島田譲選手発案企画「アルビジョブスク」インタビュー Vol.2 イベントに参加された親子

アルビレックス新潟
チーム・協会

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「アルビジョブスク」に参加してみて

※写真撮影時のみマスクを外しています 【©ALBIREX NIIGATA】

「子ども向けにパートナー企業の職業体験をやりたい」と島田譲選手から相談があったのは2021年11月上旬のことでした。「継続的に実施したい」「パートナー企業の大切さ・ありがたさを感じているので、一緒に取り組みたい」という強い意思を受け、クラブも協力してチャレンジしたのが、12月18日(土)に実施した「アルビジョブスク〜ユズの恩返し〜鎌ケ谷巧業株式会社編」でした。

当日参加したのは、小学5・6年生の親子15組30名。今回、イベントに参加されたSさん親子にお話をお聞きしました。3月に卒業を控え、4月から中学校に進学する息子さんは、アルビレックス新潟サッカースクールに通っていて、サイドのポジションでプレーすることが多く、中学校では部活動でサッカーを続けたいと考えています。お母さまは、息子さんがサッカーを始めたのをきっかけに、アルビレックス新潟を応援するようになったそうです。


---今回のイベントは、お母さんから教えてもらったと聞きました。参加しようと思った理由を教えてもらえますか?
(子)サッカー選手という夢がありますが、植物園の職員さんにも興味があって、将来の夢に悩んでいました。島田選手の言葉を聞いて、自分の考えが変わるかなと思って、行ってみようと思いました。
(親)特に食虫植物が好きなんですが、植物園で職員さんが植物を整えている様子を見たときに、素敵だなと思ったようです。

---イベントに参加してみて、行く前と行った後で、気持ちの面で変わったところはありますか?
(子)島田選手が話していた「みんなにとっての好き・得意・カッコいいを考え続けることが夢や目標につながるよ」というところです。自分に当てはめてみると、食虫植物の他に宇宙も好きだし、国の名前や国旗を覚えるのが得意です。サッカー以外にも、ピアノと剣道を続けています。優しくて、誰でも助けられる人のことをカッコいいと思っています。
(親)ピアノは「音を楽しんでみない?」と薦めましたが、サッカーも剣道も自分から進んで始めました。どれも好きで続けたいようで、一つに絞り切れていませんが、楽しめればいいと思っています。

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---お母さまに質問です。イベント直後から今に至るまで、息子さんに感じていらっしゃる変化はありますか?
(親)イベント直後、「得意なことは何だろう?」と考え出しました。職業で言うと、“素敵”、“カッコいい”、“好き”ということから見つけることが多くて、今も話した通り、「サッカーが好き=サッカー選手」、「食虫植物が好き=植物園の職員」という感じでした。「得意なことは何だろう」「得意なことから考えてみたら、どうだろう」ということをイベントが終わってから考えるようになりました。

小学6年生は、将来について、すごく考えさせられる時期なんですね。この年代で将来を決めるのは酷と言いますか、難しいと思っています。周りの友達が、卒業文集で“将来の夢”について書いたりしますが、「みんな(将来の夢を)決めているんだ」という焦りにも繋がるかもしれません。
将来について考えることに対して悩んでいることは、目に見えて分かっていましたが、ちょうどそういう時期に、アルビジョブスクを目にして、「面白そうだな」と思いました。イベントに参加して、いい意味で肩の力が抜けたと言いますか、楽になったように見えました。それが大きかったですね。職業を絞らなくていいということを知って、楽になったんじゃないですかね。息子自身も「(将来について考えることに)苦しんでいたけど、楽になったのが自分でも分かった」「仕事に対する見方が変わった」と話していました。

---“仕事”に対する見方は、どんなふうに変わりましたか?
(子)イベントに参加する前は、すごく真面目にキリっとやっているのかなと思っていました。「いろいろな仕事や職業が関わっていて、その中で一つでも欠けたらコッペパンが給食に出ないんだよ」という島田選手のコッペパンの話で、どの職業や仕事も大切な存在だと分かりました。

「どの職業や仕事も大切な存在だと分かりました」というコッペパンの話は、島田選手自身で考案した例え話でした。 【©ALBIREX NIIGATA】

---お母さまに質問です。イベント当日、息子さんが「たくさん質問をしていたのが意外だった」とアンケートで答えていただいていました。
(親)親としては、1回くらい発言してくれればいいなと思っていましたが、初めてお会いする方が多い中で積極的に手を挙げて、質問を続けようとする姿に驚きました。その姿にちょっと感動しました。
(子)サッカー以外に得意なことを聞いて、島田選手は「継続すること、続けることが得意」と答えてくれました。いつもは知らない人がいると、質問することはできないです。でも、質問した方が自分のためになると思って、聞きたくなりました。

---島田選手が発案してくれたアルビジョブスクは、今後も継続していきたいと考えています。今後に期待されることはありますか?
(親)(息子さんに)またやりますよとなった場合、参加したいと思う?4月から中学生になるよね。どんな形でやってほしい?例えば、保護者は参加しないとか。
(子)ああ…(笑)。
(親)(保護者と一緒に参加するのは)小学5・6年生がギリギリだと思います。今回は息子に紹介して、自分で行くと決めて一緒に参加しましたが、親子で一緒に参加する・したいという子ばかりではないと思います。
(子)中学生になるので、知らない人同士でも協力し合えるようなこともやってみたいです。
(親)中学生だと、子どもだけの参加にして、バスツアーもいいかもしれません。正直に言うと、鎌ケ谷巧業さんがアルビレックス新潟のパートナー企業であることは知っていましたが、具体的に何をされている企業なのか知りませんでした。インターネットで調べて“鉄”ということは分かりましたが、建物の内側で見えてこない柱をつくっていて、見えないところで重要な役割を果たされていると感じました。どんなことをやっていらっしゃるのか知らないパートナー企業さんもたくさんあります。見えないところで重要な役割を担っているパートナー企業さんのための活動とされるのも、いいかもしれませんね。時間の確保が難しいかもしれませんが、中で働いていらっしゃる社員さんの想いやお仕事のやりがいなどもお聞きできたらいいなと思います。
島田選手もnoteで書いていましたが、選択の幅が広がりますし、知る機会は大切だと思います。息子と将来について考える、話すきっかけになりました。自分ひとりで考えることももちろん大切ですが、「こういうことが得意だよね」「こんな職業もいいんじゃないかな」と話をするいいきっかけだと思っています。話し合い、考え、まとめて、次に向かって動き出すために考える、話し合う時間は幸せな時間です。

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※最終回となる第3回は、島田譲選手へのインタビュー。3月8日(火)に公開を予定しています。
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著者プロフィール

アルビレックス新潟は新潟県をホームタウンとするJリーグクラブ。1996年に創設し、地域リーグやJFLでの戦いを経て、1999年にJリーグに加盟。2003年J2リーグ優勝。04年から17年までの14シーズンに渡りJ1リーグを舞台に戦ったが、同年にJ2へ降格した。20年からはスペイン人のアルベルト監督が指揮を執り、攻撃的で魅力的なサッカーを展開。過去にJリーグの最多入場数の記録を更新したほどの熱いサポーターとともに、再びJ1の舞台を目指して挑戦を続けている。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。

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