあるイベントにすることで、巻き込む人の数も幅も増やしていけると思っています。
具体的には、教育委員会など行政とも協力できたらいいですね。「社会科見学=アルビジョブスク」みたいな!

---イベント後、自分自身に感じている変化はありますか?
今回の経験で一番大きかったのは、「ホストとしてイベントを企画から立ち上げて実施した」ことです。プロサッカー選手として活動している中では、なかなかできない経験でした。イベント当日に雪が降り積もりましたけど、そのときの「みなさん来てくれるのかな」という不安な気持ちは、ホストとして実施したからこそ感じられたものです。
僕たちプロサッカー選手は、何をするにも環境を整えてもらって、プレーも生活もいい状態をつくってもらっていることに改めて感謝しています。自分がホストの意識を持って行動することは、忘れないようにしないといけないと思いました。
例えば、試合当日に悪天候に見舞われることがありますよね。正直に言うと、選手はスタジアムに足を運ぶお客さんのことまで、考えが及んでいないところがあります。自分がいいプレーができるか、ピッチコンディションなどを気にするのは、立場上当たり前ですが、クラブではお客さんのことを考えている人はいるわけですよね。そう考えると、いろんな行動も変わってくるし、今日(インタビューを行った2月16日(水)は、ピッチに雪が降り積もる中で行われた)も大雪に見舞われましたが、U-18の選手やスタッフの皆さんが雪かきをしてくれたのも当たり前ではありません。今まで以上に、自分自身が一番気づくようになりました。

島田選手に話を聞いた2月16日(水)は積雪・降雪に見舞われて、チームスタッフだけでなくU-18の選手たちやフロントスタッフも除雪を行っていました。 【©ALBIREX NIIGATA】

---今後の構想について教えてください。
まだ1回しかやっていないので、どんどん回数を重ねていきたいですし、いろんな選手やパートナー企業を巻き込んでいけたらいいなと考えています。
(アルビジョブスクは)参加する側も、企画する側もハッピーになる企画だと思っています。参加する動機は「アルビが好き」「〇〇選手に会いたい」でいいんです。参加することを通じて、知ることができればいいと思っています。選手も、最初はもしかしたら面倒だと思うかもしれませんが、やってみると子どもたちの笑顔が見られて、保護者の方々に会えて感謝していただけて、自分の価値を再確認できる機会になります。やってみる、まずは機会をつくることが大事だと思います。うまくみんなを巻き込んで、やっていきたいと思います。

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---今回のイベント企画・実施を通じて、現役のプロサッカー選手という立場から、主体的に社会課題に対してアプローチをしていました。社会連携活動に取り組む意義を聞かせてもらえますか?
昨年、A-MAPで学んで、自分自身について考えたとき、僕はプロサッカー選手としても、ひとりの人間としても、「周囲の人に自分の言葉や行動で、いい影響を与える人間でありたい」という自分の明確な軸ができました。自分がプロサッカー選手でいることは、周りにとって影響力が大きいですし、フルに活用すべきだと思ったんですよね。
それで、自分に何ができるかと思ったら、新潟でプレーする時間を通じて、「サポーターやパートナー企業の皆さんに支えていただいている」と本当に感じているので、そういう人たちに対して、いい影響を与えられないかというところからスタートしました。
自分やクラブが持っている影響力を、プレー以外のところでも発揮していきたいですね。

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「アルビジョブスク」は、2021シーズンに行われたJリーグクラブの活動の中から、特に社会に幅広く共有したい活動を表彰する「2022 Jリーグシャレン!アウォーズ」に、アルビレックス新潟の代表的な活動としてエントリーいたしました。
ファン・サポーターの皆さまが「魅力的」「応援したい」と感じた活動に投票をしていただく一般投票は3月1日(火)からスタートし、来週15日(火)18時まで実施されています。「シャレン!/Jリーグ社会連携」Twitterアカウント(@J_League_sharen)の該当ツイート(投票する活動/クラブ)をリツイートいただくことで投票、ご参加いただけます。
「アルビジョブスク」を多くの方に知っていただくとともに、各Jリーグクラブの社会連携活動についても、この機会にご覧になってみてください。
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著者プロフィール

アルビレックス新潟は新潟県をホームタウンとするJリーグクラブ。1996年に創設し、地域リーグやJFLでの戦いを経て、1999年にJリーグに加盟。2003年J2リーグ優勝。04年から17年までの14シーズンに渡りJ1リーグを舞台に戦ったが、同年にJ2へ降格した。20年からはスペイン人のアルベルト監督が指揮を執り、攻撃的で魅力的なサッカーを展開。過去にJリーグの最多入場数の記録を更新したほどの熱いサポーターとともに、再びJ1の舞台を目指して挑戦を続けている。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。

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