【マッチプレビュー】2021年JFL第31節 いわきFC対FC TIAMO枚方
【©︎IWAKIFC】
10月のホーム2連戦でヴェルスパ大分と分け、ソニー仙台FCに敗れたいわきFCは、10月30日の第28節・ラインメール青森戦を6対1の大差で制して復調。東京武蔵野ユナイテッドFCに勝利して4位以内=J3昇格を内定させ、第30節・FC刈谷とのアウェーゲームに2対1で勝利。3連勝で再び勢いに乗った。
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FC TIAMO枚方は、大阪府枚方市、寝屋川市、交野市を中心とした北河内地域をホームタウンとするクラブ。「TI AMO」とはイタリア語で「愛している」という意味。
2004年にガンバ大阪のチームメイトだった稲本潤一・新井場徹・播戸竜二の3選手が共同オーナーとして設立した「FCイバンイーナ」をオリジンとし、大阪府リーグ5部からスタート。2006年にクラブ名を「FC TIAMO」に変更。2011年に運営法人として株式会社FC TIAMOを設立し、大阪府リーグ1部に昇格を果たす。
2015年に「枚方からJリーグ」「枚方の街作り」というスローガンのもと、クラブ名を「FC TIAMO枚方」とし、関西リーグ1部に昇格。
チームはここからJFL昇格に向け、雌伏の時を過ごす。
2017年は関西リーグ1部で2位に終わるも、第53回全国社会人サッカー選手権大会で4位に。いわゆる"全社懸け"でJFLへのラストチャンスをモノにし、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2017に初出場。だが1次ラウンドで敗退。
2019年は関西リーグ1部2位。再び全社懸けで第55回全国社会人サッカー選手権大会に挑み、見事優勝。全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2019に進出し、秋田県にかほ市で行われた1次ラウンドBグループのリーグ戦でVONDS市原FC、北海道十勝スカイアースに連勝。決勝ラウンド進出に王手をかけた。
この時、行く手を阻んだのが東北王者・いわきFCだった。
引き分け以上で決勝ラウンド進出となる2勝の枚方と、勝利がマストとなる1勝1分けのいわき。試合はFW赤星魁麻(現在は高知ユナイテッドSCでプレー)と平岡将豪がそれぞれ2ゴールを挙げたいわきが4対2で勝利。グループ1位で決勝ラウンド進出を決めた。
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その後、いわきFCはJヴィレッジスタジアムで行われた決勝ラウンドを無敗で制し、JFL昇格。2位に入り、いわきとともに昇格したのは高知ユナイテッドSC。FC TIAMO枚方は、地域CLの壁に再び押し返された。
捲土重来を期して臨んだ2020年シーズンは、関西リーグ1部で初優勝。王者として3度目の地域CLにチャレンジし、1次ラウンドを2勝1分で首位通過して決勝ラウンド進出。初戦で北海島十勝スカイアースを5対0で破り、その後2試合を引き分けた。結果、枚方、FC刈谷、栃木シティFCの3チームが1勝2分けで並び、初戦の大量得点が決め手となって枚方が得失点差で優勝。2位FC刈谷とともに、念願のJFL昇格を決めた。
そして迎えた2021年。
クラブは「勇猛果敢 Believe&Achieve 信じて、そして、実現する」というスローガンのもと、第2節・MIOびわこ滋賀戦でJFL初勝利。その後も前年度王者・ヴェルスパ大分やソニー仙台FCに勝利。持ち前の攻撃力でJFL初年度から上位に食い込む健闘を見せる。
7月18日の第17節。いわきFCとFC TIAMO1枚方はJFLの舞台で2度目の対戦。試合は序盤から枚方ペースで進んだ。14分にMF井上翔太選手がゴールを挙げて枚方が先制するも19分、雷によって中断。いわきは気持ちを入れ直し、再開後にペースをつかむも、23分に再び中断。試合は延期となった。
8月14日に行われた再試合は前半23分、0対1のビハインドからの再開。またしても枚方がペースを握り、27分にMF佐藤諒選手が追加点。いわきFCは58分にFW谷村海那のゴールで1点を返し、その後も優勢に試合を進めるも守り切られ、1対2で今季初黒星となった。
FC TIAMO枚方は現在、13勝6分け10敗の勝ち点45で4位。ただし今月に入って調子を崩し、アウェーで松江シティFCに0対3、ホームでHonda FCに1対7と連敗。今節いわきFCを倒し、立て直しを目論む。
そんな難敵・FC TIAMO枚方を今節、いわきFCはいかに攻略するのか。田村雄三監督、村上佑太アナリストのコメントを紹介しよう。
■「中盤のゲームコントロールがカギ」田村雄三監督
3連戦は結果こそよかったですが、攻守で細かい課題が多く出ました。チームとしての課題と個人としての課題。それぞれをしっかりと整理して試合に臨みたい。ここから4試合すべて勝つつもりですが、一つ一つしっかりと戦っていきます。
FC TIAMO枚方さんは攻撃力の高いチームなので、まずはMF山下優人など中盤の選手が相手を上回り、ゲームをコントロールすることが大事。そしてFWは前への強さを示せる選手、DFはアグレッシブに戦い、ボールを奪える選手を使いたいと考えています。
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■「おそらく点の取り合いになる」村上佑太アナリスト
前回アウェーで負けてしまいましたが、失点はクリアミスを拾われたもので、決して崩されたわけではなかった。攻撃でも多くのチャンスがありましたが、決め切れなかった印象。決して内容で負けたわけではなく、やるべきことはできていた。だから、自信をもって臨んでほしいと思います。
フォーメーションは4-2-3-1。警戒しているのはワントップのFW松本孝平選手。ボールを収められるし走れる選手です。前節は出場停止でしたが、今節は出てくるでしょう。そして攻撃のアクセントとなるのが右サイドのMF佐藤諒選手。左利きで、ドリブルからカットインしてから左足でシュート、というわかりやすい武器を持っています。加えてペナルティエリアの外からミドルシュートも打ってきますし、どこにでも顔を出してくる。捕まえづらい選手なので、注意したいところです。
今シーズン、先に点を取れた試合はすべて勝っています。この試合もやはり、先制点がポイントになるでしょう。久しぶりのいわきグリーンフィールドですが、ここでは今シーズン無敗。相性のよさを生かして勝ちたいと思います」
■残り4試合。すべて勝つ。
次なる目標はもちろん、JFLのタイトル奪取だ。
首位Honda FCといわきFCの2チームにほぼ絞られた優勝争い。いわきFCは18勝7分け3敗の勝ち点61。勝ち点でHonda FCと並ぶも、得失点差で上回られ2位。ただし消化試合数が1試合少なく、残り4試合にすべて勝てば、Honda FCの結果にかかわらず自力優勝となる。果たして優勝、そして70得点/30失点の目標達成なるか。
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いわきグリーンフィールドでの戦いは、9月5日のFCマルヤス岡崎戦以来。ぜひ会場にて観戦ルール順守の上、気持ちのこもった拍手で、選手達を後押しいただきたい。
なお、いわきFCの最新情報は現在、"魂の息吹く"noteにて配信中。
また、いわきFCファンクラブ「LOVE IWAKI」も、会員を随時募集。入会は無料。チケットやグッズの会員限定価格で購入や、メルマガによる情報配信など多くの特典があるので、ぜひチェックしてほしい。
熱き戦いに、ぜひご注目を!
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